「年末調整の書類が面倒…」で提出しないのはアリ? 出さないと1万円以上「損」するって本当?

配信日: 2023.09.26

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「年末調整の書類が面倒…」で提出しないのはアリ? 出さないと1万円以上「損」するって本当?
年末調整の書類は、会社に勤める人であれば、毎年冬の入り口頃に会社から配られるかと思います。そのほとんどが提出しなければならない書類であるにもかかわらず、専門用語が並び非常にわかりにくいと思う人も多いでしょう。確定申告や給与計算になじみのない人であれば、毎年苦労して書いているという人もいるでしょう。
 
では、「面倒だから提出しない」というのはアリなのでしょうか? 本記事で解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年末調整は会社の義務

年末調整は所得税法に定められた会社の義務です。よって、従業員が年末調整書類を提出しなくても、従業員本人に罰則はありません。自分の都合だけを考えるのであれば、「面倒だから提出しない」というのはアリなのです。
 

ただし困るのは自分

年末調整書類を出さないと会社は年末調整を行うことができません。それはつまり、所得税の精算が行われないということであり、結局のところ困るのは自分なのです。
 
年末調整は、給与から概算で天引きされた1年分の所得税を精算するために行われる手続きです。会社は提出された書類などに基づき、従業員1人ずつの所得税計算をして正しい税額を算出し、概算で天引きされた所得税が多ければ還付、少なければ徴収をして、さらに従業員全員分の所得税をまとめて税務署に納付しているのです。
 
つまり年末調整は会社の義務ではあるのですが、従業員のために行われている手続きであることを知っておきましょう。
 

年末調整は還付の方が多い

年末調整を経験した人は、これまで還付されることが多くありませんでしたか? それは源泉所得税は給与から多めに引かれているからです。
 
例えば、社会保険料控除後の給与が25万円で扶養親族がいない場合の源泉徴収額は6530円で、年間では7万8360円になります。しかし、年末調整で正しい所得税を計算した場合、この金額より少なくなる場合が多いのです。もし所得税が6万円だったとしたら、1万8360円の還付となります。年末調整をしないということは、1万8360円の損をするということですね。
 
「徴収の場合には年末調整しない方が得なのでは?」と思ったでしょうか? 確かに、源泉所得税の方が少ない場合もあるので、もしそうだったら年末調整しない方がお得な気がしますね。しかし、それは脱税になります。年末調整されていない事実は税務署も把握しているので、何らかの形で連絡が来る可能性があります。
 

年末調整は確定申告に替えられる

ただ、年末調整をしなかったからといって、すべてが終わりになるわけではありません。年末調整と同様の効果が確定申告にあるからです。年末調整書類を出さなかった人は、翌年に確定申告をすれば解決します。ちなみに、「還付金はいらない」という場合、確定申告は不要です。税務署は多く払ってくれている税金に文句は言わないからです。
 
それなら「年末調整の方が面倒くさくないんじゃない?」ということになるでしょう。年末調整であれば会社の担当者に不明点を聞けますが、確定申告になると会社は関係ありません。税務署の職員などに質問しながら自己責任で確定申告書を作成することになります。
 

まとめ

年末調整の書類を作成するのは面倒ですが、提出せずにいて後から確定申告する方がもっと面倒なのではないでしょうか。また、年末調整は会社の義務であることから、書類を提出しなければ会社から繰り返し催促があるはずです。可能であれば、還付によってお金が返ってくる可能性が高いことも考慮し、できるだけ会社に協力するのがいいでしょう。
 

出典

源泉徴収義務者(給与の支払者)の方へ(令和5年分)

国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和 5 年分)(一)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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