ママ友の旦那さんは商社勤めで、ついに年収が「2000万円」を突破したそうです。この場合、サラリーマンでも「確定申告」は必要なのでしょうか?
配信日: 2025.01.21
本記事では、年収2000万円を超える方の確定申告について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収2000万円を超える方は確定申告が必要
国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」によると、「給与の年間収入金額が2,000万円を超える人」は確定申告をしなければならないと定められています。
確定申告が必要な理由としては、2000万円を超える給与の支払を受ける方は年末調整の対象にならないためです。2000万円よりも低い年収の会社員の方は会社が年末調整をするので原則として確定申告は必要ありませんが、2000万円を超える方は自ら確定申告をして所得税の精算をする必要があります。
年収2000万円を超える方の確定申告の方法
年収2000万円を超えた方は1年間の所得について申告書を作成して、翌年2月16日から3月15日までの期間に税務署に提出する必要があります。
申告書の作成方法として、国税庁のWebサイトに設置されている確定申告書等作成コーナーの利用がおすすめです。画面の案内に従って入力すれば税額が計算されるので、簡単に申告書を作成できます。自分で確定申告書を作成するのが不安な方は、税理士などの専門家に相談してみましょう。
年収2000万円を超えたら注意したい控除項目
続いては、年収2000万円を超えたら注意したい控除項目を解説します。
配偶者控除と配偶者特別控除は受けられない
年収2000万円を超えていたら、配偶者控除と配偶者特別控除は受けられません。配偶者控除と配偶者特別控除とは、控除対象の配偶者がいる場合に、一定金額の所得控除が認められる制度です。
どちらの制度も要件として、納税者本人の合計所得金額は1000万円以下であることと定められています。そのため、年収2000万円の方は合計所得金額が1000万円を超えているので、配偶者控除と配偶者特別控除は受けられないのです。
給与所得控除が固定になる
年収2000万円を超えていると、給与所得控除が固定になります。給与所得控除とは、1年間の給与などの収入額に対して差し引かれる控除です。
給与所得控除は基本的に、収入に応じて控除額が増えていきますが、年収850万円を超えると195万円が上限額として設定されています。そのため、年収2000万円を超えていても、一律195万円の給与所得控除しか受けられない点に注意しましょう。
住宅ローン控除がなくなる可能性がある
合計所得金額が2000万円を超えていると、住宅ローン控除がなくなってしまいます。住宅ローン控除とは、住宅ローン利用者を対象として一定の条件を満たすと、所得税の控除を受けられる制度です。
2022年にいくつかの改正が住宅ローン控除に対して実施され、適用対象者の合計所得金額の要件が3000万円以下から2000万円以下へと引き下げられました。そのため、合計所得金額が2000万円を超える方は、住宅ローン控除の対象外として扱われます。
なお、所得とは年間の給与の合計収入から必要経費や給与所得控除を差し引いた金額のことですので、年収と混同しないように気をつけましょう。年収2000万円を超えていても、必要経費や給与所得控除を差し引いた後の金額が2000万円以下なら住宅ローン控除は受けられます。
まとめ
年収2000万円を超えると年末調整の対象にならないため、自分自身で確定申告をする必要があります。確定申告の方法に迷われた際は、確定申告書等作成コーナーなどを利用して申告書を作成しましょう。
もし、確定申告に不慣れな場合には、税理士などの専門家へ依頼することも検討するといいでしょう。申告書には提出期限が設けられているので、遅れないように確定申告の手続きを済ませましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1900給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー