2017.11.09暮らし

親の介護で離職しないために!2017年介護休業法の改正ポイント

Text : 福島佳奈美

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少子高齢化が急速に進んでいる日本では現在でも4人に1人が65歳以上の高齢者ですが、2025年には3人に1人が高齢者になると予想されています(厚生労働省HP「今後の高齢者人口の見通しについて」より)。

高齢者が増えると、子供や孫が働きながら介護を担うケースも増すと考えられますが、「介護離職」をしてしまっては自分たちの生活費や老後資金が不足してしまいます。

介護休業法が2017年1月に改正され、仕事と介護を両立していくためにより使いやすい制度となりました。

今回は、介護休業法がどのように変わったのか、ポイントをご紹介します。

 

そもそも介護休業とはどんな制度?

 
介護休業制度とは、働く人が、対象となる家族の介護で休業することができる制度です。

雇用保険から介護休業給付金の支給を受けることができ、休業期間中の収入減に備えることができます。介護休業の対象となる家族とは、要介護状態にある配偶者、父母および子、祖父母・兄弟姉妹・孫、配偶者の父母となっています。

配偶者は婚姻の届をしていない事実上の婚姻関係でも大丈夫です。また、祖父母や兄弟姉妹・孫には同居し、かつ扶養していることが必要でしたが、その条件は撤廃されました。

ただし、介護休業給付金を受け取るためには一定の条件があります。

まずは、雇用保険の被保険者としての期間が、介護休業をする前の2年間のうち12か月以上あることが必要です。また、有期契約での雇用関係の場合、休業を申し出た時点で過去1年以上継続雇用されており、休業開始予定日から93日経過後、さらに6か月経過する日までに労働契約が満了しないことという条件も加わります。

 

介護休業給付金はどのくらいもらえるの?

 
介護で休業した場合の給付金は最大で賃金の67%相当額で、介護の対象となる家族1人につき通算で93日分を受給することができます。

但し、雇用主から休業期間中にも80%以上の賃金が支給されている場合には介護休業給付金は支給されません。

また、雇用主からの賃金の支払い状況により、介護休業給付金が減額されて支給される場合があります。

 

017年改正で大きく変わったポイント

 
これまで、介護休業は介護の対象となる家族1人につき、原則1回しか取得することができませんでしたので、最大で93日休めるとはいえ、利用しづらいという声がありました。2017年1月の改正では、93日を3回に分割して取得することができるようになったのが大きなポイントです。

介護施設に入居する際の準備、病院の入退院時の付添いなど、介護休業を利用したい期間が必ず長期間にわたるとは限りません。短い期間でも、利用したいときに介護休業を確実に取得できることは大きなメリットでしょう。

また、労働時間の短縮や始業・終了時刻の繰上げ・繰下げ制度などの勤務先の短縮勤務措置の利用が、これまでは介護休業期間中にしか認められていませんでしたが、改正により介護休業期間とは別に、3年間で2回利用できるように変更されました。

ただ、制度自体は整いつつあるかもしれませんが、スムーズに利用するためには日頃から親の介護に備えて施設や介護サービスの情報収集をし、自分の勤務先の介護サポート制度がどのようになっているかを調べておくことが大切です。
 

 
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー、ふくしまライフプランニングオフィス代表

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福島佳奈美

Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー、ふくしまライフプランニングオフィス代表

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFP®)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、活動を行っている。女性のためのライフプランニングを得意とする独立系FP。 http://kakeifp.com/