更新日: 2019.06.19 その他資産運用
お金に対する知識を磨いたら老後の不安は解消できる?
今から将来に備えて何かしないと、と思いつつ、具体的にどうしたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そんな現状でも、老後の生活に備えて30代からできるお金のことをお伝えします。
執筆者:佐治富美子(さじ ふみこ)
名古屋FP家計相談センター ファイナンシャルプランナー
IT関連、金融機関での勤務を経て、「安心してお金の相談ができる」FP事務所を目指し、2011年に独立。現在は「楽しく貯めて賢く増やす家計の仕組み作り」をテーマに、家計・住宅・保険・資産運用などの相談やセミナーを中心に活動中。https://fp-stf.com/
【資格】AFP認定(日本FP協会)、2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員ニ種、ロングステイアドバイザー、銀座コーチングスクール認定講師
お金に対する知識を磨く―少額でも積立投資を始める―
ご存知のとおり、現代では銀行の定期預金の金利は限りなくゼロに近く、たとえ100万円を銀行に10年預けても増えるのはたった1000円ほどです。
コツコツ貯金をしても、お金はほとんど増えないに等しいと言えます。そんな中で、賢くお金を守り・増やす知識を身につけることは、もはや老後生活を見据えた将来設計に必須と言えるのではないでしょうか。
そこで必要になってくるのが、資産運用や投資の知識です。老後に備えて資産運用や投資をしたほうがいいのかもしれないと思いつつ、「リスクが高く損をするのが怖い」、「既にお金がある人が行うものだから今の自分には関係ない」と考えている人も多いかもしれません。
しかし、30代でまとまった貯金がなく、収入も少ないという方でも、時間を味方につけコツコツ長期で積立投資を行うことにより、リスクを分散し、安定して資産を増やしていくことができるのです。このような理由から、積立投資を始めるのは早ければ早いほうが良いと言えるでしょう。
特に投資初心者には、「つみたてNISA」の制度利用をお勧めします。つみたてNISAは、投資信託を毎月積み立てていくもので、年間40万円までの積立額に対し、20年間運用益が非課税になるというお得なもの。
つみたてNISAはネットでの手続きも可能で、月々100円から気軽にスタートできます。これから積立投資を始めてみたい人にはぜひ活用して欲しい制度と言えます。
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人生で必要なお金を知る―いつまでにいくら貯めるか明確にする―
老後の生活など、将来を不安に感じる原因の一つに、今後の人生でどのような時に何にいくら必要かが把握できていないということが挙げられます。
そこで、今後必要になるお金や、自分が実現させたいことにかかるお金の予想額と、必要となる時期を書き出してみましょう。
【今後必要になるお金】
例:住宅資金、教育資金、老後資金など
【自分が実現させたいことのお金】
例:海外旅行、車の購入費用など
目標額が決まったら、次は月々いくら積み立てれば良いかを考えていきましょう。仮に、15年後までに教育資金の400万円を貯めるとした場合を例として計算してみます。400万円÷15年÷12ヶ月=約2.2万円、毎月積み立てる必要があることが分かります。
仮に同じケースでも、つみたてNISAなどで運用しながら貯めるのであれば、月々約1.5万円の積み立てで、15年後には500万円が準備できる計算になります(運用利率5%として試算した場合)。
このようにそれぞれのイベントに対し、資金が必要となる時期と金額を逆算し、毎月の積立必要額を把握していきましょう。
お金が貯まる家計の仕組みをつくる
月々必要な積立額を把握できたら、毎月お給料の入る口座から自動で積み立てが行われる仕組みをつくっていきましょう。
銀行預金であれば、あらかじめ指定した口座へ自動で振り込みを行う「自動送金サービス」や、自動で定期預金に積み立てを行うことのできる「自動積立定期預金」などを利用すると便利です。つみたてNISAでも、毎月自動で預金口座から振り替えを行うサービスを利用することができます。
将来必要な額を把握し、自動で積立がされていく仕組みを一度設定すれば、毎月定額をきちんと積み立てていくことが可能になります。そして、放っておいても勝手にお金が貯まっていき、「貯める」ことへの自信につながっていきます。
ただし、最初から無理な金額を設定して継続できなくなっては意味がありません。自分にとって無理のない金額で積立をスタートすることがポイントと言えます。
将来への備えも、お金の知識を磨くのも短期間でできるものではありません。たとえ小さなことでも、30代の今からできることをコツコツ実行していくことが、将来への不安を解消し、豊かな未来を築く一歩となるのです。
出典
(※)日本FP協会「世代別比較 くらしとお金に関する調査2018」
執筆者:佐治富美子(さじ ふみこ)
名古屋FP家計相談センター ファイナンシャルプランナー