更新日: 2023.09.05 その他税金

保有していた暗号資産が10万円も上がりました。持っているだけなら税金はかかりませんか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

保有していた暗号資産が10万円も上がりました。持っているだけなら税金はかかりませんか?
老後のための資産形成などの理由で、投資を始めている人も多いでしょう。数ある投資のなかでも銀行や証券会社を通さず始められる暗号資産は、比較的新しい金融商品といえ、まだ不明点が多いのが現状です。
 
本記事では、保有している暗号資産が値上がりしたときに税金はかかるのか、具体的にどんな取引を行ったときに課税対象になるのかを詳しくご紹介します。
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保有していた暗号資産で10万円の利益! 税金はかかる?

銀行や証券会社を介さずにインターネットで取引ができる暗号資産は、手軽でスピーディーに取引ができる点が魅力です。保有している銘柄によっては、価格が高騰する可能性もあります。たまたま買っていた暗号資産で10万円の利益が出ていた場合、税金はどうなるのでしょう。
 
通常、暗号資産を利用して年間20万円超の利益が出た場合、雑所得として所得税が課されます。しかし、保有している暗号資産の時価が上がるなどで利益が発生したとき、そのまま持っているだけなら税金はかかりません。そのため、10万円の利益が出た場合でも税金はかからず、確定申告も不要です。
 

暗号資産に税金がかかるケース

保有している暗号資産で利益が出た場合でも、ただ持っているだけなら税金はかかりません。しかし、暗号資産で取引を行い、年間20万円超の利益があれば、所得税の対象になります。その際は、確定申告の漏れなどがないよう注意しましょう。
 
具体的には、次のような取引で税金がかかります。
 

●暗号資産の売却
●暗号資産で別の商品を購入
●他の暗号資産と交換
●マイニングなどで暗号資産を取得

 
以下で、それぞれについて詳しく解説します。
 

暗号資産の売却

保有している暗号資産を売却して、円に換算すると税金が課されます。暗号資産の売却金額から購入価格を差し引いた金額が利益となります。例えば、ビットコイン(BTC)を1BTCが100万円のときに0.1BTC購入して、1BTCが400万円のときに売却した場合、次のように計算します。
 

購入価格:100万円×0.1BTC=10万円
売却価格:400万円×0.1BTC=40万円
40万円-10万円=30万円

 
暗号資産を売却することで30万円の利益が発生したため、課税対象になります。
 

暗号資産で別の商品を購入

保有している暗号資産が値上がりして利益が出ている状態で、商品を購入するなど決済に使った場合、商品の購入先にその暗号資産を譲渡したことになります。ビットコイン(BTC)を1BTCが100万円のときに購入して1BTCが150万円になれば、差額の50万円が利益です。
 
そのまま保有していれば、税金はかかりませんが、暗号資産を150万円の商品を購入するための決済に使った場合、利益分の50万円に税金がかかります。
 

他の暗号資産と交換

保有している暗号資産Aを他の暗号資産Bと交換したとき、所得税の対象になります。暗号資産Aで暗号資産Bを購入した扱いになるのです。例えばビットコイン(BTC)を使って、リップル(XRP)などを購入したときなどが該当します。
 
例えば1BTCあたり100万円のときに購入したビットコイン1BTCで、1XRPあたり3万円のリップルを50XRP購入した場合、所得金額は次のように計算します。
 
3万円×50XRP-100万円=50万円
 
リップルの購入価格からビットコインの取得価格を差し引いた、50万円に所得税がかかります。
 

マイニングなどで暗号資産を取得

マイニングやステーキング、レンディングなどによって暗号資産を取得した場合、これらによって取得した暗号資産の時価と取得のための必要経費との差額が課税対象となります。
 
マイニングとは、暗号資産の取引記録などを管理して、その報酬として新規に発行された暗号資産を得られる仕組みを指します。ステーキングは、特定の暗号資産を保有することで報酬が得られます。また、レンディングは保有する暗号資産を第三者に貸し付けて、賃料となる利息を徴収する仕組みです。
 

暗号資産で利益が出たときは税金に注意!

たまたま買っていた暗号資産が値上がりしても、保有しているだけなら税金はかかりません。しかし、暗号資産の売却や決済などの取引を行って利益が出たときは、課税対象となり確定申告が必要になります。申告漏れなどのトラブルを避けるためには、どのような取引に税金がかかるのかを正確に理解しておきましょう。
 

出典

国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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