円安で海外への旅行代金が高く、旅行保険も高額になりました。保険料は「年末調整」で戻ってきますよね?

配信日: 2024.10.03

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円安で海外への旅行代金が高く、旅行保険も高額になりました。保険料は「年末調整」で戻ってきますよね?
新型コロナの感染拡大で、海外旅行を中止していた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? 「さあ、これから海外旅行へ行くぞ」と思っても最近の物価高や円安の影響で思ったよりも渡航費や宿泊費用が膨らみがちで、旅行保険の出費もばかにならないかもしれません。
 
本記事では、海外旅行保険の補償内容を確認し、年末調整の対象となるか、そして費用を抑えるために海外旅行保険に加入しなかった場合の対応につき解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

海外旅行保険の補償内容は?

海外旅行保険は、海外旅行中でのケガや病気をした場合の治療費や死亡した場合などを補償する保険ですが、詳しく内容を確認してみましょう。
 
1. 補償の対象場所は?
 
海外での滞在地や飛行機での往復の移動だけではなく、自宅を出発してから帰宅するまでが補償の対象となります。つまり、海外だけでなく、日本国内で発生した事故や病気などについても、保険の対象です。
 
2. 補償の内容は?
 
上記1の旅行行程中の補償内容は、加入する保険によって異なります。さまざまな補償が対象となる総合保障タイプのものや、必要な内容だけを選択して契約する商品があります。
 
海外旅行保険の主な補償内容を紹介します。

(1) 傷病治療補償:ケガの治療費
 
(2) 疾病治療費用:病気の治療費用
 
(3) 傷害死亡:ケガで死亡した場合
 
(4) 傷害後遺障害:ケガによって後遺障害を負った場合
 
(5) 疾病死亡:病気で死亡した場合
 
(6) 賠償責任:他人にケガをさせたり他人の物を壊したりした場合
 
(7) 携行品障害:所持品が盗難にあったり、壊れたりした場合
 
(8) 航空機遅延費用:航空機が遅れて宿泊代・食事代などを別途自己負担した場合
 
など

海外旅行保険料は、年末調整の対象になるのか?

1.旅行保険は損害保険に区分される
 
海外旅行保険には、今まで見てきたように、旅行中の死亡補償や病気やケガをした場合の治療費などの補償が含まれていますが、生命保険の扱いではなく、損害保険に区分されます。したがって、生命保険料控除の対象にはなりません。
 
2. 年末調整の対象になるのか?
 
上記のとおり、海外旅行保険は、損害保険扱いになります。平成18年の税制改正により、平成19年から地震保険料控除制度が創設され、従来の損害保険料控除制度は廃止され、控除の対象外となりました。したがって、海外旅行保険の保険料は、残念ながら年末調整で保険料控除の対象とはなりません。
 

海外旅行保険に入らず、海外の医療機関で治療を受けたら

保険料負担を軽減するために海外旅行保険に入らず海外の医療機関で治療を受けた場合に、補償を受けられる制度として、海外医療費制度があります。以下、詳しく見て行きましょう。
 
1. 海外医療費制度とは?
 
海外旅行中や海外赴任中に急な病気やケガなどにより、海外での医療機関でやむを得ず、診療等を受けた場合に、一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。
 
2. 給付の範囲
 
日本国内で保険診療として認められている医療行為に限られます。また、治療目的で海外にて診察を受けた場合には対象とはなりません。
 
3. 支給金額
 
日本国内の医療機関等で同じ傷病を治療した場合にかかる治療費を基準に計算した額となります。日本と海外では、医療体制や治療方法が異なるため、思ったよりも医療費が高額で、予想以上に自己負担額が多くなる場合があります。
 

まとめ

海外旅行中でのケガや病気をした場合の治療費や死亡した場合などを補償するのが、海外旅行保険ですが、保険料は年末調整の対象とはなりません。
 
また、もし海外旅行保険に加入せずに、海外旅行中にケガや病気になり、旅行先の医療機関にかかった場合の補償制度として、海外医療費制度があります。しかし、思ったほどの補償がされない場合がありますので、万が一の事態に備えて、海外旅行保険の加入を検討することをお勧めします。
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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