更新日: 2020.12.09 ふるさと納税
年金生活者がふるさと納税を実際にやってみた。気になる点や注意すべき点は?
ふるさと納税制度を使って地方を応援したいけど、「仕組みがよくわからないし、二重に税金を払うことになったりしないの?」と、ちょっと心配ですね。特に年金生活者にとって、ふるさと納税はメリットがあるの? というのが最大の関心事ではないでしょうか。
実際にふるさと納税をやってみた経験から、年金生活者が気を付けたいポイントをご紹介します。
執筆者:植田周司(うえだ しゅうじ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)
外資系IT企業を経て、FPとして「PCとFPオフィス植田」を起業。独立系のFPとして常に相談者の利益と希望を最優先に考え、ライフプランをご提案します。
お客様に「相談して良かった」と言っていただけるよう、日々努力しています。
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いまさら聞けないふるさと納税
ふるさと納税という言葉を知らない人はいないと思いますが、その仕組みはどうなっているのでしょうか?
ひと言で言うと、ふるさと(地方)に寄付することで地方を応援するための制度です。名前はふるさと納税ですが、自分のふるさとに限らす、どこにでも寄付ができます(ただし、現住所にふるさと納税する場合は返礼品がもらえないなどの制約があります)。
ふるさと納税は、任意の自治体に寄付を行った際、寄付金額の2000円を超える部分について、所得税と住民税から、原則として全額が控除される制度です(控除額には上限があります)。
そして、利用者にとっての一番のメリットは、寄付した自治体から返礼品をもらえることです。複数の自治体にふるさと納税すれば、それぞれに対応する返礼品をもらうことができます。
できるだけ上限近くまで寄付したほうがお得
ある人のふるさと納税の上限額が、2万円だった場合を考えてみましょう。わかりやすくするために、それぞれの返礼品はすべて3000円相当の品物と仮定します。
例えばA市に1万円ふるさと納税した場合、A市から3000円の返礼品を受け取ることができます。翌年に2000円を引いた残り8000円の税金が返ってきます。3000円の返礼品を2000円で買えたことになります。
次に、A市に1万円、B市に1万円ふるさと納税した場合を考えてみましょう。
この場合も翌年に2000円を引いた残り1万8000円の税金が返ってきます。A市とB市の返礼品を受け取りながら、負担する額は実質2000円だけです。同じ2000円で、A市、B市の返礼品合計6000円ももらえてお得ですね。
それでは、もっと多くのふるさと納税した場合はどうでしょう? A市、B市、C市にそれぞれ1万円ふるさと納税した場合を考えてみましょう。
この場合は、A市、B市、C市の返礼品はもらえますが、翌年に返ってくる税金は、ふるさと納税上限額の2万円から2000円を引いた1万8000円です。この場合は1万2000円払って、A市、B市、C市の合計9000円の返礼品を受け取ったことになります。
つまり、ふるさと納税の重要なポイントは、ふるさと納税の上限額の範囲で、できるだけ多くふるさと納税したほうがお得ということです。それでは、ふるさと納税の上限額はどのように計算するのでしょうか? ふるさと納税の上限額の計算方法を見てみましょう。
年金生活者のふるさと納税上限額の計算
ふるさと納税の控除上限額は、納めている税金の金額によって異なり、寄付を行う方の家族構成や年収(所得)、そして各種税金控除の金額によって決まります。
多くのふるさと納税のサイトでは、給与所得から概算を計算することができるようになっていますが、残念なことに年金所得は正しく計算できません。これは、給与所得と年金所得では所得控除などの計算が異なっているためです。
なお、総務省ふるさと納税サイトでも、寄付金控除額の計算シミュレーションをダウンロードできますが、こちらも給与所得者だけが対象となっています。
今回は、横浜市の住民税計算サイト(※1)を利用して、ふるさと納税の上限額の概算を計算してみました。
自治体によって住民税は若干異なりますが、ふるさと納税の上限額の目安としては横浜市のサイトで計算してもほぼ問題ないでしょう(皆さんのお住まいの自治体でも同様の住民税の計算サービスがあるかも知れませんので調べてみてください)。
ふるさと納税の上限額を計算するためには、「複数の資料をお持ちの方」を選び、表示される画面で必要な情報を入力してください。「公的年金等源泉徴収票をお持ちで他に控除のない方」を選ぶと、ふるさと納税の上限額は表示されません。
ここでの注意点は、配偶者控除や医療費控除、社会保険料(国民健康保険、介護保険等)の各種所得控除を正しく入力しないと、ふるさと納税の上限額が多めに出てしまうことです。漏れがないかよく確認してください。昨年確定申告を行った方は、その控えを手元に用意して作業されることをお勧めします。
重要なポイントとして、ふるさと納税の上限額は、今年の収入と各種控除によって決まります。各項目は今年の金額を計算(予測)して入力してください。
特に、年金生活者の場合は、医療費控除の確定申告を行うことも多いと思います。けがや病気などで、今年医療費を多く支払ったという方は注意してください。また、赤十字社などに寄付をした方は、それも忘れずに入力しましょう。
年齢や年金額と各種控除を入力して税額計算のボタンを押すと、住民税の計算結果が表示されるとともに、ふるさと納税の上限額も表示されます。なお、上限額はあくまでも概算として、少し余裕を見ておきましょう。12月に思わぬ医療費が発生して上限額が減ってしまった、というようなことが起きる場合もあります。
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翌年の確定申告に注意!
ふるさと納税にはワンストップ特例制度(※2)があります。これを利用すると確定申告は不要ですが、年金生活者は、医療費控除の確定申告が必要な方も多いと思います。医療費控除や寄付金控除、その他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例制度が無効になりますのでご注意ください。
また、確定申告にはふるさと納税の寄付金受領証明書が必要です。今回行ったふるさと納税では、「返礼品とは別に納付日から約1カ月~1カ月半後に届きます」と連絡がありました。ワンストップ特例制度を利用する場合でも、後で確定申告が必要になった場合に備えて、寄付金受領証明書はなくさないよう保管しておきましょう。
まとめ
年金生活者がふるさと納税を実際にやってみて、気になる点や注意すべき点をご紹介しました。ここでご紹介しました横浜市の住民税計算サイトは、確定申告の経験のない方は各項目の入力に苦労するかもしれません。不安な方は税務署やFPなど専門家に相談することをお勧めします。
筆者は今回、返礼品としてとてもおいしいお米をいただきました。皆さんもふるさと納税で、新型コロナで困っている地方を応援してみてはいかがでしょうか? いろいろな地方の返礼品も楽しみですね。
最後に、ふるさと納税の詐取を目的とする複数の偽サイトが存在すると報じられています。実際に寄付者が金銭をだまし取られる被害も発生しています。怪しいと感じた場合は、申し込みをされる前に自治体などにご確認いただく等、詐欺には十分にご注意ください。
(※1)横浜市「あなたの個人住民税(市民税・県民税)がいくらになるか試算できます。」
(※2)ワンストップ特例制度の詳細については総務省などのふるさと納税のサイトをご覧ください。
執筆者:植田周司
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、円満相続遺言支援士(R)