【立場逆転】息子が親である私を「扶養に入れる」と言っていますが、金銭面でメリットはありますか? そもそも、子が親を扶養にできるのでしょうか?

配信日: 2024.01.24

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【立場逆転】息子が親である私を「扶養に入れる」と言っていますが、金銭面でメリットはありますか? そもそも、子が親を扶養にできるのでしょうか?
扶養は親が子どもに対して行うものだと思っていると、息子などから逆のパターンを提案されたときに戸惑うかもしれません。金銭面のメリットが分からず、そもそも可能なのか疑問に感じることもあるでしょう。
 
そこで本記事では、子どもから扶養に入れたいと言われた親を想定し、この提案を受け入れるかどうかの判断に役立つ情報を紹介します。
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親が子どもの扶養に入る条件

条件さえ満たしていれば、子どもが親を扶養することは可能です。ただし、一口に扶養といっても、制度として主に所得税と健康保険の2種類があるので気を付けましょう。それぞれに関して代表的な条件を以下に紹介します。
 

・所得税に関する扶養の条件

子どもと親が生計を一にしていることが必須の条件です。同居中のケースだけでなく、別居して経済的に支援しているケースも当てはまります。
 
よって、介護施設で暮らしていても、それだけを理由として対象外になることはありません。また、親の年間の所得が48万円以下であることも条件の一つです。年金受給者なら公的年金控除を引いた金額で判定します。
 

・健康保険に関する扶養の条件

被保険者である子どもと親が同一の世帯で暮らし、生計が主に前者の収入で維持されていることが不可欠です。また、年間の収入に関しても条件があり、同居と別居では異なるので注意を要します。同居の場合は、親の収入が子どもの半分未満でなければなりません。
 
一方、別居の場合は、親の収入が子どもからの仕送り額を下回る必要があります。なお、親が60歳未満なら年収は130万円未満、60歳以上なら180万円未満であることは共通の条件です。
 

所得税に関する金銭面のメリット

子どもが親を扶養していると、年末調整や確定申告において扶養控除が適用されます。扶養控除とは、所得税の計算において、所得から一定の金額を差し引ける所得控除の一種です。適用後に税率をかけるため、その分だけ節税できるというメリットがあり、所得を用いて算出する住民税も安くなります。
 
差し引く金額は控除額と呼ばれ、70歳を境に同居の有無を踏まえて変わります。国税庁によれば、70歳未満の親は一般の控除対象扶養親族で、控除額は38万円です。70歳以上の場合は老人扶養親族に該当し、控除額は同居なら58万円で、別居なら48万円となっています。
 

健康保険に関する金銭面のメリット

健康保険の扶養に入った親は、健康保険料を納める必要がなくなります。75歳になって健康保険から後期高齢者医療保険に移行するまで、その状態でも保険給付の受け取りが可能です。
 
また、健康保険の加入者が40歳以上65歳未満の場合、本来は健康保険料と介護保険料がセットで徴収されますが、日本年金機構のホームページを見ると「全国健康保険協会(協会けんぽ)の40歳未満の方は、40歳以上の方を被扶養者にしても介護保険料を納める必要はありません。」としています。
 
ただし、健康保険組合によっては支払いを求めるケースもあるため、事前に規約などを確認しましょう。
 

条件とメリットを正確に把握して判断しよう!

親が子どもの扶養に入るには、生計や収入に関する条件を満たす必要があります。扶養の制度を利用する双方にメリットがあります。
 
子どもは節税対策ができて、親は健康保険料などの支払いを削減できます。子どもから扶養に入れたいと提案されたら、条件等を確認したうえで、検討してみましょう。
 

出典

日本年金機構 会社に38歳の従業員がおり、このたび63歳の母親を健康保険の扶養に入れる手続きをしました。40歳未満の方は、介護保険料がかからないと聞いていますが、扶養に入れた方が40歳以上の場合は、介護保険料を含む健康保険料を納付することになるのですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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