大学生の子どもが、バイト先の繁忙期で「月20万円」稼ぎました。その後「月8万円」程度の収入に戻っても「扶養」からは外れますか? 1ヶ月くらいなら大丈夫でしょうか…?
配信日: 2024.02.16
ただし大学生がアルバイトなどで収入を得る場合に注意したいのが、収入と扶養の問題です。というのも親は配偶者や子どもを扶養に入れて控除を受けているケースもあるためです。収入の規模によっては、親の扶養を外れて自分自身で所得税や住民税、社会保険料などを支払わなければなりません。
本記事では、大学生がアルバイトをして、通常は月8万円程度の収入であっても、繁忙期で一時的に月20万円稼いだ場合、親の扶養から外れてしまうのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「103万円の壁」に注意する
「103万円」や「130万円」など様々な金額の「年収の壁」を見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。
それぞれ定められている年収水準を超えると「所得税」や「住民税」、健康保険などの「社会保険料」の支払いが発生するため、パートやアルバイトをしている学生や配偶者などはもちろん、彼らを会社員として扶養に入れている場合も無視できない問題です。
今回の場合、親が自身の子どもである大学生を扶養に入れており、子が19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族として63万円の控除を受けていると想定できます。16歳以上18歳以下の場合は一般の控除対象扶養親族となり控除額は38万円です。
ただし、給与収入が103万円を超えてしまうと扶養対象から外れてしまいます。扶養から外れると親は扶養控除を受けられず、子どもは自分自身で所得税を支払う必要があるので注意しましょう。
「103万円の壁」は基本的に年間総額で判断される
年収の壁は基本的に1年間の総額で判断されるため「月額いくら超えると扶養から外れる」といった決まりはありません。つまり、例えば1月から3月まで平均月収30万円を稼ぎ、4月から12月まで無収入の場合は年収90万円となるので「103万円の壁」には抵触しません。
アルバイトの種類によっては勤務シフトが一定ではなく、繁忙期や閑散期が存在するケースも少なくありません。例えば、居酒屋でアルバイトをしていて新年会や忘年会シーズンになると、店長などから「今月は忙しいからシフトをできる限りたくさん入れてほしい」と言われることもあるでしょう。
そのような場合に、「一時的に」多く働いて月20万円や30万円稼いだとしても、直ちに親の扶養を外れるわけではありません。通常時にいくら稼いでいるかにもよりますが、年間を通して合計103万円を超えないようにする必要があります。
例えば、通常時は月8万円稼いで12月のみ月20万円稼いだとしましょう。年収は合計108万円となるため、103万円の壁を超えてしまいます。そのため引き続き親の扶養に入るためには繁忙期以外の時期で勤務シフトを調整する必要があります。
まとめ
本記事では、アルバイトをしている大学生の子どもが、繁忙期の関係で1ヶ月あたりの収入が一時的に8万円から20万円に上がった場合、親の扶養から外れてしまうのかを解説しました。
親の扶養から外れるかどうかは年間の収入規模で判断されるため、もし一時的に収入が増えた場合は、通常時や閑散期に勤務日数や時間を減らして調整することをおすすめします。
出典
国税庁 No.1180 扶養控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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