更新日: 2021.02.27 控除
新社会人になる前に知っておきたい! いつからどんなお金が給与控除される?
今回は、いつどんなお金が給与から差し引かれていくのか解説していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
まずは手取りと額面・総支給について知る
例えば初任給22万円と聞いたとき、社会人になったら毎月22万円をまるまる自由に使えると思ったら大間違いです。給与には額面と手取りという概念があります。税金など各種控除が引かれる前の金額を額面や総支給といい、各種控除が引かれた後の実際手元に残る金額を手取り額といいます。
よくいう初任給は額面や総支給に当たり、そこから控除が引かれた残額を手取りといいます。手取りは額面・総支給のおおよそ75%から80%が目安になります。
所得税
毎月給与から引かれていく控除の代表格として所得税があります。所得税は初任給から発生します。初任給が22万円程度であれば、おおむね4300円前後の金額が所得税として差し引かれます。
社会保険料
健康保険と厚生年金、雇用保険の保険料をまとめて社会保険料といいます。社会保険料も初任給から差し引かれます。初任給が22万円程度であればおおむね3万1000円程度が社会保険料になります。
なお、社会保険料には介護保険も含まれますが、介護保険料は40歳以上が対象となり、40歳未満であれば介護保険料は発生しません。
会社の福利厚生費や組合費
会社によっては福利厚生費や組合費が差し引かれることもあります。例えば、社員食堂の利用費や社員旅行の積立金、労働組合の費用などです。その他にも、確定拠出年金に加入していればその掛け金なども差し引かれます。
こちらの金額は勤務先や自身が加入する福利厚生によっても異なるため、具体的な金額については割愛します。
住民税
給与から差し引かれるものが所得税や社会保険料だけだと思ったら大間違いです。社会人2年目からは住民税も差し引かれます。実は住民税に限り1年目には発生せず、2年目からの発生になります。
なぜ、住民税だけタイムラグが生じるかというと、住民税は前年の所得に対して課税額が決定するからです。つまり、社会人1年目の所得を基に算出した住民税が2年目の給与から差し引かれるということです。
そのため、人によっては昇給額より住民税の方が高く1年目に比べて2年目は手取り額が減るということも起こり得ます。社会人の先輩が2年目の方がきついというのにはこういったからくりがあるのです。
給与から控除されるお金が大きいと感じたときは?
給与から控除されるお金が大きいと感じたら節税をしてみてください。社会人であってもできる節税策はいくつもあります。
例えばふるさと納税をしてみたり、iDeCoに加入してみる、保険に加入して生命保険料控除を利用してみるなどがあります。手取りを増やすということは簡単ではありませんが、うまく節税をすることで所得控除などを通じて間接的に可処分所得を増やすことができます。
新社会人になる前に控除について知っておこう
給与からは毎月税金や社会保険料などが差し引かれ、実際に手元に残るお金は額面の80%前後です。
新社会人になる前には給与からどれくらいのお金が差し引かれ、結果的に手元に残るお金についてあらかじめ想定しておくとよいでしょう。特に1人暮らしを考えている場合、2年目の住民税まで考慮した上で、額面ではなく手取り額を基に無理のない生活をイメージしておくようにしてください。
執筆者:柘植輝
行政書士