更新日: 2024.05.22 その他税金
社会人2年目「手取り21万円」で、親から「手取りが減るから節約しなさい」と言われています。「定額減税」もあるそうですが、実際どのくらい変わりますか?
住民税はどうやって決められているのでしょうか。本記事で税金額がどのように決まるのかの解説と、手取り額の変化をシミュレーションします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
住民税が決まるのは、いつまでの収入?
住民税は、前年の年収をもとに今年の課税税額が決まります。新卒1年目の4月から12月まで支給された給与額合計に対して住民税額が計算され、新卒2年目の6月から課税されます。
新卒1年目に課税されていないことが多いのは、前年度は学生で住民税が課税される年収を稼いでいないためです。就職する前年に、アルバイトなどで住民税が課税される年収である約100万円以上まで稼いでいた場合は、新卒1年目から住民税が課税されます。
新卒2年目での住民税額は、入社した4月から12月までの9ヶ月分の合計所得をもとに計算されます。新卒3年目は1月から12月まで12ヶ月分の合計所得が課税対象となって所得額が上がり、新卒3年目以降の住民税額は、新卒2年目よりも増えるので注意が必要です。
入社1年目と2年目、それ以降はどのくらい税金がかかる?
国税庁が発表した令和4年分「民間給与実態統計調査」によると、年齢別で20歳から24歳までの平均年間給与額は273万円(男性291万円、女性253万円)でした。
厚生労働省が発表した令和5年度「賃金引上げ等の実態に関する調査」での「1人平均賃金の改定額」は9437円、「1人平均賃金の改定率」は3.2%でした。
これら2つの調査結果をもとに、平均年間給与額273万円が3年目から年3.2%ずつ上昇すると仮定して、賃金と税金(年額)などがどのように変化してゆくのかを図表1にシミュレーションします。
図表1
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
---|---|---|---|
年収 | 約204万円 (273万円の9ヶ月分) |
約273万円 | 約281万7360円 |
厚生年金 | 16万4700円 | 24万1560円 | 26万3520円 |
健康保険料 | 9万円 | 13万2000円 | 14万4000円 |
雇用保険料 | 1万920円 | 1万6380円 | 1万6904円 |
所得税 | 2万2800円 | 4万8900円 | 5万300円 |
住民税 | 0円 | 5万2300円 | 10万6100円 |
手取り見込み額 | 約153万1580円 | 約223万8860円 | 約223万6536円 |
筆者作成
シミュレーションを行うと、2年目は住民税が年間約5万2300円(月額約4358円)差し引かれる試算になりました。「1年目と比べて手取りが減った」と感じやすいかもしれません。
2024年の定額減税で、いくら減税になる?
2024年6月からの定額減税で、所得税3万円と住民税1万円が減税される見込みです。所得税と住民税が課税されている人が6月分給与から減額され、6月分の税額から全て減額できなかった場合は分割して給与や賞与などから減額されます。
まとめ
住民税は前年の年収をもとに今年の課税税額が決まる制度で、新卒2年目の6月から課税されるケースが多いです。新卒2年目の住民税額は、新卒1年目の4月から12月まで支給された給与額合計を用いて計算されます。
親のアドバイスを受け止めて、給与明細を見て毎月の税金や社会保険料などがいくら天引きされているのかを確認し、収入の範囲内で生活できるようにつとめましょう。
出典
東京都主税局 個人住民税
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況 2.賃金の改定額及び改定率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー