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更新日: 2024.09.11 控除

ママ友がフリマで「月10万円」ほど稼いでいるようです。「月10万円」なら扶養を外れないといけませんよね?

ママ友がフリマで「月10万円」ほど稼いでいるようです。「月10万円」なら扶養を外れないといけませんよね?
「扶養から外れる」という場合、それが税法上の話なのか社会保険上の話なのかを分けて考えなければなりません。例えば、「パートタイマーやアルバイトで、年収が103万円を超えた場合、扶養から外れるか?」という質問があったとします。
 
この場合、「税法上の扶養からは外れるが社会保険上の扶養からは外れない」という回答になることがあります。
 
本記事では、「ママ友がフリマで月10万円ほど稼いでいる」というケースを取り上げ、税法上と社会保険上のそれぞれについて、扶養から外れるかどうかを解説します。「扶養から外れる」ということについてご理解いただけると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

税法上の扶養から外れるか?

「税法上の扶養から外れる」とは、「所得税の計算上、所得控除が受けられなくなる」ということです。所得税を計算する過程で、納税者に扶養している配偶者や親族(以下「被扶養者」といいます)がいる場合、一定の金額の所得控除が受けられます。
 
その結果、被扶養者がいないときに比べ、納税者が納めるべき所得税額は低くなります。つまり、税法上の扶養から外れた場合、扶養であったときに比べ、納税者が納めるべき所得税額は高くなります。
 
さて、ママ友が税法上の扶養から外れるかどうかは、配偶者控除または配偶者特別控除における控除対象配偶者から外れるかどうかで判断します。なお、扶養から外れるということはこれまで扶養だったと考えられるため、収入(所得)以外の要件は全て満たしているものとします。
 
控除対象配偶者となる人の所得に係る要件は、以下のとおりです。
 

・配偶者控除:年間の合計所得金額が48万円以下
・配偶者特別控除の場合:年間の合計所得金額が48万円超133万円以下

 
俗にいう「103万円の壁」は、一般には「所得税がかからないライン」といえますが、「配偶者控除を受けられるライン」ともいえます。「年間の合計所得金額が48万円以下」とは、「年収が103万円以下(給与のみの場合)」と同義だからです。
 
では、「フリマで月10万円ほど稼いでいる」場合はどうでしょう。一般に、フリマで稼いだお金は雑所得または事業所得に分類され、給与(給与所得)とは扱いが異なります。雑所得および事業所得の金額は、いずれも総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
 
総収入金額を仮に120万円(10万円×12ヶ月)とした場合、ここから必要経費を差し引いた金額が所得金額となります。古着を転売しているのであれば、それに伴う費用が必要経費となります。
 
この計算の結果、所得金額が48万円以下であれば、配偶者控除を受けられるため、扶養から外れないといえます。一方、所得金額が48万円超133万円以下であれば、配偶者特別控除を受けられますが、その所得は所得税の課税対象にもなります。なお、今回のケースでは、所得金額は多くても120万円ですので、配偶者特別控除は受けられます。
 

社会保険上の扶養から外れるか?

「社会保険上の扶養から外れる」とは、「社会保険(健康保険や厚生年金保険)の被扶養者でなくなる」ということです。社会保険の被扶養者は、健康保険や国民年金に加入しているものの、保険料は納めていません。つまり、社会保険上の扶養から外れた場合、保険料を納めなければならなくなります。
 
さて、ママ友が社会保険上の扶養から外れるかどうかは、被扶養者の収入要件を満たすかどうかで判断します(他の要件は満たしているものとします)。この要件に当てはまらない場合、扶養から外れると判断します。
 
被扶養者の収入要件は、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)であり、かつ、収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(同居の場合)であることです(別居の場合は、収入が被扶養者からの仕送り額未満となります)。
 
今回のケースでは、年間収入は120万円相当であり、被扶養者の収入要件を満たしていると考えられます。したがって、社会保険上の扶養からは外れないといえそうです。
 

まとめ

フリマアプリの普及に伴い、フリマで稼ぐことは珍しいことではなくなってきました。上手にやっている方は、月10万円以上稼ぐこともできるそうです。そのような場合、扶養から外れるかどうか、気になっていた方も多いのではないでしょうか。
 
「扶養」には、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」があります。「扶養から外れる」というとき、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」を分けて考えなければなりません。
 
本記事では、「ママ友がフリマで月10万円ほど稼いでいる」というケースを取り上げ、扶養から外れるかどうかについて解説しました。結論としては以下のとおりです。
 

・税法上の扶養からは外れない(配偶者控除または配偶者特別控除を受けられる)が、所得税がかかる可能性がある
・社会保険上の扶養からは外れない

 
本記事では、所得金額の計算についても解説しましたので、ぜひ参考にしてください。
 

出典

国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
国税庁 No.1500 雑所得
国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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