執筆者: 鈴木麻友子
期間工になると、日本を代表する自動車や自動車部品メーカーの工場で働きます。そのため危険・劣悪といった環境とは程遠い、安全で快適な環境で流れ作業を担う仕事です。今回は期間工に興味を持っている人に向けて、期間工として働くメリットを解説しますので仕事選びの参考にしてください。
期間工は直接雇用!派遣社員とは違う?
期間工を簡単に説明すると、3ヶ月、6ヶ月という具合に期間を定めて働く雇用形態のことです。期間を定めるという点で派遣社員と似ていますが、企業に直接雇用される期間工は、派遣会社に雇用される派遣社員とは根本的に異なります。派遣会社に支払うマージンがないため、給与面でも期間工のほうが派遣社員より優遇されていることから、「稼げる」と認識されているのです。
期間工で働く10のメリット
ここからは、知っておきたい期間工で働く10のメリットを解説します。10のメリットは次のとおりです。1.高待遇!真面目に働けば得られる手当に注目
2.寮完備!サラリーマン勤務よりお金が貯まりやすい!
3.学歴不問!応募へのハードルが低い
4.職歴を問われない?未経験でも応募できる
5.大手メーカーで働ける!福利厚生が充実
6.6ヶ月以上勤務したら有給休暇を取得できる!
7.契約期間満了なら待たずに失業保険がもらえる
8.短期から始められる!気軽に応募できる
9.正社員として採用される可能性も
10.人間関係のプレッシャーが少ない
ではそれぞれについてみていきましょう。
メリット(1)高待遇!真面目に働けば得られる手当に注目
期間工(期間従業員)で働くと、アルバイトでは考えられない高待遇に驚かされます。期間工としての給料は、日給で換算すると1万円以上、月給なら25万円~35万円も珍しくありません。その理由はサラリーマンもうらやむ、さまざまな手当が加算されるためです。手当の例をあげると、次のとおりです
●入社祝い金
●満了慰労金・皆勤手当
●経験者手当
真面目な働きぶりがお金できちんと評価されるのが期間工です。
メリット(2)寮完備!サラリーマン勤務よりお金が貯まりやすい!
期間工を確保するために、ほとんどの企業が寮が完備されています。格安費用で家賃を負担する場合もありますが、家賃が無料というケースが多い点です。住む場所のために家賃を支払う必要がない点は、とても大きなメリットといえます。期間工として働いている間は、家賃相当分を貯金へまわすといいでしょう。短期間でまとまった金額を貯金できます。水道光熱費も無料のケースがほとんどなうえに、TVや冷蔵庫、エアコン、洗濯機、寝具といった生活必需品も無料の場合が多いのも見逃せません。離れた土地で新生活を始めやすいのもメリットです。
しかも企業によっては食費の補助が出る場合もあり、生活費の出費をおさえられます。
メリット(3)学歴不問!応募へのハードルが低い
期間工の求人をみると、学歴や経験、特別な技能を求められないことがわかります。18歳以上で義務教育を修了しており、就学してないことが応募条件です。そのため現在無職やニートでも期間工になれます。ただし期間工は自動車や自動車部品工場で勤務するため、体力は必要です。健康診断の結果、問題視されるような病気・ケガがないことが大前提といえます。
メリット(4)職歴を問われない?未経験でも応募できる
期間工の募集は、基本的に未経験歓迎です。職歴を問われない点は、新生活をすぐにスタートさせたい人にとって応募へのハードルが低くメリットといえます。 工場勤務でしっかり担当の流れ作業をこなせる体力があることが前提条件なので、 職歴を提示できない無職の人も応募してみましょう。メリット(5)大手メーカーで働ける!福利厚生が充実
期間工のメリット以上に魅力といえるポイントです。日本を代表するトヨタや日産などの大企業から直接雇用されると、気持ち的にずいぶんと余裕が出ます。ブラック企業ではないので働く環境も安全で快適なうえ、福利厚生の充実ぶりも見逃せません。健保組合が運営している保養施設の使用、社会保険や雇用保険、労災、どれをとっても満足のいく内容の場合が多く、期間工はおすすめの仕事といえます。
さらに大企業の期間工求人が充実しているため、中小企業の求人条件も改善されるという好循環が生まれている点もメリットでしょう。
メリット(6)6ヶ月以上勤務したら有給休暇を取得できる!
6ヶ月以上勤務すると、有給休暇の取得が可能です。有給休暇とは、文字通り「有給」で休める、つまり賃金が減額されない休暇のことです。有給休暇を取得できるようになったら、休暇を利用して健保組合が運営している保養施設やスキー場・プールに遊びにいく、といった使い方ができます。収入が減る心配をしないで、心身の疲労を回復させリフレッシュできるのはメリットです。メリット(7)契約期間満了なら待たずに失業保険がもらえる
期間工として1年以上勤務して退職すると、待機期間なしで失業保険を受給できます。失業保険は1年間雇用保険に加入すれば支払われるためです。期間工の退職は、契約期間の満了による場合がほとんどです。そのため自己都合による退職と異なり、3ヶ月の待機期間なしに失業保険を受給できます。契約満了で期間工を辞めてすぐに仕事が見つからなくても、当面の生活費を確保できるので安心です。メリット(8)短期から始められる!気軽に応募できる
期間工の契約期間は、一般的に3ヶ月、半年、1年です。短期間から始められるので、自分に合った期間を選んで気軽に応募できます。期間を限定して、集中的に稼ぎたい!そのような願いがかなうのが期間工のメリットです。初めての製造工場勤務で、仕事についていけるか不安な人も、3ヶ月なら頑張れるでしょう。なお、入社してしまうと契約期間を変更できません。
メリット(9)正社員として採用される可能性も
期間工として真面目な勤務態度で働いていると、正社員登用への道が開ける可能性があります。期間工として働ける期間は、最長で2年11ヶ月です。満期をむかえ期間工としての契約が終了するタイミングで正社員登用の話になることも。正社員登用試験に合格する必要があり正社員に必ずなれるわけではありませんが、日本を代表する企業の正社員になれる可能性がある点は、期間工として働くメリットです。
メリット(10)人間関係のプレッシャーが少ない
期間工の仕事は、上下関係への気遣いもごく限られた範囲のみです。そのため人間関係をうまくやっていくプレッシャーが少ない点もメリットです。「◯◯さんとうまくつきあわなくては」という、わずらわしさから解放されます。オートメーション化された工場内で担当している工程の作業に集中していれば、いつの間にか仕事は終わるのです。従業員同士がチームを組んで企画に取り組むといった複雑なプロジェクトはありません。人間関係があまり得意でなくても、働くことに集中できる点で期間工は働きやすい仕事だといえるでしょう。
年齢が40代・50代でも転職できる?
若くて勢いのある20代だけでなく、30代、40代の人でも期間工の仕事は可能です。ただし特に40代以降になると、健康不安を抱える傾向があります。入社にあたって実施される健康診断のほうが、面接を通過するよりハードルが高い場合も。血糖値や肝機能に異常があると、工場勤務に必要な体力がないとみなされる場合があります。手足や腰に問題を抱えているのに申告せずに採用されても、悪化させて働けなくなると信用を失うことになるだけで、誰もトクをしません。
年齢が高くても、過去に期間工として同じ企業で契約を満了していると、有利に採用される可能性は高いです。
未経験でもガッツリ稼ぎたいなら期間工を検討しよう
働くことに専念できる環境を企業が整えてくれるのが、期間工の仕事の実態です。家賃・光熱費無料で、ひと通りの家電製品がそろった寮が用意されているほか、食費の補助をしてくれる企業もあります。体力は求められますが、学歴も経験も高度な技能も求められません。日本を代表する自動車・自動車部品メーカーに直接雇用されるため、充実した福利厚生を受けられるほか、真面目に働けば手当も支給されます。期間を定めた雇用契約のため、将来に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし空き時間を利用して、スキルアップを目指して勉強することも可能です。正社員登用の道も開かれているため、チャレンジしがいのある仕事だといえるでしょう。