更新日: 2021.05.21 資産運用

八王子アパート階段崩落事故から学ぶ「大家さんの心得」

執筆者 : 西山広高

八王子アパート階段崩落事故から学ぶ「大家さんの心得」
2021年4月、八王子にあるアパートで外階段が崩落し、住民に女性が亡くなるという痛ましい事故が発生しました(※)。現時点(2021年4月28日)では原因は調査中とのことですが、階段の一部で腐食が進んでいたことが一因となっているようです。
 
今回は、八王子で起きた事故から学ぶ「大家さんの心得」について考えます。
 
西山広高

執筆者:

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、宅建マイスター(上級宅建士)、上級相続診断士、西山ライフデザイン代表取締役
 
http://www.nishiyama-ld.com/

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
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西山広高

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執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

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今回の事故はハードの問題

事故があった物件は八王子市にある木造3階建て、2013年に竣工したアパートです。
 
投資用アパートに関しては数年前に「かぼちゃの馬車」が話題になりました。この時はアパート投資のソフト面での問題がクローズアップされたといえます。ソフト面とはすなわち、建物そのものではなく、その物件に対する需要の分析(入居者層や設定賃料)や、シェアハウス特有の運営方法などなどにかかわる問題です。こうしたことを購入者が販売業者の言われたままうのみにし、自分自身でしっかり検討しなかったために発生したものだといえます。
 
今回の八王子の件はハード面の問題です。2013年築ということでまだ新しいアパートですが、当初は鉄骨階段で設計されていたにもかかわらず、木造で施工され、防水加工も不十分であったため腐食が進んでいたということです。
 
アパートでは、確認申請や検査済証があることは最低限確認しなければならないといえます。しかし、それがあったとしても本当に図面どおりに施工されたかどうかが保証されるものではありません。記憶に新しいところでは「レオパレス事件」で、図面どおりに施工されていない問題が明らかになりました。
 
図面どおりに施工されたたかどうかは、完成物件を見ても確認することは難しいといえます。屋根裏や床下など見えない部分も確認する必要があり、すでに施工された部分を一部破壊して調査することが必要になるケースもあります。
 

不動産購入前に確認すべきこと

投資用のアパートやマンションを購入する人の中には、1度も物件を見ずに購入する方が少なからずいらっしゃいます。
 
入居者がいる場合、専有部分に立ち入ることは難しいですが、共用部や周辺環境などを含め、現地を確認することは不動産取引では鉄則といえます。
 
購入後の管理をご自身で行うことを検討されている場合には、どのように管理するかも考えておかなければなりませんし、管理会社に任せるのであれば、管理会社の管理の方法や範囲、費用などについてもしっかり抜けがないように検討しておく必要があります。管理会社の実績なども確認しておいたほうがよいでしょう。
 

物件取得後も責任は続く

購入したあとは管理会社に任せきりで、1度も物件に足を運ばないという方もいます。
 
管理会社へ任せるにしても、任せてよいと思える信頼の構築が必要です。そうした信頼は清掃作業などを行った際の写真を含めた報告、問題点がある場合の指摘とその対処方法の検討などについて協力的であること、などから形成されていきます。
 
これらがあることを前提に管理会社に任せていたとしても、オーナー(=大家)としては時折物件に足を運び、中には入らなくてもその周囲を見てまわり、自身の目で確認をすることも重要だと感じます。
 
八王子のアパートは2013年築でした。一般的には築7〜8年のアパートでこんなことが起こるとは思いもしません。このアパートの大家さんにとっては、突然降って沸いたような災難かもしれません。
 
しかし、大家さんには、住人が安全に居住するために必要な建物の管理をしっかり行うことが求められ、今回の事故に関する責任は逃れることができません。
 
今回の事件では、大家さんが管理会社や設計会社、施工会社に対し、責任を追及することになるかもしれませんが、大家さんにまったく落ち度がないとはいえないでしょう。
 
常日頃から、大家さんにはそうした責任があることを認識しておく必要があります。
 

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失敗しない不動産投資のための「大家さんの心得」

不動産投資は、物件所有者にとっては「投資」ですが、そこには家賃を支払ってくださる居住者がおり、居住者にとっては生活の基盤です。大家さんになる人には、入居者の居住環境を維持する責任があることを十分に認識しておく必要があります。
 
別のコラムでも書いていますが、通常の不動産会社は売買が成立して初めて報酬を得ます。このため、とにかく売買を成立させることを最優先に考え、重要事項説明で説明が義務化されていることについての説明は最小限に行い、説明義務がない問題点などについては聞かれたら答える、聞かれなければ答えないというスタンスの会社があることも事実です。
 
不動産投資する人(=大家さん)には、物件取得時に行うハード面・ソフト面双方の確認・分析は必須です。それらを行うためにも、信頼できる不動産業者と協力すべきだと思います。不動産購入の際は投資用物件だけでなく、マイホームの場合でも、信頼できる不動産業者を探すことが非常に重要です。
 
不動産業者としては、買い主の立場になり、買い主が安心して取引し、その後も保有できるようできるようしっかり物件の状況を把握するとともに、どのようなリスクがあるかも含め、買い主の購入判断に影響がありそうな情報は的確に伝えることが必要です。
 
物件の選定ももちろんですが、価格を含めた条件交渉、物件に内在する問題点の確認などにしっかり協力し、納得して取引できるように努めてくれる不動産業者を探し、選んでください。「大手なら安心」ということではないことも、覚えておいていただきたいと思います。
 
(※)東京新聞「八王子アパート階段、設計と異なる木造で施工 防水加工不十分で腐食、崩落か」
 
執筆者:西山広高
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、宅建マイスター(上級宅建士)、上級相続診断士、西山ライフデザイン代表取締役