更新日: 2024.04.19 株・株式・FX投資

株の買い時っていつ? 売買タイミングを判断するチャートの見方と注意点を解説!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

株の買い時っていつ? 売買タイミングを判断するチャートの見方と注意点を解説!
「株を始めたけど、いざ買うとなるとどのタイミングで買っていいかわからない」、「株を買うタイミングが悪いと損をしそうで怖い」といったように、株取引を始めて間もない人や、これから株取引を始める人は、「株を買うタイミング」がわからず、損をするのが怖くて、株を買うのを悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、株を売買するときの基本的な流れから、株を買うタイミングを見極める手法や実際のタイミング、さらには株を売るときのタイミングを、売買するときの注意点も含めて解説します。
 
株取引の経験が少なく、株を買うタイミングで悩んだり迷ったりしている人は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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株を売買する基本的な流れ

まだ株取引をしたことがなく、株を買うのに何からやればいいかわからないという人に向けて、まずは株を売買する基本的な流れを説明します。

株を売買する基本的な流れは以下のとおりとなります。

●取引する証券口座を開設する

●証券口座に購入資金を入金する

●売買注文する

●取引報告書を確認する

●売買代金と株式の受け渡し

まず株取引をおこなうには証券会社に証券口座を開設する必要があります。証券口座には一般口座、特定口座、NISA口座があり、さらに特定口座は「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」に分かれます。証券口座を開設すると、一般口座は自動的に開設したことになりますが、これから投資を始めるという人は、特定口座も開設しておくのがおすすめです。

さらに株を買う場合は、注文する前に購入資金を証券口座に入金する必要がありますので、生活資金を確保した上で事前に入金しておきましょう。

実際の売買注文では、まず売りか買いかを選択し、売買する株を銘柄(会社名)か4桁の証券コードで検索し、現在の株価を確認した上で売買する株数を指定します。通常、株は100株単位でしか購入できませんが、銘柄や証券会社のサービスによっては100株未満や1株単位で売買が可能です。

さらに投資初心者の人が間違えやすいのが値段の設定に「成行注文」と「指値注文」があることです。「成行注文」は売買の値段を指定せず、売買の成立を優先させる注文方法ですが、一方の「指値注文」は買うときの株価を指定する注文方法であるため、取引が成立しないこともあります。

注文方法が決まったら、本日限り、今週限りなどの注文期間と、特定口座・一般口座などどの口座で取引をおこなうかを入力して注文が確定します。

いずれにしても、まずは証券口座を開設して、少額から注文してみましょう。

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株の売買タイミングを見極める手法

漠然と株価を追っていても、株を売買するタイミングはわかりません。専門家でも株を売買するタイミングを見極めるのは難しく、投資初心者ではなおさらです。

そこで、ここでは売買のタイミングをはかる手法を「テクニカル分析」、「ファンダメンタル分析」の2つに分けてご紹介します。

過去の株の値動きパターンや傾向を重視した「テクニカル分析」と、外的要因や株の本質的な価値に重きを置いた「ファンダメンタル分析」は視点の違う分析手法です。

投資初心者の人は経験を積みながら、これらの分析手法を組み合わせて考えるなど複数の視点を持って、株を売買するタイミングを見極めましょう。

株の売買タイミングを見極める手法(1)テクニカル分析

テクニカル分析は、「チャート」と呼ばれる株価の変動を示すグラフや、値動きを期間で平均化させた「移動平均線」などから売買のタイミングをはかる手法です。

テクニカル分析とは

テクニカル分析とは、これまでに起こった株価の変動を見やすく折れ線グラフのようにまとめた「チャート」から、株価が上下する際のパターンや傾向を導き出したり、売られすぎや買われすぎといった需給状況も分析したりして、株価の先行きを予想します。

過去の株価の値動きや、株の需給状況などチャートの動きで売買のタイミングをはかるため、視覚的に判断することが中心となり、経済の動きに関する専門的な知識がなくても分析可能な手法です。また、移動平均線などのテクニカル指標は、トレーディングツールを使えば簡単に表示可能なため、個人投資家などにも好まれる点も特徴となります。

チャートとローソク足

株価の過去の値動きを示し、今後の株価の傾向を読み取るデータとなる「チャート」については、日・週・月での値動きを表した「ローソク足」を使った株価チャートが一般的です。

用いるローソク足の期間によって「日足チャート」、「週足チャート」、「月足チャート」などがあります。

移動平均線

移動平均線とは、ある期間の株価の値動きをチャート上で平均化させた線のことで、日足チャートであれば5日や25日、75日の移動平均線、週足であれば13週や26週、52週の移動平均線があります。

株の売買タイミングを見極める手法(2)ファンダメンタル分析

「ファンダメンタル分析」とは、国の経済活動や企業の経営状況などの基礎的な要素を、今後の株価予測の指標として用いる分析手法です。

具体的には、国全体の経済成長率や失業率、景気見通し、物価上昇率といったマクロ的な指標で相場全体の景況感を判断したり、個別企業の決算・業績、財務状況といったミクロ的な指標を用いて企業の成長性などを判断したりします。

経済指標の見方や企業の決算分析など、専門的な知識も必要になりがちなため、最近は数値化されてわかりやすい株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)、株主資本利益率(ROE)などの指標も用いられます。

また、経済関連のトピックや個別企業に関する突発的な出来事などもファンダメンタル分析に含まれますので、日々のニュースなどにも注意が必要です。

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株を買うタイミング

株を買うタイミングには数多くのものがありますが、「テクニカル分析」からチャートの移動平均線に着目して導く3つのタイミングと、「ファンダメンタル分析」によって導くタイミングをご紹介します。

いずれもタイミングを見誤ったり、そのタイミングで必ず上昇するわけではなかったりしますので、複数の手法やタイミングを組み合わせて判断することが大切です。

株を買うタイミング(1)株価上昇トレンドが形成されたとき

これからしばらく株価が上昇局面を迎えると予想される「上昇トレンド」の形成時は株を買うタイミングの1つです。

株価の方向性には「上昇トレンド」、「下降トレンド」、「横ばいトレンド」の3つがあり、「上昇トレンド」が見込まれれば、一般的に株を買うタイミングといわれています。

現在がどのトレンドなのか見極めるには、移動平均線の動きの確認が必要です。移動平均線がギザギザになって上下する際の最安値のポイントをつないだ線が右肩上がりになっていれば「上昇トレンドライン」となり、「株価がこれより下がらないサポートライン」ともいわれます。

そのため、株価と上昇トレンドラインが接する「押し目」と呼ばれる近辺で株を買えれば、株価のさらなる上昇が見込めるとされています。

株を買うタイミング(2)移動平均線と株価が乖離(かいり)したとき

移動平均線と株価が大きく乖離した場合は、株価が移動平均線に戻ろうとする傾向があるといわれ、値動きが予想しやすいため買い時になることがあります。

株価が長期的な傾向である移動平均線と離れてしまった状態は、通常の売買時とは異なった値動きです。とくに移動平均線を大きく下に突き抜けた場合は「安くなって買い時ではないか」「売られ過ぎているのではないか」といった投資家心理から、株価が移動平均線に戻る動きが予想され、買い時と判断されやすくなります。

ただ、株価の急落時は「落ちてくるナイフはつかむな」という格言もあり、急落時であっても価格の下落が底を打ったと確かめて購入する必要もあります。

株を買うタイミング(3)ゴールデンクロス

短期の移動平均線が長期の移動平均線と交差し、下から上に突き抜けるタイミングを「ゴールデンクロス」と呼び、相場が上昇する1つのサインとされます。相場を視覚的に見ることで把握できる、とてもわかりやすいサインです。

ただ、ゴールデンクロスはそれほど珍しい現象ではなく、その後必ず上昇相場になるとは限りませんので、他の買いタイミングとも合わせて判断するよう心掛けましょう。

株を買うタイミング(4)予想を上回る決算や、いいニュースがあったとき

「ファンダメンタル分析」の1つとして、企業決算の発表直後に株を買うタイミングがあります。それは、企業の決算内容が良かった場合、企業の将来性に対する期待などから、その後株価が上昇しやすい傾向があるからです。

何を持って「いいか悪いか」は難しいところですが、例えば「アーニングサプライズ」と呼ばれる、市場の予想を上回った決算などが挙げられます。株価は今後の期待も折り込まれ形成されており、そのため、単に業績が良くても、それがすでに想定された決算であれば、株価は大きく変動しないこともあります。

また企業決算以外でも、「サプライズ」として「いいニュース」が飛び込むことがあります。例えば、企業買収や合併・資本提携があった、あるいは新商品が開発されたといった市場が企業に好感を抱くようなニュースは、株価を上昇させる材料となり、株を買うタイミングが生まれるのです。

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初心者が株を買うときの注意点

株を買うタイミングはさまざまですが、実際に株が上昇するかどうかは誰にもわかりません。突然思いもしなかったことが起こって株価が急落することもあり、とくに投資初心者が株を買うときには注意が必要です。

初心者が株を買うときの注意点(1)長期間分散して買う

短期的な株価を予測して利益を上げ続けることは、知識や経験が豊富で、常時市場をウオッチしている専門家にも難しい作業です。とくに投資初心者の人が、短期的な取引で利益を出すのが難しいのは言うまでもありません。

そのため投資初心者の人は、短期的な取引ではなく長期的な視点で投資をおこない、少しずつ買い増しながら利益を積み重ねる手法がおすすめです。長期的に株取引をおこなうことで成功や失敗の経験値を増やすことも、投資初心者には大切な視点となります。

さらに、株を買う際は1つの銘柄や業種に偏った取引を避けましょう。買う株を複数の銘柄や業種に分散することで、リスクを軽減するとともに、株価低下でのダメージを小さくできます。

初心者が株を買うときの注意点(2)自己資金かつ余剰資金で投資をおこなう

必要な生活資金をしっかり確保した上で、できれば当面使う予定のない余剰資金で投資・運用を始めましょう。

投資にリスクはつきもので、想定外の損失が発生することもあります。

そのため「投資に使うお金」と「生活に使うお金」は別の財布にすることを意識して、決して「生活費まで一気に投資した」などということがないように心掛けることが大切です。

また、通常の取引である「現物取引」に対し、保証金を支払って自己資金の何倍もの取引が可能な「信用取引」などもあります。しかし、信用取引は損失が発生した場合の危険度も同じように高くなり、投資初心者の人にはおすすめできませんので注意が必要です。

初心者が株を買うときの注意点(3)1つの情報に踊らない

株を買うときは、1つの情報だけに左右されないことも大切です。

国の経済・社会状況から、個別企業の業績・財務状況、投資家の心理といった不確実でさまざまな要素に左右されて株価は変動します。そのため、経済ニュースや企業決算などさまざまな情報に接しながら、株の売買を判断していくことも必要です。

分析の手法にも「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」があるように、いくつかの手法や情報に触れ、知識や経験を身につけていきましょう。

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株を売るタイミング

株を売るタイミングは、株を買うタイミングと表裏一体です。

しかし、株を売るタイミングを逸すると、値上がり益を確保し損ねたり、損失が拡大してしまったりします。ここでは、いくつかある株を売るタイミングの中から3つご紹介します。

株を売るタイミング(1)株価がある程度上昇し、利益が出たとき

株価がある程度上昇し、もくろみ通りの利益が出た時点で、利益を確定させるために株を売るのは、タイミングの1つといえます。

株価が上昇を続け、含み益がどんどん膨れ上がっているときは「この勢いならもう少し上がるのではないか」と考えがちですが、株価がもとに戻って、結局は売るタイミングを逸してしまうのはよくあることです。

そのため、例えば、最初から買ったときの120%の価格で売りの指値注文しておくなど、自動的に利益を確定できるようにすれば、売りのタイミングを逃すことはありません。

株を売るタイミング(2)株価下降トレンドが形成されたとき

株の買うタイミングである「株価の上昇トレンド」とは逆に、移動平均線の最高値のポイントをつないだ線が右肩下がりになる「下降トレンドライン」は「株価がこれより上がらない抵抗線(レジスタンスライン)」ともいわれます。

このトレンドになれば、株価は下落傾向であり、株を売るタイミングの1つです。

株を売るタイミング(3)悪いニュースがあったとき

株を買うタイミングと表裏一体ですが、決算で企業業績が想定よりも悪かったり、思いがけない悪いニュースがあったりすれば、株価の下落が予想され、株を売るタイミングとなります。単に悪いということではなく、「アーニングサプライズ」と同じように「市場が想定した以上」に悪かったときなどは「ネガティブサプライズ」と呼ばれ、株価の下落要因です。

悪いニュースの例としては「思いがけず金利が上昇して景気の先行きに不安が広がった」「業績見通しに想定以上の下方修正があった」「突発的に企業の不祥事が発覚した」などになります。

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初心者が株を売るときの注意点

投資初心者の人にとっては、利益を拡大すること以上にリスクを軽減し損失を小さくすることも大切です。そのような視点から、株を売るときの注意点を2つご紹介します。

初心者が株を売るときの注意点(1)損切りは躊躇せずにおこなう

投資初心者が株を売るときに、損失が出てもその大きさを小さくする「損切り」が大切になります。「損切り」とは、損失を抱えたまま株を売って、損失額を確定させることです。

投資経験が少ないと、株価が下落しても「損をしたくない」という意識から売るタイミングを逃したり、売るタイミングがわからず無駄に所有し続けたりして損失が拡大します。

とくに株を買ったときには想定していない状態、例えば想定していない出来事や業績の悪化などがあれば、損失が小さい状態のうちに「損切り」することを心掛けましょう。

初心者が株を売るときの注意点(2)売るときのルールを決めておく

いくら「損切り」が大切だとわかっていても、投資初心者になればなるほど株価が毎日変動している局面では、いつ売っていいのかわからなくなってしまいがちです。そのため、株価が上がったときの利益確定と同様、株の購入前に「株価が15%以上下がったら、すぐに売って損失を確定させる」などの約束事を設定しておくのが有効です。

投資初心者であればあるほど、冷静さがたもてている時点で自分の投資目的にあったルールを設定しておくことが、リスクを軽減することにつながります。

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株の売買タイミングに影響するその他の要素

株の売買のタイミングに影響する要素は、「テクニカル分析」「ファンダメンタル分析」から導き出すもの以外にもあります。ここでは少し視点を変えた3つの要素をご紹介しますので、売買の際の参考にしてください。

株の売買タイミングへの影響要素(1)アノマリー

「アノマリー」とは、明確なロジックはないものの、株価の値動きによく見受けられる相場の経験則や事象です。例えば、株価の季節的な変動では、4月は株価が高くなりがちなことを指した「4月高」「こいのぼり天井」、あるいは夏場に株価が上がりにくいことを指した「夏枯れ相場」などのアノマリーがあります。

アメリカでも「株は5月に売れ」という意味で「Sell in May」という言葉があり、格言的に用いられ有名です。他にも株価収益率が低い株や、時価総額が小さい小型株の方が収益は得られやすいことを指した「低PER効果」、「小型株効果」といった銘柄属性についてのアノマリーもあります。

株の売買タイミングへの影響要素(2)為替変動

為替の変動は株価に大きな影響を与えるため、売買するタイミングをはかる重要な要素となります。とくに輸出型か輸入型の業種によって、為替変動で受けるメリット・デメリットが相反しますので注意が必要です。

例えば、為替が円安・円高に振れた際、自動車産業のように海外に商品を輸出して利益を得ている輸出型の業種か、海外から原材料を仕入れている輸入型の企業なのかによって、受けるメリット・デメリットが異なり、図表2のようになります。

図表2

円高の場合
(例:1ドル150円が125円へ)
円安の場合
(例:1ドル125円が150円へ)
輸出型企業
(例:自動車、電機、総合商社など)
輸出した商品の円建て価格が下がるため、売上減少
⇒株価下落要因
輸出した商品の円建て価格が上がるため、売上増加
⇒株価上昇要因
輸入型企業
(例:製造業、卸売業・小売業など)
輸入したエネルギーや原材料の円建て価格が下がるため、コスト縮減利益増
⇒株価上昇要因
輸入したエネルギーや原材料の円建て価格が上がるため、コスト増大利益減
⇒株価下落要因

筆者作成

株の売買タイミングへの影響要素(3)株を売買する人の投資スタイル

株を売買する人が長期的な投資スタイルなのか、短期的な取引をメインにした投資スタイルなのかで、売買のタイミングや注意すべき点が変わってきます。

短期の売買であれば、損切りなどのタイミングはより重要となり、日々チャートや経済ニュースをウオッチし、数多くのさまざまな要素に目配りして判断することが必要です。

逆に長期投資で一定期間は株を保有するのが前提であれば、短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、企業の将来性など、より基礎的な要素を重視する必要があります。そのため、長期投資が前提であれば、短期の取引に比べ株を売るタイミングは少なくなるはずです。

投資初心者は長期的な視点での投資がおすすめですが、どのような目的で株取引するのか、まずはご自身で明確にしておきましょう。

株の売買タイミングまとめ

株を売買するタイミングは、「テクニカル分析」、「ファンダメンタル分析」といった手法で見極めるものから、「アノマリー」のように経験則などから格言的に表現されるものまで、さまざまです。

しかし、株価は内容や性質の異なる多くの要素に左右されるため、未来の株価がどうなるか、結局は誰にもわかりません。そのため投資初心者の人は、ご自身が実践する投資の目的やスタイルを明確にして、リスクや損失を抑えながら取引を進め、「長期」「分散」「少額」などを念頭に、少しずつ経験を積み重ねていくことが大切です。

いずれにしても、株取引にリスクはつきものですので、リスク許容度を考え、生活に支障の出ない範囲で株の売買を進めてみてはいかがでしょうか。

出典

日本証券業協会 投資の時間「ローソク足」
日本証券業協会 投資の時間「移動平均線」

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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