更新日: 2024.03.04 その他資産運用
手取り19万円、余裕がないなら「NISA」より「個人向け国債」のほうが良いですか? 投資に興味がありますが「元本割れ」が怖いです…
とはいえ、「元本割れしないから」という理由で投資先をNISAではなく個人向け国債にしても良いものなのでしょうか。本記事では、NISAと個人向け国債の特長をそれぞれ紹介しながら、どのように使い分けるのが良いのかを紹介します。
執筆者:山本峻(やまもと しゅん)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
NISAとは
NISAとは、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。2024年からは新NISAが始まり、非課税保有期間が恒久化され、投資上限額も拡大されました。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
NISAのメリット
NISAのメリットには、次のような点が挙げられます。
売却益や分配金が非課税
投資で得た売却益や分配金などには通常約20%の税金が発生しますが、NISAで得た売却益や分配金などの運用益に税金はかかりません。
いつでも換金できる
NISAは、いつでも自分のタイミングで引き出す(換金)ことが可能です。そのため急にまとまった出費が発生した場合でも、ライフイベントの資金として活用することが可能です。
NISAのデメリット
NISAには、以下のようなデメリットが存在します。
元本割れリスクがある
NISAは個人向け国債と違い、元本保証はありません。投資を始めた際に含み益が出るか、含み損の状態が続くかは、投資のタイミングや市況によって大きく左右されます。そのためNISAで資産形成する際は、これまでの株価の推移や制度の特長など、前もって自身で学んでおくことが大切です。
他の所得と損益通算できない
損益通算とは、投資による利益と損失を相殺することを指します。一般口座や特定口座の場合、「30万円の利益が出ている株式A」を「10万円の損失が出ている株式B」と損益通算をすれば、差額の20万円の利益に対して税金がかかります。
しかし、NISAで発生した利益は非課税であるため、一般口座や特定口座と損益通算はできません。
個人向け国債とは
国が発行する債券(借用証書)を国債と呼びますが、政府が個人でも購入できるようにしたものが「個人向け国債」です。
個人向け国債の場合、定期的に利子が支払われ、満期になれば元本の返済を受けることが可能です。商品は全部で3つのタイプがあり、半年ごとに適量利率が変わる「変動10年」、発行時に設定された利率が満期まで変わらない「固定5年」「固定3年」があります。
個人向け国債のメリット
個人向け国債には、以下のようなメリットがあります。
元本割れのリスクがない
多くの投資商品は元本割れのリスクがありますが、個人向け国債は国が発行しているため、元本割れのリスクはありません。中途解約しても投資額は100%戻ってくるため、安全性が非常に高い商品といえます。
定期的に利息が受け取れる
個人向け国債は、半年に1回の頻度で利息が支払われます。特に3年・5年の国債は固定金利であるため、あらかじめ受け取れる利息が計算できます。そのため、将来の資産形成の見通しが立てやすいのがメリットといえるでしょう。
個人向け国債のデメリット
個人向け国債のデメリットは以下の通りです。
高いリターンは期待できない
安全性が高い個人向け国債ですが、変動10年の表面利率(第167債)は0.49%となっており、「銀行預金よりはやや利率が高い程度」です。そのため個人向け国債のみの投資では、高いリターンを期待できないでしょう。
1年間は中途換金できない
全ての個人向け国債は、発行から1年が経過しなければ中途換金できません。そのため急にまとまったお金が必要となった場合でも、換金手続きが行えないため、当面使う予定のない余剰資金で投資することが大切です。
まとめ
まとめると、「個人向け国債は現在の資産を守りたい人向け」、「NISAは長期で資産を増やしていきたい人向け」といえます。
個人向け国債は元本割れのリスクがないのが特長ですが、NISAの場合、元本割れをしても安易に手放さないことが大切です。筆者も積み立てNISAを購入してから何度も含み損になったことがありますが、5年間持ち続けた今では60%の含み益となっています。
また投資元本がどれだけあるかでリターンも大きく変わります。収入が少なくて投資に回せるお金があまりないという人は、「自分に投資をして収入を増やす」という考えも持っておいたほうが良いでしょう。
投資をこれから始めようと思っている人は、株価や利率の値動きに慣れるためにも、まずは少額から試してみてはいかがでしょうか。
出典
財務省 現在募集中の個人向け国債・新窓販国債
財務省 個人向け国債についてのよくある質問
執筆者:山本峻
2級ファイナンシャル・プランニング技能士