更新日: 2024.04.19 その他資産運用

個人向け国債ってどういうもの? 金利はどうなっているの?

執筆者 : 植田英三郎

個人向け国債ってどういうもの? 金利はどうなっているの?
新NISAが始まったことや、このところの株高を受けて、投資に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
 
リスクを避ける傾向が強かった個人家計資産が、貯蓄から投資へ向かうきっかけになることは、日本経済全体としてプラスと受け止められているようです。
 
とは言え、株への投資は元本リスクもあります。しかし、投資に当たって元本保証を求める人も少なくないので、今回はそんなときにチェックしたい個人向け国債と、その金利について学んでみましょう。

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植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

個人向け国債とは

個人向け国債は、元本保証を筆頭に6つの特長が挙げられます(※1)。「元本割れなし」「国が発行だから安心」「0.05%の最低金利保証」「1万円から購入可能」「年12回発行」「中途換金可能」です。
 
国債には3つの種類があります。「変動金利型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」です。
 
ここでは、「変動金利型10年満期」(変動10)に的を絞って見ていくことにしましょう。
 

変動金利型10年満期国債とは

「変動10」の特長は以下の通りです。
 
・半年ごとに適用利率が変わる「変動金利」が採用されています。
実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用利率(基準金利)が変わり、そのときどきの受取利子の金額が増減します。仮に3年後の実勢金利の水準が現在よりも上昇した場合は、その分、受取利子が増えます。なお、固定金利の場合は、受取利子は3年後も変わりません。

●最低金利保証(0.05%)があるので安心です。
●発行から1年経過すればいつでも中途換金可能です。
(ただし中途換金をすると、直前2回分の金利分は控除されます)
●そのほか、利子の受け取りは年2回、購入単位は1万円から、毎月発行(年12回)されます。

 

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金利の基準金利と適用利率とは

先ほど「基準金利」「適用利率」という言葉が出てきましたが、この場合の基準金利とは、市場金利のことで、「利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた、10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回りの値」と決められています(※2)。
 
適用利率は、基準金利に0.66を掛けた数値とされていますが、下限値は0.05%とされており、それ以下にはなりません。
 

個人国債の金利の状況

日本の経済は失われた30年とよく言われてきましたが、経済成長、消費者物価、銀行金利がほぼ横ばいで推移してきました。
 
その中で、銀行や国債の金利も2015年以降はほぼゼロ状態となり、「変動金利型10年満期国債」(変動10)の金利についても0.05%(100万円に対して500円の利子)が続いていました。
 
2022年以後少しずつ金利の上昇が見られましたが、2023年から金利上昇のトレンドうかがわれる状況にあります。下表は、2015年から2024年2月までの10年国債の基準金利と適用利率の推移表です。
 

                      表は(※3)に基づき筆者が作成
 
日本国債の適用利率は、基準金利に0.66を掛けた数値と決められています。表の基準金利と適用利率は、各年の12ヶ月の金利を単純平均したものです。
 
下の図は、2015年~2024年2月までの10年国債の基準金利と適用利率をグラフにしたものです。
 

                     表は(※3)に基づき筆者が作成
 
基準金利が、ゼロ以下になっても適用利率は0.05%で横ばいになっているのが分かります。また、2023年以降の金利の上昇カーブが目立ちます。
 

今後の資産運用における個人向け国債について

個人向け国債の信用リスク度は、預金保険制度の対象外ではありますが、国が保証をするという点において安全資産と見なすことができます。そのため、新NISA口座で保有する金融資産の中で変動金利型10年満期国債は、株式や投資信託などのリスクのある金融資産と組み合わせて保有することによって、リスクをヘッジする資産と考えることができます。
 
先行きの日本の金利はさらに上昇する可能性もあり、変動型金利の適用や元本保証の特長も含めて、個人向け国債に今一度注目してみてもよいのではないでしょうか。
 

まとめ

今回は、個人向けの変動金利型10年満期国債の特長と過去10年間の金利推移を見てきました。
 
現在、普通預金や定期預金で保管している資金を、新NISAで運用する際の、リスク商品と合わせた運用先の選択肢として個人向け国債が考えられます。何に投資しようかと迷っている方は、保有資産の分散の一つとして検討されてみてはいかがでしょうか。
 

出典

(※1)財務省 個人向け国債6つの特長
(※2)財務省 個人向け国債についてのよくある質問 Q2
(※3)財務省 変動10年の発行条件
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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