更新日: 2024.01.29 その他税金
15年間コツコツ貯めたへそくり「200万円」が税金の対象に!?銀行に預けてないのにバレるものなの?
しかし、へそくりに使用したお金によっては、税金がかかる可能性もあります。へそくりを貯める際は、贈られたお金なのか、自分のお金なのかをはっきりさせておくことが必要です。
今回は、へそくりを貯めると税金がかかるケース、かからないケースについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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へそくりは課税対象になるのか?
へそくりをすること自体は問題ありません。
しかし、へそくりに使われたお金の出どころによっては、贈与税や相続税がかかるケースがあります。もし課税対象となっているにもかかわらず申告をしていないと、追加で延滞税などが課される可能性もあるため、注意が必要です。
課税対象となるケース
へそくりが課税対象となるときは、自分で稼いだお金ではなく、誰かからもらったお金をへそくりとして貯めていた場合です。お祝いなどでもらったお金をへそくりとして貯めていると、贈与税がかかるケースがあります。贈与税は、人からお金や不動産などの財産を贈られた際にかかる税金です。
贈与税は基礎控除額が110万円なので、1年で110万円を超える額を受け取り、へそくりとしてこっそり貯金した場合は課税対象となるため、注意しましょう。
※出典:国税庁「No4402 贈与税がかかる場合」
さらに、夫や妻から受け取ったお金を家計に回したあと、余ったお金をこっそり貯めている場合は「相続税」の対象になる可能性があります。贈られたと認められないお金は、渡した側の財産として扱われるためです。
民法の第549条によると、贈与は財産を渡す側が、受け取る側に無償で譲渡することを表明し、受け取る側が受諾することで成り立つとされています。
つまり、夫や妻から家計として受け取ったお金の一部をこっそり貯めることは、相手に贈る意思があるとは認められないケースが少なくありません。贈与が認められないと、たとえ自分で管理していても、夫や妻が亡くなった際に亡くなった方の財産として扱われるため、相続税の対象となる可能性があるでしょう。
課税対象とならないケース
自分で働き、給与として源泉徴収済みのお金の一部を貯めていた場合は、贈与税や相続税の対象にはなりません。へそくりのお金がもとから自分自身の財産であるためです。また、人から受け取ったお金であっても、1年間でへそくりとして貯めた金額が贈与税の基礎控除額である110万円以内であれば、贈与税はかかりません。
相続税の場合も、相手が亡くなる前に準備をしておけば課税対象にはなりません。家計を渡してくれている相手が生存しているときに、贈与したという公的な書類を作成しておけば、貯めたへそくりは正式に贈与されたことになります。
正式に贈与されていれば、相続財産ではなく自分の財産として扱われるため、相続税がかからないのです。
なぜ銀行に預けていなくてもバレるのか?
へそくりを銀行に預けず、タンス預金などの形で家に保管する方もいます。しかし、もし課税対象となっているにもかかわらず無申告のままでいると、たとえタンス預金でもバレるため、必ず申告しましょう。
全国の税務署では「国税総合管理システム」(KSKシステム)を採用しています。KSKシステムでは、納税者の申告書や年金の源泉徴収票、生命保険の支払い調書など、さまざまな情報を一元的に管理、分析しているため、不自然なお金の動きは分かる仕組みです。
申告期限までに贈与税や相続税の申告をしなかった場合、本来の税金に加えて延滞税なども払う必要があります。金銭的負担を軽減するためにも、税金が発生したと分かった時点で必ず納めましょう。
へそくりはお金の出どころによっては課税対象になるため注意
自分自身で稼いだお金をへそくりとして貯める分には問題ありませんが、パートナーなどの他人からもらったお金をへそくりにする場合は税金が発生する可能性もあります。
人から受け取ったお金をへそくりにするときは、金額が贈与税の発生しない範囲に収まっているか、また相続扱いにならないよう贈与が成立しているかなどをチェックしておきましょう。
また、パートナーに言わずに受け取ったお金を貯めても、自分の財産とならずパートナーが亡くなった際に相続税の対象になる可能性もあります。もし税金が発生してしまった場合は、隠さず必ず申告しましょう。
出典
国税庁 No.4402贈与税がかかる場合
デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十九条
財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー