魅力が薄れた?ふるさと納税と実(じつ)を取れる?寄付金控除
配信日: 2019.04.06 更新日: 2019.06.14
ふるさと納税と呼ばれていますが、税制上は寄付金控除となります。ふるさと納税とその他の寄付金控除について確認してみましょう。
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有
不動産・相続に強みがあります。会計事務所勤務が長く実務経験が豊富です。フットワ-クが軽くお客様のニーズに応えるよう日々努力しております。また離島支援活動も積極的に行っております。
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ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、そもそも地方間格差や過疎などにより税収減に苦しむ自治体のために創設されました。地方で生まれ、地方自治体の税金に賄われて育ったのに、就職は都会で、税金を納めるのも都会というのでは地方自治体の財政は大変ですよね。そのため地方自治体に対しなんらかの手当てをすべきだ、という話は以前からあり、紆余曲折を経てふるさと納税制度が始まりました。
一般的にふるさと納税と呼ばれていますが、税制上ではあくまで寄付金となります。制度の特徴としては、ふるさと納税は生まれ育った故郷に限らず、全国どこの自治体にも寄付することが可能です(もはやふるさと納税ではない気もしますが)。
寄付する人の所得によりますが、一定の範囲内であれば2000円の自己負担で返礼品を受けることができます。ふるさと納税のサイトや雑誌を見ると、さまざまな趣向を凝らした返礼品が見受けられます。
その返礼品の競争が過熱し、行き過ぎた自治体が出てきたため、返礼品は寄付金の3割以内に抑えるようにと総務省から通達が出る運びとなりました。そのため現在は返礼品競争がひと段落した印象です。
とはいえ、通達には法的拘束力がないため、いまだに通達に従わず豪華な返礼品により多額の寄付金を集めている自治体もあります。今後そのような自治体はふるさと納税の適用対象外とする改正がなされる動きとなっております。
3割以内に抑えられたとはいえ、まだまだ魅力的な返礼品は多いですし、自分が生まれ育った故郷になんらかの貢献をするためにふるさと納税をするのもよいかもしれません。
その他の寄付金控除と東京マラソンの寄付金控除
寄付金控除について少し確認してみましょう。所得税には寄付金控除があり、所得税の確定申告をすることにより適用を受けることができます。
ただし、どこに寄付をしてもよいというわけではありません。寄付金控除の対象となる寄付の相手先は、国、地方公共団体、日本赤十字社など一定の団体に限られます。
寄付金控除の中で意外と知られておらず紹介しておきたいのが、東京マラソンの寄付金控除です。東京マラソンにはチャリティー枠というものがあり、寄付金控除の対象となります。
マラソンをされる方ならご存知かと思いますが、東京マラソンはランナーに大変な人気があり、2018年大会は倍率が12.1倍と、参加するにはかなりの幸運が必要とされるため、なかなか抽選で当たらず参加が難しくなっております。
そのため何としても参加してみたいというランナーのためにチャリティー枠が設けられ、10万円以上の寄付をすることで先着5000名まで優先的に東京マラソンに参加できるようになっております。
私も以前に一度だけ東京マラソンに抽選で当選し、参加することができました(といってもフルマラソンではなく10キロコースです。2011年でした)。
走ってみて感じたのですが、東京マラソンは沿道の応援が多く、また大勢のボランティアが大会をすごく盛り上げてくれます。そのためランナーは他の大会にはない華やかさを感じ、とても楽しく走ることができるので、これほどまでに人気があり倍率が高いのでしょう。
さて寄付先なのですが、東京都が指定した22団体から自由に選択し、寄付することができます。そのうち東京マラソン財団のスポーツレガシー3事業を除く19団体は寄付金控除の対象となっており、所得控除か税額控除を受けることができます。
寄付金控除について、ふるさと納税と東京マラソンのチャリティー枠を紹介させていただきました。ふるさと納税はいろいろと問題が指摘されてはいますが、メリットも多く制度自体は今後も続いていくものと思われます。東京マラソンの寄付金控除についてはあまり知られていないため、ランナーの方は検討されてみるのもいいですね。
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有
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