駅から徒歩15分の「90坪」の土地について、「アパートより戸建て賃貸のほうが向いている」と提案されました。同じ土地でも活用方法で収益は大きく変わるのでしょうか?
しかし、不動産会社から戸建て賃貸を提案されるケースもあります。同じ90坪でも、アパートと戸建てでは建築費や家賃、想定する入居者などが異なるため、最終的な収益も変わります。
特に駅から徒歩15分という立地では、単純に「部屋数が多いほうが得」とは限りません。
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目次
アパートは家賃収入を増やしやすいが建築費も大きくなる
アパートの特徴は、1つの土地から複数戸の家賃を得られることです。仮に6戸のアパートを建て、1戸あたり月7万円で満室なら、
7万円×6戸=月42万円
年間では504万円の家賃収入になります。一方、戸建てを2棟建てて、それぞれ月13万円で貸した場合は月26万円、年間312万円です。
この例ではアパートのほうが年間家賃は192万円多くなります。
ただし、これだけでアパートのほうが有利とは判断できません。戸数の多いアパートは延べ床面積が大きくなる場合があり、建物の規模や構造、仕様によっては建築費も大きくなります。
90坪の土地に建てられる建物の大きさは自由に決められるわけではありません。建ぺい率や容積率、高さなどの法令上の制限があり、土地の形や接している道路によっても建築プランは変わります。
まず「90坪だから何戸建てられる」と考えるのではなく、その土地で実際に建築可能なプランを確認する必要があります。
駅徒歩15分なら「誰が借りるのか」を考えることが重要
駅から徒歩15分という条件も活用方法を決めるポイントです。
一般に単身者向けの賃貸住宅では、通勤・通学の利便性を重視する入居者もいます。一方、戸建て住宅では、子どもがいる世帯などを想定した間取りにすることが可能です。
ファミリー世帯では、駅からの距離だけでなく、住宅の広さや日常の買い物の利便性、子育て・教育環境なども物件選びの条件になり得ます。
90坪の土地なら、土地の形状や法令上の条件によっては、駐車スペースを備えた戸建て賃貸を複数棟建てるといった計画も考えられます。
一方、周辺に単身者が多く、アパートの入居率が高い地域なら、アパートが需要に合う可能性もあります。
重要なのは「駅から15分だから戸建て」と機械的に判断することではありません。周辺の世帯構成や競合物件、空室状況などを調べる必要があります。
収益は家賃ではなく建築費や空室まで含めて比べる
土地活用では「年間家賃が高いほう」を選びたくなりますが、本当に確認したいのは支出を考慮した収益です。
たとえば、アパートで年間500万円の家賃を見込めても、多額の建築費が必要で空室も多ければ、期待した収益にならない可能性があります。
戸建て賃貸も同じです。年間家賃がアパートより少なくても、建築費や維持管理費などとのバランスによって収支は変わります。
さらに空室になった場合の影響も異なります。6戸のアパートで1戸が空室なら、残り5戸から家賃を受け取れます。一方、戸建て1棟が空室になると、その棟からの家賃はゼロになります。
反対に、アパートでは共用廊下や階段などの維持管理が必要になるケースがあります。このように、それぞれ異なる費用やリスクがあります。
不動産会社から提案を受けたら、満室時だけでなく、空室が出たケースや家賃が下がったケースでも収支を出してもらいましょう。
90坪の土地はアパートと戸建ての「長期収支」で比較しよう
同じ90坪の土地でも、アパートと戸建て賃貸では年間家賃、建築費、管理費、修繕費、空室リスクなどが異なるため、収益に大きな差が生じる可能性があります。そのため、「アパートは戸数が多いから得」「駅徒歩15分なら戸建てが得」と単純に判断することはできません。
不動産会社には、アパートと戸建ての両方について、建築費、想定家賃、想定稼働率、年間経費、修繕計画などを示してもらいましょう。できれば1社だけではなく、複数社から提案を受けると比較しやすくなります。
土地活用は数十年続く可能性があります。最初の年間家賃だけでなく、10年、20年単位の収支や将来売却する場合まで考えることで、90坪という土地をより有効に活用する方法を判断しやすくなるでしょう。
出典
国土交通省 建築基準法(集団規定)
国土交通省 用途地域等における建て方のルール
国土交通省 建築動態統計調査の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
