見直されるふるさと納税制度、何が変わる? 2018年度の寄付で気をつけるポイントとは
配信日: 2018.10.12 更新日: 2019.01.10
では、実際にふるさと納税をする上で、気をつけなければいけないポイントは何でしょうか?
Text:大堀貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員
2008年南山大学法学部法律学科卒業後、大手証券会社で、営業として勤務。主人のタイ赴任がきまり、退社。3年間の在タイ中、2人をタイで出産、子育てする。本帰国後、日本で3人目を出産。現在、3人の子育てと長女の国立小学校受験に奮闘中。子供への早期教育の多額の出費、住宅ローン、子供の学資資金、また老後資金準備のため、いろいろな制度を使って、資産運用をしています。実際の経験を踏まえた、お金に関する、役立つ情報を発信していきたいと思います。
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ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、市区町村などの自治体に寄付した場合、寄付金から2000円を引いた額が個人・法人の所得税や住民税から控除され、税金が還付される制度です。
また、寄付をした自治体から返礼品を受け取れることもあります。返礼品を受け取ることはできませんが、被災地復興支援へ寄付をしたり、子供育成目的に使ってほしいなど、自治体に寄付の使いみちを指定することもできます。
個々の所得税や住民税の額により、税金を還付してもらえる金額は変わりますが、実質2000円の自己負担で寄付をすることができます。
このふるさと納税の返礼品は、原則として地場産品で、寄付金に対する返礼割合は3割までです。しかし、人気の地方自治体の中には、返礼割合が30%を超え、最高65%に達する自治体もあります。同じ寄付金額で返礼品の価値が高ければ、ふるさと納税者もそちらを選んでしまうわけです。さらに、地場ではない輸入のワインや旅行券なども人気です。
ふるさと納税制度の変更点
・返礼割合が3割超は246団体
・地場産品以外の物を返礼品にしている団体は235団体
※2
総務省は上記の団体に対して、ふるさと納税の見直しを迫ってきましたが、自治体は応じませんでした。応じない理由としては、現在ふるさと納税による税収が3分の1以上を占める自治体もあり、大きな収入源になっていること。地場産業がない自治体では返礼を地場品限定にされると、ふるさと納税額が大きく減る可能性があることなどが考えられます。
今後は、本来の「地場産品からで返礼割合が3割」という大原則が守られない自治体をふるさと納税の対象外にするという、半ば強制的に原則に沿わせるような「ふるさと納税制度見直し案」が税制調査会に提出される予定です。
税制調査会審議後は、年内の12月頃までにふるさと納税制度見直し案が国会に提出され、可決されれば、早くて翌年2019年4月から施行される可能性があります。¥そのため、2019年3月末までに、ふるさと納税の返礼品を原則に基づくように見直す自治体が増えそうです。
ふるさと納税する方が気をつけるポイントは?
今まで通り寄付はできますが、「地場品ではないもの」「返礼割合が高くてお得なもの」は地方自治体による見直しでなくなる可能性が高くなっています。
一部の自治体には9月・10月中に見直す動きが出ています。(2018年9月11日時点)それでも、まだ見直していない自治体があるため、返礼割合の高いものを選ぶなら2019年3月までに寄付する必要があるでしょう。
優れた地場産業がない自治体は、寄付金が減ってしまうという課題が残ります。しかし、本来はふるさとを応援する、寄付文化を根付かせるという目的でつくられた制度です。本来の目的を大事に、さらに被災地への復興支援も視野に入れて検討してみてください。
※1(参考)日経新聞 2018年9月12日水曜日 朝刊 3面
※2総務省「ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況 についての調査結果」
(参考)総務相 ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況
Text:大堀 貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員
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