「無料」で訓練、「月10万円」給付される可能性がある、求職者支援制度ってどんな制度?
配信日: 2023.05.25
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
求職者支援制度の概要
求職者支援制度とは、無料の職業訓練と就職のサポートを受けられる国の制度です。離職されている方だけでなく、在職中の方も働きながら本制度を受けることが可能になっています。通所手当(交通費)も支給されるため、お金がない方でも安心して利用できる制度です。
求職者支援制度の対象となる方は、次のすべての条件に該当する方です。
・ハローワークに求職の申し込みをしている
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない
・労働する意思と能力がある
・支援を行う必要があるとハローワークが認めた
給付金を支給される条件
求職者支援制度を利用する方が一定の条件に該当すると、訓練中は月10万円の職業訓練受講給付金を受け取ることができます。具体的には、下記の条件をすべて満たすことが必要になります。
・本人の収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が30万円以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいるところ以外に土地と建物を有していない
・すべての訓練日に参加する(やむを得ない場合は8割以上の出席)
・同世帯の中に同時に本給付金を受給している人がいない
・過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
・過去6年以内に、職業訓練受講給付金の支給を受けていない
また、給付金だけでは生活ができないという場合は、労働金庫から求職者支援資金融資によって最大10万円の貸し付けも受けることができます。なお、給付金の要件を満たしていなくとも、求職者支援制度自体の対象になっていれば無料の訓練を受講することができます。
求職者支援制度で受けられる訓練の内容
求職者支援制度によって受けられる訓練の内容は、ITから一般事務、介護福祉に関するものなどさまざまです。一例としては下記のようなコースがあります。
・WEBアプリ開発
・広告・DTPクリエーター
・医療・介護事務
・OA経理事務
・ネイリスト養成
図表
出典:厚生労働省 求職者支援制度のご案内
訓練期間は2ヶ月から6ヶ月となっていますが、最短では2週間から、最長では2年間と訓練の内容によって期間が異なります。自身の希望するコースがどれくらいの訓練期間になるかも確認しておく必要があるでしょう。
求職者支援制度を受けるにはどんな手続きが必要?
求職者支援制度を利用するには、自身の住所地を管轄するハローワークで所定の手続きが必要となります。手続きは訓練の受講手続きと職業訓練給付金に関する手続きに分かれています。
訓練の受講手続きには、受講の申し込みだけではなく、面接や筆記試験といった訓練実施機関による選考手続きを経ることも含まれています。そのため、必ずしも希望する訓練を受けられるとは限らないことに注意してください。
また、職業訓練給付金の申請については事前審査を経ることが必要です。さらに、毎月支給申請の手続きも必要になります。どちらが欠けても給付金を受け取ることができません。特に毎月の支給申請については、訓練で忙しかったとしても、絶対に失念しないようにしてください。
給付金申請の手続きには運転免許証などの本人確認書類の他、ハローワークにて交付される各種書類、住民票謄本の写しなどの書類が必要になります。手続きや提出書類の詳細については申請先のハローワークにご相談ください。
スキルアップや就職は国の支援を受けて行うことができる!
求職者支援制度を利用することで、無料での訓練と給付金の支給という国の支援を受けながらスキルアップを実現することができます。もし、今キャリアアップを目指しているという方は、一度最寄りのハローワークに求職者支援制度について相談をしてみてください。
出典
厚生労働省 求職者支援制度のご案内 リーフレット
執筆者:柘植輝
行政書士