更新日: 2023.12.29 確定申告
申告に必要な証明書のデータを一括取得! 「マイナポータル連携」とは?
そこで本記事では、政府が推し進めるマイナンバーカードを利用した「マイナポータル連携」について、その仕組みや概要、事前準備などについて確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
マイナポータル連携とは?
マイナポータル連携は、年末調整の際にも利用されますが、本記事では確定申告する場合を想定して記載します。
マイナポータル連携とは、マイナンバーカードを利用して、各人のマイナポータル経由で、確定申告の際に必要となる各種証明書等のデータを一括で取得することで、確定申告書の該当項目に自動入力できるものです。主なメリットは、以下のとおりです。
(1)各種証明書等を、書面で管理・保管することが不要となる
(2)控除証明書等の集計作業が不要となる
(3)確定申告書への入力の手間が省ける
(4)確定申告書への転記・入力ミスがなくなる
(5)そのままe-Taxで作成したデータを送信できる
マイナポータル連携を利用するまでの事前準備
マイナポータル連携を利用するためには、事前準備が必要となります。早めに事前準備を完了することで、確定申告書の作成を確実に省力化することができるでしょう。
1. マイナポータルでの利用者登録
すでに利用者登録を完了している方も多いと思いますが、マイナポータルにスマートフォンやパソコン(ICカードリーダライタ)でアクセスし、パスワードを入力してログインします。
2. 取得したい証明書等の選択
令和5年分からは取得できる証明書等が拡充されており、以下の証明書等が取得可能です。
・社会保険料(国民年金保険料)控除証明書、国民年金基金掛金の控除証明書
・医療費通知情報
・ふるさと納税(寄附金受領証明書、寄附金控除に関する証明書)
・住宅借入金等特別控除証明書、住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・生命保険料控除証明書
・地震保険料控除証明書
・給与所得の源泉徴収票
・公的年金等の源泉徴収票
・特定口座年間取引報告書
・小規模企業共済等掛金控除証明書(iDeCo、小規模企業共済掛金)
また、家族分の証明書等を取得する場合には、申告する本人(代理人)とその家族(被代理人)のマイナンバーカードを使って、代理人を設定することが必要となります。
3. マイナポータルと民間送達サービス、ねんきんネットとの連携
民間送達サービスとは、インターネット上で自分専用のポストを作り、自分宛てのレターやメッセージを受け取るサービスです。
取得する証明書等の種類に応じて「e-私書箱」、「民間送達・e-Tax連携サービス」、「My Post」がありますが、最も多くの証明書等と連携しているのは、株式会社野村総合研究所が運営する「e-私書箱」サービスです。
各サイトとの連携の際には、e-Taxと連携したうえで、マイナンバーカードによる本人認証を行います。なお、連携可能となる証明書等発行主体の一覧は、国税庁の「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」のWEBページで確認してください。
4. 民間送達サービスと証明書等発行企業との連携
例えば、「e-私書箱」と実際に証明書等を取得したい企業(生命保険を契約している企業など)のサイトを連携します。手順や申請の承認に要する日数などは企業により異なりますが、電子交付サービスの利用者登録や電子交付の同意などを完了する必要があります。
なお、ふるさと納税における寄附先の自治体が発行する証明書等を取得する場合には、「民間送達・e-Tax連携サービス」との連携が必要となります。
まとめ
マイナポータル連携を利用するためには、少々事前準備に手間と時間がかかります。基本的には、最初に1回だけ連携作業をすることで、次年度以降に改めて同じ作業をする必要はありません。
毎年の確定申告書作成作業や資料準備作業を、極力省力化して効率的に進めたい方は、事前準備を早めにしておくことをお勧めします。
出典
国税庁 マイナポータル連携特設ページ(マイナンバーカードを活用した控除証明書等の自動入力)
国税庁 マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー