ガソリンは「税金に税金がかかってる」って本当? 二重課税分は1リットル当たり5.66円!

配信日: 2023.09.10

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ガソリンは「税金に税金がかかってる」って本当? 二重課税分は1リットル当たり5.66円!
ガソリン価格の高騰に対して、政府は補助金の支給を年末まで延長する方針を公表しています。10月にはレギュラーガソリンの価格は1リットル当たり175円程度まで引き下げられるとのことで、国民の負担は今より軽減されるでしょう。
 
ただ、ガソリン価格は元々税金が約4割を占めているということを知っていますか? 消費税にいたっては、税金に税金がかかる二重課税が起こっているのです。
 
本記事では、ガソリンにかかっている税金について解説します。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

2023年9月4日時点のガソリン価格は186.5円

経済産業省資源エネルギー庁が発表している調査結果によると、2023年9月4日時点におけるレギュラーガソリンの店頭現金小売価格は、1リットル当たり186.5円(税込)となっています。
 
車で10km程度走るだけで186円を消費していると考えると、家計への影響を痛感しますね。
 

ガソリン価格の約4割は税金

ガソリンスタンドでガソリン代を支払うとき、ガソリン本体代と消費税を支払っていると思っていませんか? 実はガソリン代の約4割は消費税を含む税金なのです。
 
ガソリンにかかっている税金は以下の4つです。

・ガソリン税(揮発油税)…53.8円
・石油石炭税…2.04円
・地球温暖化対策税…0.76円
・消費税…(ガソリン本体価格+上記3つの税金)×10%

 
2023年9月4日時点でのガソリン価格186.5円中、ガソリン本体代は112.9円で、残りの73.6円は税金なのです。しかも消費税に関しては、ガソリン税、石油石炭税、地球温暖化対策税にもかかっているので、5.66円は二重課税分となります。
 
50リットル給油した場合の支払額は9325円ですが、そのうち税金は3680円、二重課税分は283円となります。
 

ガソリン税・石油石炭税・地球温暖化対策税とは

ガソリン税とは、ガソリンの製造所からガソリンを出荷した際にかかる税金で、消費者が支払ったガソリン税を石油会社が納める間接税です。ガソリン税は主に道路整備のために使われています。
 
石油石炭税は、原油や輸入石油製品などに対してかかる税金で、石油の消費者に広く負担を求めるために創設されました。
 
地球温暖化対策税とは、名称のとおり地球温暖化対策を強化するための財源であり、ガソリンなどに対してCO2排出量に応じた税率が決められています。
 

ガソリン税は特例でさらに倍になっている

ガソリン税は1リットル当たり53.8円ですが、実は本則税率は28.7円なのです。25.1円は特例税率として、長期にわたって特例的に上乗せされています。
 
そしてこの特例税率には、ガソリン価格が3ヶ月連続で160円を超えると特例税率部分の課税をやめる「トリガー条項」が設けられています。特例税率がなくなれば補助金の比ではない負担軽減になるのですが、政府はまだその発動を指示していません。
 

まとめ

ガソリン代の約4割は税金です。特に消費税に関しては税金に税金がかかる計算構造となっており、ガソリン1リットル当たり5.66円の二重課税が行われています。
 
2023年に起こった歴史的なガソリン価格高騰をきっかけに、ガソリン課税の抜本的な見直しが行われることを願います。
 

出典

経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査
財務省 自動車関係諸税・エネルギー関係諸税に関する資料
環境省 地球温暖化対策のための税の導入
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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