親を扶養控除に入れたらどれだけお得になるのでしょうか?
配信日: 2021.01.08
今回は、親を扶養控除に入れたら本当に税金がお得になるのか解説していきます。親を扶養に入れるか悩んでいる方は参考にしてください。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
扶養控除とは
扶養控除とは、以下の全ての条件に該当する人を扶養していること(金銭的援助によって生活を維持すること)を条件に所得控除を受けられるというものです。
・配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市区町村長から養護を委託された老人であること
・納税者と生計を一にしていること(同居をしていなくても本人によって生計を維持されていれば認められることがあります)
・年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下 )
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
この中でも特に注目したいのは、同居をしていなくても本人(扶養する人)によって生計を維持されていれば認められることがあるという点です。
よく勘違いをされるのですが、家族を扶養に入れる場合絶対に同居していなければならないわけではありません。
親を扶養控除に入れると税金がどれだけ変わる?
親を扶養親族に入れた場合の所得控除の額は、親の年齢や属性によって次のように区分けされています。
基本的には年齢が70歳以上であるか否かによって分けられ、その後、同居しているか否かによって分けられるというイメージです。
所得控除によって具体的な所得税がどれだけ軽減されるのかは個別の事情によって異なります。しかし、おおよその金額であれば、上記表に記載されている控除額に扶養している人の所得税率をかけることで算出することができます。
例えば、同居しており、かつ70歳以上である親を扶養に入れることができれば、58万円もの控除を受けることができます。仮にそれを年収400万円程度の方が行った場合、おおよそ11万6000円程度所得税が軽減されると想定できるのです(所得税は20%と仮定)。
親を扶養に入れる手続きはどうすればいい?
親を扶養に入れる方が会社員やパート・アルバイトである場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に扶養に入れる親の情報を記載して勤務先に提出します。
自営業者であれば、確定申告の際に扶養に入れる親の情報を確定申告書に記載して提出します。
社会保険の扶養に入れることもできる
親を扶養する方が勤務先で社会保険に加入していれば、75歳未満など一定の要件を満たす親を社会保険の扶養に入れ、健康保険の保険料を安くすることもできます。要件については加入している健康保険組合によっても異なる部分もあるため、勤務先へお問い合わせください。
なお、扶養する方が国民健康保険に入っている場合は親を健康保険の扶養に入れることはできないことに注意してください。
親を扶養に入れると税金がお得になる!
親を扶養に入れることで所得控除を受けられ、その分所得税や住民税が安くなります。仮に親と別居していたとしても、仕送りをしているなど扶養に入れる方の支援によって生活しており、生計を一にしていると判断される場合は扶養に入れることができる場合もあります。
もし、同居か別居かを問わず生計を一にしている親がいる場合は一度扶養に入れることができないか検討すると良いでしょう。
執筆者:柘植輝
行政書士