最終更新日: 2020.11.28 公開日: 2020.11.30
資産運用

デリバティブ取引って、一体どういうもの?

執筆者 : 高橋庸夫

私たちが資産運用する金融商品には、主に預貯金、株式、債券、外国為替などの種類があります。そして、これらの金融商品のリスクを低減させたり、リスクを覚悟で高い収益性を求める方法として考えられたのが「デリバティブ取引」です。
 
名前は聞いたことはあるが、内容は難しそうで手が出ないという方も多いかもしれません。ちなみに英語の「derivative」は「派生的」との意味で、デリバティブ取引は金融派生商品と呼ばれることもあります。ここでは、デリバティブ取引の基本を学んでみたいと思います。
 
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

 

デリバティブの基本3種類

デリバティブ取引は、その元となる金融商品(原資産)と深い関係があります。例えば、金利と関係があるのは金利デリバティブ、債券と関係があるのは債券デリバティブとなります。最近では、気温や天候などと関係した天候デリバティブといった新たな商品も開発されています。そして、デリバティブ取引の基本となる種類は以下の3つとなります。
 

1.先物取引

将来のある期日(いつ)において、現時点で一定の価格(いくら)で取引するかを約束する取引のことです。要するに、「いつ、いくら」で取引するか、売買の予約をする取引です。元々は天候によって収穫が左右されやすい農産物から始まり、金融先物取引などに広く活用されています。代表例として日経平均先物、TOPIX先物、日本国債先物などがあります。
 
先物取引のイメージとして、例えば、買い手Aが売り手Bとの間で「5ヶ月後にC商品を100万円で買う」という約束をしたとします。
 
 
(1)5ヶ月後、C商品が120万円に値上がりした場合、約束どおり買い手Aが100万円で購入すると、20万円の利益が生じます。
 
(2)反対に5ヶ月後、C商品が80万円に値下がりした場合、100万円で購入した買い手Aは20万円の損失を被ることとなります。
 
 

2.オプション取引

将来売買する権利をあらかじめ売買する取引をオプション取引といいます。先程の先物取引の事例で考えると、例えば買い手Aが売り手Bとの間で「5ヶ月後にC商品を100万円で買う権利」を契約したとします。その際に、買い手Aは売り手Bにオプション料5万円を支払います。
 
 
(1)5ヶ月後、C商品が120万円に値上がりした場合、権利行使し、買い手Aは100万円で購入することができます。結果として、買い手Aは20万円-5万円で15万円の利益となります。
 
(2)5ヶ月後、C商品が80万円に値下がりした場合、買い手Aは権利放棄することができます。この場合には、買い手の損失はオプション料の5万円のみとなります。
 
 
オプション取引の中で、「買う権利」のことをコールオプション、反対に「売る権利」をプットオプションといいます。上記の事例のとおり、買い手は状況に応じて権利行使するか、権利放棄するかを選択することができます。逆に、売り手は買い手の選択に従って義務を負うことになります。ただし、売り手はオプション料と呼ばれる一定の価値を受け取ることができます。
 

3.スワップ取引

等しい価値のキャッシュフロー(お金の流れ)を交換する取引をスワップ取引といいます。同じ種類の通貨の異なる金利を交換する取引を金利スワップ、違う通貨の異なる金利を交換する取引を通貨スワップと呼びます。
 
例えば、DさんとEさんが元本1000万円で借入期間10年の借入金を有しているとします(等しい価値のキャッシュフロー)。ただし、Dさんは固定金利、Eさんは変動金利です。
 
(1)Dさんは「今後金利が下落すると予想して、変動金利が良いと思っている」
(2)Eさんは「今後金利が上昇すると予想して、固定金利が良いと思っている」
 
このような場合、両者の等しい価値のキャッシュフローの異なる金利を交換することで、両者の希望(1)(2)が叶えられることになります。この取引を金利スワップといいます。
 

デリバティブ取引のメリット、デメリット

デリバティブ取引のメリットとしては以下の2つが挙げられます。
 

1.将来の相場変動のリスクを低減する(リスクヘッジ)

まず、将来の不確定要素である相場変動のリスクを低減することができるメリットが挙げられます。例えば、先物取引によって、将来購入することが決まっている商品などについて、現時点で購入価格を決めてしまうことができます。これによって、たとえ価格が大幅に値上がりしたとしても、決定した価格でも購入することが可能となります。
 

2.少ない資金で多額の取引ができる(レバレッジ)

デリバティブ取引では、先物取引の場合は証拠金、オプション取引の場合はオプション料、スワップ取引の場合は金利のみで取引できるため、元本の全てを払う必要がありません。そのため、少ない資金で多額の取引ができるレバレッジ効果が得られるメリットがあります。
 
一方、レバレッジによって実際の資金より多額の取引ができるので、その分、価格変動時のリスクも大きくなることがデメリットです。また、取引の種類が高度化、複雑化することから、初心者はもちろん、一般の投資家には理解や予測が困難となる場合も多いといえます。
 

まとめ

以上、デリバティブ取引について説明しました。リスクも当然ありますので、まずは3つの取引の基本をはじめ、デリバティブ取引の概要をしっかりと理解することが大事です。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
 

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