更新日: 2024.03.31 不動産投資

不動産投資の始め方とは? 初心者向けに基礎知識をわかりやすく解説!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

不動産投資の始め方とは? 初心者向けに基礎知識をわかりやすく解説!
「不動産投資の始め方を教えてほしい」「不動産投資初心者はまず何をすればいいの?」など、不動産投資の初心者の始め方について知りたい人は多いことでしょう。不動産投資するには始め方があり、手順を理解する必要があります。

本記事では、不動産投資の始め方・流れを細かく、かつわかりやすく解説します。これから不動産投資を始めたいという人は、ぜひ参考にしてください。
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【初心者向け】不動産投資の始め方・流れ

【初心者向け】不動産投資の始め方・流れは次のとおりです。

Step1.不動産投資の目的を定める
Step2.不動産投資に必要な自己資金を確保する
Step3.不動産投資会社に連絡し投資計画を立てる
Step4.投資用不動産を探す
Step5.投資用不動産の現地確認をおこなう
Step6.投資用ローンの仮審査に申込む
Step7.投資用不動産の売買契約を締結する
Step8.管理会社を選択する
Step9.投資用ローンの本審査に申込む
Step10.投資用不動産の引渡しを受けて運用を開始する

不動産投資の始め方を初心者に向け、1つの項目ごとにわかりやすく解説していきます。不動産投資の流れを理解し、手続きをスムーズに進めましょう。

Step1.不動産投資の目的を定める

不動産投資を開始するときには、まず投資の目的を定めます。

不動産投資の主な目的は、次のとおりです。

・安定した収入を得る
・高利回りで大きな利益を得る
・売却益を得る
・所得税や住民税を節税する
・相続税を節税する

不動産投資をおこなう目的は多くあり、目的によって購入すべき投資用不動産が変わってきます。

安定した収入を得るのであれば、入居者を見つけやすい新築マンションがよいでしょう。しかし、所得税や住民税を節税するのであれば、減価償却の関係から築年数が経過した木造一棟アパートが向いています。

このように不動産投資の目的により購入すべき投資用不動産の条件が大きく変わるため、不動産投資を始める際にはまず目的を明確にする必要があります。

Step2.不動産投資に必要な自己資金を確保する

投資用不動産を購入する際には、次のようにさまざま費用がかかります。

図表1

諸費用 内容
仲介手数料 ・不動産仲介会社を通じて物件を購入するときに払う費用
ローン事務手数料・保証料 ・投資用ローンを利用する際に金融機関へ払う費用
印紙代 ・課税文書を作成するときに課税される税金
・不動産売買契約書と金銭消費貸借契約書作成時に課税される
登録免許税 ・登記申請するときに課税される税金
・所有権移転登記と抵当権設定登記のときに課税される
司法書士報酬 ・登記を司法書士に代行させた依頼した場合にかかる費用
不動産取得税 ・不動産を取得したときに課税される税金
保険料 ・火災保険や地震保険の保険料
手付金 ・売買契約時に売主へ渡す頭金

筆者作成

投資用不動産を購入するには、以上のように多くの費用を払わなければなりません。
これらの費用を合計すると、新築物件で購入代金の3%~7%、中古物件で6%~13%程度必要といわれています。中古物件の費用のほうが高い理由は、各種税金の優遇措置が受けられない、もしくは新築よりも減税幅が少ないからです。

また、「頭金」は10%~20%が目安となります。諸費用と頭金を現金で用意するのであれば、購入代金の13%~33%を用意しなければなりません。

投資用ローンの借りすぎは、不動産投資を失敗させる原因となるため、まずは自己資金がどの程度、用意できるのかを確認しておくことが大切です。

Step3.不動産投資会社に連絡し投資計画を立てる

不動産投資に使用できる「自己資金の額」がわかったら、不動産投資会社に連絡します。

不動産投資会社には不動産投資の目的や予算を伝え、物件を探してもらいます。

また、不動産投資会社に連絡するときには、できる限り担当者と面談する時間の調整もおこないましょう。担当者と面談したほうが自分の意思が伝わりやすく、担当者ともに投資計画が立てられるというメリットがあります。

投資計画は非常に重要なものであり、計画が甘いと不動産投資に失敗してしまうおそれがあります。プロと一緒に投資計画を立てることで、自分では気付けなかったリスクを発見できるケースもあるため、担当者と面談して打ち合わせしておきましょう。

Step4.投資用不動産を探す

不動産投資会社に投資する目的や希望する条件を伝えたら、不動産投資会社に「投資用不動産探し」をおこなってもらいます。

しかし、希望にあう投資用不動産を見つけることが困難なケースもあります。希望する投資用不動産がなかなか見つからない場合は、不動産投資会社とともに投資計画を見直して条件の緩和を図っていくといいでしょう。

厳しすぎる投資計画を立てるとリスク回避できるものの、条件に見合う投資用不動産が見つからなくなってしまいます。

また、投資計画の見直し以外には、他の不動産投資会社に相談するのもおすすめです。不動産投資会社によって物件情報の量や質は異なり、物件探しを依頼した不動産投資会社よりもいい情報をもっている会社が他にあるかもしれません。

良質な投資用不動産を購入できるかどうかは、不動産投資の成功率に大きくかかわるため、さまざまな手段を講じて物件を探していくことが大切です。

Step5.投資用不動産の現地確認をおこなう

不動産投資会社から投資用不動産を紹介されたら、物件の現地確認に行きます。

不動産は現地を確認しなければわからないことが多く、現地確認を怠ってはいけません。

例えば、物件資料上では駅徒歩3分と記載されていても、駅まで行く途中に自転車では通行できず迂回しなければいけなかったり、駅の入口が近いだけでホームまでかなりの距離があったりすることもあります。資料だけを見ればいい物件かもしれませんが、実際は入居者が見つかりにくい条件だったということは珍しくありません。

入居者が住みやすいかどうかを考えつつ現地確認すれば、空室リスクを抑えることも可能です。投資用不動産を購入する際には、物件の現地確認をおこなってから購入を判断しましょう。

Step6.投資用ローンの仮審査に申込む

投資計画に見合う投資用不動産が見つかったら、投資用ローンの仮審査に申込みをします。

投資用ローンを借りるには、仮審査(事前審査)と本審査(本申込み)の2回審査を受けなければなりません。

仮審査を受けるには、次の書類を準備しなければなりません。

図表2

書類名 備考
本人確認書類 ・運転免許証、マイナンバーカード、パスポート など
※仮審査時は写しを提出
収入証明書 ・直近3年分の源泉徴収票
・直近3年分の確定申告書
・直近3年分の決算書 など
金融資産が確認できる書類 ・通帳
・有価証券 など
他社の借入がわかる書類 ・借入中のローン償還予定表
・借入中の返済口座通帳
購入する不動産に関連する書類 ・登記簿謄本(土地・建物)、公図、実測図、測量図
・住宅地図
・物件概要やパンフレット

オリックス銀行 不動産投資ローンを参考に筆者作成

投資用ローンの仮審査には多くの書類が必要になるため、事前に準備できる書類は用意しておきましょう。

なお、投資用ローンの仮審査の結果が出るまでには、オリックス銀行の場合おおよそ1週間かかります。

Step7.投資用不動産の売買契約を締結する

投資用ローンの仮審査に通過したら、投資用不動産の売買契約を締結します。

不動産売買契約時には、次の書類や金銭を準備しなければなりません。

図表3

書類名 備考
本人確認書類 ・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
手付金 ・物件代金の10%程度
※契約の内容によって異なる
印紙代 ※収入印紙は不動産会社が用意してくれるケースが多い
※売買代金により異なる
仲介手数料 ・物件代金 × 3% + 6万円 + 消費税
※物件代金が400万円を超える場合
※仲介手数料の全額ではなく、契約時に半金支払いが一般的の場合もある
その他 ・印鑑

筆者作成

不動産売買契約時には、売買契約書だけでなく重要事項説明書の読み合わせもおこなわれます。

不動産売買契約を締結してもまだ不動産は自分のものにならず、運用するにはもう少し手続きを進めていく必要があります。

Step8.管理会社を選択する

売買契約を締結したら、「管理会社の選定」をおこないます。

管理会社は、入居率や口コミ・評判などを確認して選定していきましょう。質の高い管理会社が見つかれば、空室リスクを抑えることが可能です。

なお、入居率は管理会社のホームページで確認できます。各管理会社は入居率の高さを自社の強みとしており、入居率が高い会社は積極的にホームページに記載しています。

逆にいえば、入居率の低い管理会社は、入居率の記載をしていない可能性もあるということです。

管理会社の選定は非常に重要であるため、慎重に選択しましょう。

Step9.投資用ローンの本審査に申込む

管理会社の選定と並行し、投資用ローンの本審査に申込みます。

投資用ローンの本審査に必要な書類は、次のとおりです。

図表4

書類名 備考
本人確認書類 ・運転免許証、マイナンバーカード、パスポート など
※本審査時には原本を提出
収入証明書 ・直近3年分の源泉徴収票
・住民税決定通知書
・直近3年分の確定申告書
・納税証明書
・直近3年分の決算書
・法人納税証明書
金融資産が確認できる書類 ・通帳
・有価証券 など
他社の借入がわかる書類 ・借入中のローン償還予定表
・借入中の返済口座通帳
購入する不動産に関連する書類 ・登記簿謄本(土地・建物)、公図、測量図、住宅地図
・物件概要やパンフレット
・売買契約書と重要事項説明書
・工事請負契約書または見積書
・建築確認済証と検査済証
その他の書類 ・事業計画書
・賃貸契約書か見込み賃料がわかる書類
・住民票の写し
・印鑑証明書

オリックス銀行 不動産投資ローンを参考に筆者作成

本審査に必要な書類は仮審査よりも多いですが、用意する書類は重複しています。新たにどのような書類を準備しなければならないのかを確認しておきましょう。

なお、投資用ローンの本審査の結果が出るまでには、おおよそ2週間かかります。

Step10.投資用不動産の引渡しを受けて運用を開始する

投資用ローンの本審査に通過したら、金銭消費貸借契約を締結し投資用不動産の引渡しを受けて運用を開始します。

金銭消費貸借契約とは、お金を受け取る代わりに、返済時に利息を付けて返すという契約です。金銭消費貸借契約は「金消(きんしょう)」とも呼ばれ、金融機関とローンの借入者が締結します。

金消が終わったら、投資用ローンの実行が可能です。投資用ローンで支払いの準備ができたら、売主に不動産売買代金を入金します。

なお、投資用不動産の引渡しに必要な書類や金銭は、次のとおりです。

図表5

書類名 備考
本人確認書類 ・運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
残代金 ・売買代金から手付金を差し引いた金額
固定資産税・都市計画税清算金 ・固定資産税・都市計画税の日割り清算をおこなう
賃料清算金 ・入居者がいる場合は賃料の日割り清算をおこなう
仲介手数料 ・物件代金 × 3%+6万円+消費税
※物件代金が400万円を超える場合
※仲介手数料全額ではなく引き渡し時に半金支払いが一般的の場合もある
その他 ・実印
・印鑑証明書
・住民票
・投資用ローンの返済口座の通帳・届出印・キャッシュカード

筆者作成

残代金や固定資産税・都市計画税清算金は、投資用ローンを利用する場合は、現金で用意する必要はありません。

投資用不動産の引渡しが終われば、買主に所有権が移転するため、運用を開始することが可能となります。

不動産投資初心者が知っておくべき基礎知識

不動産投資初心者が知っておくべき基礎知識は、次のとおりです。

・不動産投資のリスク
・表面利回りと実質利回り
・減価償却と損益通算

不動産投資をおこなう場合、必ず理解しておかなければならない項目があります。不動産投資初心者にも必要な知識ばかりですので、不動産投資を開始する前には必ず内容を把握しておきましょう。

不動産投資のリスク

不動産投資には、次のようなリスクがあります。

図表6

リスク名 内容
空室リスク ・空室が発生することで収入が減少するリスク
・空室が発生してもランニングコストがかかることでキャッシュフローが悪化する
家賃滞納リスク ・入居者が家賃を滞納して収入が減少するリスク
・家賃回収の手間もかかる
家賃下落リスク ・家賃が下落することで利益が減少するリスク
・家賃が下がることで損失が上回るおそれもある
修繕リスク ・建物や設備の修繕に必要になる費用
・突発的な修繕が発生すると一時的に損失を生んでしまう
金利上昇リスク ・金利上昇にともない投資用ローンの返済額が多くなってしまうリスク
・返済額が増えると利益を圧迫してしまう
不動産価値変動リスク ・不動産価値が大きく減少するとし、想定した売却額がつかなくなるリスク
・災害被害を受けると極端に価格が変動するおそれもある
地震リスク ・地震発生により建物の損傷を受けてしまうリスク
・地震保険は損傷を全額保証してくれるわけではない
火災リスク ・火災発生により建物が損傷してしまうリスク
・火災保険で全額保証されたとしても修繕が終わるまで運用がストップするおそれがある
倒産リスク ・サブリース会社が倒産して家賃が入らなくなる、管理会社が倒産して管理に空白期間ができるリスク

筆者作成

不動産投資には多くのリスクがあり、内容を理解してリスク対策をおこなう必要があります。不動産投資リスクは不動産投資初心者でも内容を覚えるのは難しくないため、すべてのリスクを把握しておきましょう。

表面利回りと実質利回り

利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。

表面利回りと実質利回りには、次のような違いがあるため、内容を理解しておく必要があります。

・表面利回り:物件の購入金額に対してどのくらいの収入が得られるか示した割合
・実質利回り:物件の購入金額と購入諸費用を足した金額に対して実際に得られる利益を示した割合

表面利回りはその名のとおり、表面上の数字しか考慮していません。しかし、実質利回りは運用時の内容を示しており、実際に運用したときの参考として利用できます。

不動産投資ではランニングコストまで投資計画で考慮する必要があり、実質利回りを参考にして計画を立てていきます。つまり、実質利回りは投資用不動産購入の検討材料になる数値ということです。

減価償却と損益通算

節税を目的に不動産投資をおこなうのであれば、「減価償却」と「損益通算」について理解しておかなければなりません。

減価償却と損益通算のそれぞれの内容は、次のとおりです。

図表7

名称 内容
減価償却 ・建物購入金額を一定年数で分割し、分割した金額を一定年数経費として計上できる仕組み
・実際に支出した費用ではなく現金を使わずに経費にできる
・うまく活用すれば収入を得ているにもかかわらず赤字が計上できる
損益通算 ・不動産所得で発生した赤字を他の所得から差し引きできる仕組み
・別荘のような趣味・娯楽で利用する物件の赤字は損益通算できない
・ローンのうち土地取得部分の利子については損益通算できない

国税庁 No.2100 減価償却のあらまし、No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算 を基に作成

不動産投資は、減価償却と損益通算の両制度をうまく活用して節税を図ります。減価償却と損益通算は不動産投資の基礎であり、不動産投資初心者も理解していかなければなりません。ただし、内容が複雑で間違った知識を得てしまうと不動産投資に失敗するおそれがあるため、不動産会社の専門家に確認しつつ進めるといいでしょう。

不動産投資のメリット

不動産投資のメリットは、次のとおりです。

・所得税や住民税の節税ができる
・生命保険の代わりになる
・レバレッジが効かせられる

不動産投資は利益を得るだけでなく、多くのメリットがあります。不動産投資の目的にあったメリットがあるか確認し、メリットを最大限に活かしていきましょう。

不動産投資のメリット1:所得税や住民税の節税ができる

不動産投資は、減価償却と損益通算を利用すれば所得税や住民税の節税ができます。

減価償却と損益通算を活用した場合、所得税がどの程度、節税につながるのかをシミュレーション計算してみましょう。

【シミュレーション条件】
・年間不動産収入:100万円
・年間コスト:80万円
・課税所得:900万円(所得税率33%・控除額153万6000円)

【減価償却なしの場合】
100万円-80万円=20万円(不動産所得)
900万円+20万円=920万円(課税所得)
920万円×33%-153万6000円=150万円(所得税)

【減価償却100万円の場合】
100万円-80万円=20万円(不動産所得)
900万円+20万円-100万円=820万円(課税所得)
820万円×23%-63万6000円=125万円(所得税)
※課税される所得が695万円~899万9000円になったことにより、所得税率23%・控除額63万6000円に変わります

以上の計算例の場合、減価償却と損益通算を利用することで所得税25万円の節税につながっていることがわかります。

不動産投資のメリット2:生命保険の代わりになる

投資用ローンを借りれば、不動産投資は「生命保険の代わり」になります。

投資用ローンを借りるときには、基本的に団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険とは、借入者がローンの返済中に死亡したなどの条件に該当した場合、ローン残高がゼロになる保険です。

団体信用生命保険に加入していれば、万が一の事態が起きたとしても債務の残っていない投資用不動産を相続できます。

ただし、投資用不動産とともに、不動産管理の手間や不動産投資リスクも受け継ぐことになることには注意しましょう。

不動産投資のメリット3:レバレッジが効かせられる

不動産投資ではレバレッジが効かせられ、少ない自己資金で投資できます。

レバレッジとは、テコの原理という意味です。不動産投資におけるレバレッジとは、投資用ローンを借り、自己資金よりも高い投資用不動産を購入することを指します。

レバレッジを効かすことで、自己資金だけでは得られない利益が手に入るわけです。ただし、レバレッジの効かせすぎには注意しましょう。投資用ローンを多く借りれば借りるほど返済が厳しくなり、金利上昇リスクも高まってしまいます。

不動産投資のデメリット

不動産投資のデメリットは、次のとおりです。

1.必ず節税できるわけではない
2.突発的な支出が発生する
3.定期的な建物修繕が必要になる

不動産投資には多くのメリットがあるものの、デメリットもあるため注意しなければなりません。不動産投資を始める前にはデメリットも確認し、投資に失敗しないように知識を得ておきましょう。

不動産投資のデメリット 1.必ず節税できるわけではない

不動産投資をおこなえば「必ず節税につながる」とは限りません。

不動産投資で節税するのであれば、節税効果が見込める不動産を購入する必要があります。

例えば、条件によるものの新築ワンルームマンションよりも、築年数の経過した木造アパートのほうが多くの減価償却費を計上できるはずです。

また、大きな節税効果を得るには、一定以上の給与所得や事業所得が必要です。所得が低い場合は所得税率も低く、大きな節税効果が得られません。

節税目的で不動産投資をおこなうのであれば、目的を達成するために必要な知識を得てから投資を始めていきましょう。

不動産投資のデメリット 2.突発的な支出が発生する

不動産投資をおこなっていると、突発的な支出が発生するケースもあります。

不動産投資で支払う費用の中には、突発的に発生する費用があります。例えば、室内のエアコンが突然壊れてしまった、入居者の退去による修繕費です。

突発的に発生する費用の多くは修繕費であり、なかなか修繕費を投資計画に計上するのは難しいことです。とくに不動産投資の経験が少ない初心者は、修繕費を計上するのに苦労するため、不動産投資会社などの専門家に相談しながら修繕費の想定をしていきましょう。

不動産投資のデメリット 3.定期的な建物修繕が必要になる

不動産は定期的な修繕が必要となり、「修繕費」がかかります。

修繕は突発的に発生するだけでなく、定期的におこなう必要もあります。建物はもちろんのこと、室内の設備についても原則は大家さんが修繕しなければなりません。

建物も設備にも耐用年数があり、ある程度の期間が経過すると不具合を起こしてしまいます。そのため、定期的に設備を修繕したり取り替えたりする必要があります。

修繕は不動産投資のリスクの1つに挙げられる項目でもあるため、十分な修繕費を投資計画に計上して投資をおこなっていきましょう。

不動産投資を始めるタイミング

不動産投資を始める主なタイミングは、次のとおりです。

1.長期間投資ができる年齢であるとき
2.不動産価値が上昇しているとき
3.課税所得が900万円を超えたとき

不動産投資を開始するタイミングは人それぞれであるものの、一定の傾向が見られます。不動産投資の投資家がどのようなタイミングで投資を開始したのかを知り、自分が不動産投資するタイミングに該当しているのかを考えてみましょう。

不動産投資を始めるタイミング 1.長期間投資ができる年齢であるとき

不動産投資は長期間の運用が必要な投資であるため、年齢が若いほど不動産投資を始めるのに適しているといえます。

不動産投資は、一般的に5年~10年で元を取るように計画します。1年や2年で元が取れるような短期投資ではないため、時間的な余裕が必要です。

また、年齢が若いほど投資用ローンの借入期間が長くなる傾向にあります。不動産投資をおこなうには多額の借入をしなければならず、短期間で返済すると月々の返済額が高額になってしまいます。そして、年齢を重ねてしまうと、そもそも年齢を理由にローンを借りられない可能性も考えなければなりません。

不動産投資では年齢の若さがメリットになるため、なるべく早くから投資を開始するべきでしょう。

不動産投資を始めるタイミング 2.不動産価値が上昇しているとき

不動産価値が上昇しているときはキャピタルゲインを得られるチャンスであるため、不動産投資を始めるタイミングです。

不動産投資で利益を得る方法は、インカムゲインとキャピタルゲインです。しかし、キャピタルゲインを得るには、購入時よりも売却時の不動産価格が高くなっている必要があります。

通常、不動産の価値は下がっていくため、キャピタルゲインを得るのは困難です。しかし、不動産価値が上昇しているエリアで、投資用不動産を購入できたのであれば話は別です。

不動産価値が上昇しているエリア内にあり、不動産価値の下落がひと段落した物件を購入すれば、大きな利益を得られる可能性があります。

不動産投資を始めるタイミング 3.課税所得が900万円を超えたとき

課税所得が900万円を超えると不動産投資の節税効果が高くなるため、不動産投資を始めるのにいいタイミングです。

所得税は累進課税制度であり、課税所得が900万円を超えると所得税率が33%になります。税率が高いほど節税効果が大きくなるため、税率が30%を超える課税所得900万円超の人は不動産投資で大きな節税効果が見込めるといえます。

逆にいえば、所得の低い人が減価償却費を多く計上できる物件を購入したとしても、大きな節税効果は得られません。課税所得が900万円に満たない場合は、節税よりも収益性を重視して不動産投資をするほうがいいでしょう。

不動産投資がおすすめされる人の特徴

不動産投資がおすすめされる人の特徴は、次のとおりです。

1.不動産投資の勉強が苦にならない人
2.余裕ある自己資金が用意できる人
3.信頼できる相談先を知っている人

不動産投資には、向いている人と向いていない人がいます。不動産投資を開始するときには、タイミングだけでなく向いている人がどのような人か確認しておきましょう。

不動産投資がおすすめされる人の特徴 1.不動産投資の勉強が苦にならない人

不動産投資の勉強が苦にならない人は、不動産投資に向いている人です。

不動産投資をおこなうには、多くの知識が必要です。節税になる仕組みや投資リスクの種類・内容、リスク対策方法などを覚えなければなりません。また、不動産に関連する情報は更新されることが多く、常に新しい情報を得られるようにしておく必要があります。

不動産投資をするには常に学びが必要であるため、勉強が苦にならない人は不動産投資にあっているといえるでしょう。

不動産投資がおすすめされる人の特徴2.余裕ある自己資金が用意できる人

余裕ある自己資金が用意できる人は、不動産投資に適している人です。

不動産投資には多くのリスクが存在し、突発的な費用が発生するものもあります。自己資金が少なければ、突発的な費用が発生したときに生活費からその費用を捻出しなければならなくなります。

また、自己資金が多ければ、投資用ローンの借入額を少なくすることも可能です。月々の返済額が減れば、大きな利益を得られます。

不動産投資がおすすめされる人の特徴3.信頼できる相談先を知っている人

信頼できる相談先を知っている人は、不動産投資にあっている人です。

不動産投資には多くの知識が必要ですが、すべてを理解するのは困難です。知識の中には専門的な内容も含まれるため、難しい内容は専門家に相談して解決するとよいでしょう。

相談するためには、信頼できる専門家とのつながりが必要です。不動産投資をするには、不動産会社や管理会社、税理士など多くの専門家がいるため、それぞれの専門家との関係を作るようにしておくことが大切です。

初心者が不動産投資を始める際の注意点

初心者が不動産投資を始める際の注意点は、次のとおりです。

1.悪質な不動産投資会社がある
2.サブリース契約を安易に選択しない
3.節税できる仕組みを理解しておく

不動産投資には注意点があります。そして、注意点の中には初心者がとくに気を付けなければならない事項があります。どのような点に注意する必要があるのかを確認し、失敗する可能性を最小限に抑えましょう。

初心者が不動産投資を始める際の注意点 1.悪質な不動産投資会社がある

不動産投資会社の中には、悪質な会社があります。

不動産投資会社はすべての会社が信頼できるわけではなく、投資家の意向や計画を無視した投資用不動産を勧めてくる会社もあります。

このような投資家のことを考えていない不動産投資会社から投資用不動産を購入すると、損失が発生したり投資目的が達成できなくなったりします。

少しでも営業色が強い担当者だな、と感じた場合は、悪質な不動産投資会社なのではないかと疑って話を聞いたほうがいいかもしれません。

初心者が不動産投資を始める際の注意点 2.サブリース契約を安易に選択しない

サブリース契約はメリットだけでなく、大きなデメリットもあります。

サブリース契約とは、サブリース会社が不動産を一括借り上げし、家賃保証や管理をしてくれる契約です。

サブリース契約を締結すれば空室リスクを回避できます。しかし、一方でサブリース契約は次のようなトラブルを生むおそれがあるため、注意して契約しなければなりません。

・一方的に家賃を値下げされた
・一方的に契約を解除された
・高額な修繕費を請求された など

サブリース契約はこのように多くのトラブルを引き起こすおそれもあり、契約を締結するときには契約内容をしっかりと確認することが大切です。

初心者が不動産投資を始める際の注意点 3.節税できる仕組みを理解しておく

不動産投資初心者は、節税できる仕組みを理解してから不動産投資を開始しましょう。

不動産投資を節税目的でおこなう場合、節税できる仕組みを理解していなければ節税効果を最大限に受けられません。

減価償却と損益通算はもちろんのこと、所得税や住民税の計算方法などを理解する必要があります。これらの知識がなければ節税効果を活かすことはできません。

不動産投資の始め方について初心者からよくある質問

不動産投資の始め方について初心者からのよくある質問は、次のとおりです。

・不動産投資の元手はいくら必要ですか?
・不動産投資を始めるときにはまず何をおこなえばいいですか?
・不動産投資初心者が気を付けるべきことは何ですか?

不動産投資初心者は不動産投資の始め方について、悩みや疑問をもってしまうことがあります。どのような悩みや疑問が発生しやすいのかを確認し、同じような悩みがある場合は先に解消しておきましょう。

Q1:不動産投資の元手はいくら必要ですか?

不動産投資の元手は、不動産購入価格の10%~20%程度必要といわれています。

10%~20%の元手が必要な理由は、フルローンで借りてしまうと月々の利益が出なくなるおそれがあるからです。「フルローン」とは、物件代金と同じ金額の借入をすることです。フルローンで借入すれば、頭金がなくても不動産投資を開始できます。

しかし、利回りがよほどよくないと、利益を出すのは難しいと考えておきましょう。

Q2:不動産投資を始めるときにはまず何をおこなえばいいですか?

不動産投資を始めるときには、まず投資の目的を明確にします。

投資の目的により購入すべき投資用不動産が変わります。つまり、投資の目的を見誤ると、その時点で不動産投資はまず失敗してしまうということです。

不動産投資を成功させるための第一歩を間違えないようにするには、投資する目的を明確にしておくことが大切です。

Q3:不動産投資初心者が気を付けるべきことは何ですか?

不動産投資初心者が気を付けるべきことは、次のとおりです。

・節税の基礎知識を学んでから投資する
・投資目的に見合った投資用不動産を購入する
・不動産投資リスクと対策法を学ぶ など

不動産投資を始める場合には、最低限理解しておかなければならないことがあります。不動産投資初心者だとしても、以上の内容は理解しておくようにしましょう。

不動産投資の始め方まとめ

「不動産投資初心者」が投資を始めるときには、まず投資の目的をはっきりさせましょう。

目的によって購入すべき投資用不動産が決まり、運用方法や期間も決まってきます。目的がブレてしまうと、目的にあわない投資用不動産を購入してしまい、不動産投資に失敗してしまいます。

また、不動産投資を成功させるには、必要最低限の知識を得ておかなければなりません。減価償却や損益通算など覚えなければならない知識が多くありますが、不動産投資を成功させるために必要なことと考えておく必要があります。

不動産投資に成功するよう、必要な事項を把握し実行しましょう。

出典

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