子どもたちがよく体調を壊し、これまで二回入院したので医療費がかさんでしまいます…。今年は総額で10万円くらいなりそうなのですが、医療費控除でいくら戻ってくるのでしょうか?

配信日: 2024.11.18 更新日: 2024.11.19

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子どもたちがよく体調を壊し、これまで二回入院したので医療費がかさんでしまいます…。今年は総額で10万円くらいなりそうなのですが、医療費控除でいくら戻ってくるのでしょうか?
入院や高額な治療などで医療費がかさむと、家計に大きな負担がかかります。しかし、「医療費控除」を利用することで、支払った医療費の一部が還付金として戻ってくる場合があります。
 
この記事では、医療費控除の基本的な仕組みと計算方法について分かりやすく解説し、実際にどのくらいの金額が戻ってくるのかをシミュレーションします。
FINANCIAL FIELD編集部

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医療費控除とは?基本的な仕組みと計算方法

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた金額を所得控除できる制度です。
 
医療費控除の計算方法は以下の通りです。
 

 
実際に支払った医療費の総額から、保険金などで補てんされた金額を差し引きます。さらに、その額から年間の所得額に応じて「10万円」または「総所得額の5%」のいずれかを差し引いた額が医療費控除の対象となります。
 
ここでいう「保険金」とは、生命保険や健康保険などから支払われるお金のことで、具体的には下記のようなものも含まれます。

●入院費給付金
●高額療養費
●家族療養費
●出産育児一時金

実際に戻ってくる金額は、この医療費控除額に所得税率をかけた金額になります。
 
なお、医療費控除の対象となる費用には、診療・治療費に加えて、入院中の食事代なども含まれます。ただし、健康診断や公共交通機関以外の交通費などは対象外となります。
 
また、控除額の上限は200万円となっています。医療費控除を受けるには、確定申告を行う必要があり、年末調整だけでは適用されないため注意しましょう。
 

医療費控除で実際にいくら戻ってくる?還付金をシミュレーション

医療費控除によって実際にいくら戻ってくるのか、具体的に計算してみます。
 
例えば、年間の総所得が300万円、医療費が30万円かかり、そのうち15万円が公的助成金や保険金などで補てんされた場合、計算式は次のようになります。
 

 
この例では、医療費控除額は5万円です。実際に戻ってくる還付金は、この医療費控除額に所得税率をかけて算出されます。所得税率は以下の表の通り、所得額に応じて定められています。
 

出典:国税庁
 
年間の総所得額が300万円の場合は、税率が10%なので、医療費控除額が5万円であれば、5000円が還付されることになります。
 

医療費控除額が同じでも、所得額によっては還付金を受け取れないケースもある

医療費控除を申請した場合でも、全ての方が還付金を受け取れるわけではありません。所得額によっては還付金が支給されないケースもあります。
 
① 所得額が多いため、還付金が受け取れないケース

〈条件〉

●年間の総所得額200万円
●保険金等を差し引いた年間の総医療費10万円

年間所得額が200万円以上の計算式に当てはめると、下記の通り医療費控除額は0円になるため、還付金は受け取れません。
 

 
② 所得額が少ないため、還付金が受け取れるケース

〈条件〉

●年間の総所得額100万円
●保険金等を差し引いた年間の総医療費10万円

年間所得額が200万円未満の計算式に当てはめると、下記の通り医療費控除額は5万円になります。
 

 
年間所得が100万円の場合、税率は5%です。医療費控除額が5万円なので、その5%にあたる2500円が還付金として受け取れます。
 
このように、医療費控除額が同じでも、所得額に応じて受け取れる還付金の額は異なります。
 

まとめ

医療費控除は、家計における医療費負担を軽減するための重要な制度です。受け取れる還付金は、医療費や所得額によって異なります。この記事を参考にして、いくら受け取れるか計算してみましょう。
 
また、医療費控除は年末調整だけでは適用されないため、還付金が受け取れる場合は確定申告を忘れないように注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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