更新日: 2021.02.10 控除

医療費控除でなぜ住民税も安くなる? 仕組みを解説

医療費控除でなぜ住民税も安くなる? 仕組みを解説
医療費控除で住民税が安くなるというのは有名な話です。では一体なぜ医療費控除を適用することで住民税が安くなるのでしょうか。医療費控除の仕組みについて、住民税との関係も絡めて解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずは医療費控除について確認

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに自分や生計を一にする親族などに支払った医療費の額(実際に支払った金額から保険金などで填補される部分を除いた金額)が10万円を超える場合に、超えた部分(最大200万円)について所得控除を受けられるというものです。
 
なお、その年の総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%を超える金額の医療費について所得控除を受けられます。
 

医療費控除の対象となる医療費って?

医療費控除の対象となる医療費は幅広く、よくある例としては次のような医療費が該当します。
 

医療費

●病院で支払った治療費や入院費
 
●通院に必要な交通費(原則公共交通機関)
 
●治療に必要な範囲でのリハビリやマッサージ
 
●治療に必要な医療器具の購入費
 
●妊娠や出産に関する一定の費用

上記の他にも介護費用や薬局で購入した市販薬なども対象となることがあります。
 
ただし、美容整形に関する費用や里帰り出産の交通費、自分の都合で生じた差額ベッド代、自家用車のガソリン代などは医療費とみなされないことに注意してください。
 

医療費控除で住民税が安くなる仕組みは所得控除にある

先に説明したように、医療費控除は税金の算定において基礎となる所得から医療費分を差し引くことのできる制度です。それにより、住民税を計算する際の基礎になる所得が低くなり、結果的に算出される住民税が安くなるのです。
 
具体的には、納税者本人の年間の所得を全て合算し、そこから各種控除を差し引き、算出された課税対象金額に税率をかけて最終的な税金額が算出されます。
 
住民税は所得に応じて金額が変動する所得割と、所得に関係なく一定の均等割りから成り立っています。このうち、所得割は所得の金額に対して10%の割合で発生します。単純に考えると、医療費控除によって所得が控除されれば、控除された金額の10%分、住民税が安くなるのです。
 
例えば、医療費控除の額が50万円であれば、住民税は5万円分安くなるといった具合です。余談ではありますが、住民税だけでなく所得税についても医療費控除によって一定額安くなります。
 

医療費控除で住民税を安くするには確定申告が必要

医療費控除を利用して住民税を安くするには確定申告が必要です。勤務先で年末調整を受けている方であっても、年末調整では医療費控除が適用できないからです。医療費控除によって住民税を安くするのであれば、年末調整の実施の有無に関係なく必ず確定申告をするようにしてください。
 

医療費控除で住民税は安くなる!

医療費控除を適用させると住民税の算定の基礎となる所得が税金の計算上少なくなり、医療費控除を適用しなかった場合と単純比較して住民税が医療費控除の額の10%分安くなります。
 
ただ、医療費控除の適用によって住民税を安くするには必ず確定申告が必要です。医療費控除の適用を受けるのであれば勤務先から年末調整を受けているか否かに関係なく必ず確定申告をするようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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