昨年の医療費が「20万円」でした。わが家は世帯年収「700万円」なのですが、医療費控除ってどれくらいの金額が戻ってくるのでしょうか?

配信日: 2025.01.20

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昨年の医療費が「20万円」でした。わが家は世帯年収「700万円」なのですが、医療費控除ってどれくらいの金額が戻ってくるのでしょうか?
医療費控除を利用して確定申告をすると、支払った医療費の一部が還付金として戻ってくる可能性があります。しかし、「実際にどれくらいの金額が戻るのか?」が分からず、申請に迷う人もいるのではないでしょうか。還付金は医療費の額や課税所得によって大きく変わるため、目安を知っておくことが重要です。
 
本記事では、世帯年収700万円で医療費が20万円かかった場合を例に、還付金の目安を具体的に解説します。また、医療費控除の概要と、課税所得や医療費額の違いによる還付金の変化も紹介します。
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医療費控除で還付金はいくら?

世帯年収700万円の場合、給与所得控除や基礎控除などを差し引いた課税所得が、税率20%(図表1の課税所得330万円~694万9000円の範囲)だと仮定して計算します。この条件で、保険金などで補填(ほてん)されていない医療費が20万円の場合、約2万円の還付金を受け取ることができます。
 
還付金額の計算方法
 
還付金は、医療費控除額に所得税率を掛けて計算します。控除額は以下の式で求めます。
 
医療費 - 10万円(※総所得が200万円以上の場合)
 
今回の場合 20万円(医療費) - 10万円 = 10万円(医療費控除額)
 
この控除額に、所得税率20%を掛けると、還付金額は次のようになります。
 
10万円 × 20% = 2万円
 
医療費控除を申請すると、支払った医療費の一部を還付金として受け取ることができます。ただし、図表1のように実際の還付金額は控除内容や条件によって異なる点にご注意ください。
 
図表1

図表1

国税庁 No.2260 所得税の税率
 

医療費控除とは? 知っておきたい基本的な仕組み

医療費控除とは、本人または同じ生計の配偶者や親族のために支払った年間の医療費が一定額を超えた場合に、所得から差し引ける制度です。控除することで、課税対象となる所得が減少し、結果として所得税や住民税が軽減される可能性があります。軽減された所得税は、確定申告を行うことで還付金として受け取ることができます。
 
医療費控除の対象となる医療費は、1年間(1月1日~12月31日)に実際に支払った金額です。例えば、未払いの医療費は翌年の控除対象となるため注意しましょう。また、保険金や高額療養費制度によって補填された金額は差し引かれます。
 
控除額の計算は、「支払った医療費 - 保険金などで補填された金額 - 10万円(総所得が200万円以上の場合)」で求められます。ただし、総所得が200万円未満の人は「総所得×5%」が基準となります。控除額の上限は200万円です。
 
繰り返しになりますが、医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。会社勤めの人でも年末調整では対応できないため、領収書や明細書をそろえて申告手続きを進めましょう。
 

年収や医療費額で変わる! 還付金の目安

医療費控除による還付金額は、課税所得や支払った医療費の金額によって変動します。「図表2」は、課税所得が300万円、500万円、800万円の場合、それぞれ医療費が20万円、30万円、40万円だったときの還付金額の目安を示したものです。
 
課税所得が高いほど所得税率が上がるため、同じ医療費でも還付金額が増える傾向があります。例えば、課税所得500万円で医療費が30万円の場合、医療費控除による還付金は約4万円と計算されます。一方で、課税所得300万円では医療費が同様の30万円であっても、約2万円と控除の影響が小さくなることが分かるでしょう。
 
図表2

図表2

図表1 課税所得の速算表より筆者作成
 

医療費控除を申請しよう

医療費控除を申請すれば、支払った医療費の一部が還付金として戻ってくる可能性があります。
 
しかし、この制度は確定申告をしなければ適用されません。還付申告は、申告期限(翌年の3月15日)から5年以内であれば手続きが可能ですが、手続きを早めに行えば、その分還付金もスムーズに受け取れます。医療費の総額が10万円を超える年は、領収書や明細書をそろえて速やかに申告し、家計の負担軽減に役立てましょう。
 

出典

国税庁 No.2260所得税の税率
国税庁 No.1120医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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