執筆者: FINANCIAL FIELD編集部
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一口に「製造業」といっても、実は多種多様な業種・職種があることをご存じでしょうか。世界中で知られている大手メーカーも製造業であり、数人で稼働させている小さな町工場も製造業であると考えると、実に多様な働き方があるとわかります。
本記事では、「製造業」の基本について詳しく解説します。特に、どんな業種・職種があるか掘り下げて解説するので、今後製造業への就職・転職を検討中の人は参考にしてみましょう。
製造業とは?
製造業(別名:メーカー)とは、素材を加工・組立して製品として販売する業態を指す言葉です。「第二次産業」と呼ばれることも多く、主に下記の種類に分かれます。製造業の種類(1)素材系
「素材系」の製造業では、紙・金属・鉄鋼・繊維・ガラス・布・化学薬品など商品の「元」となる素材を製造します。例えば、紙を作る素材系メーカーの場合、紙の元である木材から繊維を取り出し、クリーニングや漂白をして繊維をまとめ、紙の形にしていきます。
素材系に特化した製造業の場合、その後の加工・組立は実施しないことが多いです。あくまでも原料を販売することで収益を確保しているので、オーダーメイドでの対応はほとんどありません。
製造業の種類(2)加工・組立系
「加工・組立系」の製造業では、素材系メーカーから仕入れた原料を使って製品を生産していきます。例えば紙製品を作る加工・組立系メーカーの場合、紙を扱う素材メーカーから紙を仕入れ、段ボールや本などの形に加工していきます。鉄鋼の場合は建築資材に加工、繊維の場合は服・靴・かばんに加工など、さまざま形態に対応するのが特徴です。
実際には「サプライヤー」と呼ばれる階層が構築されていることが多く、加工範囲が限定的な製造業もあります。
製造業の種類(3)自社生産系
「自社生産系」の製造業では、自社で素材づくりから加工・組立まで全てを担当します。特に医薬品関連のメーカーに多く、自社で研究して有用だと認められた素材を使って錠剤や薬剤を生産していきます。企画・開発・研究からダイレクトに製造まで担当できるのが強みであり、仕入れを気にすることなく生産に着手できるのがメリットです。その分求められる資金力が大きくなるため、大企業に多い形態ともいえます。
製造業の業種一覧
次に、製造業の業種を解説します。自動車メーカーから食料品メーカーまで多種多様な製造業について理解し、どんな分類がされているのか確認してみましょう。図表1 製造業の業種一覧
製造業の業種 | 主な製造品 |
---|---|
食料品製造業 | 畜産食料品・水産食糧品など |
飲料・たばこ・飼料製造業 | 清涼飲料水・茶・酒類など |
繊維工業 | 製糸・紡績・染色・ねん糸など |
木材・木製品製造業 | 木製品・合板など |
家具・装備品製造業 | 家具・宗教用家具・建具など |
パルプ・紙・紙加工品製造業 | パルプ・紙・紙容器など |
印刷・同関連業 | 印刷・製版・製版印刷・印刷サービスなど |
化学工業 | 化学肥料・化学繊維・洗剤・塗料・医薬品など |
石油製品・石炭製品製造業 | 石油・潤滑油・コークス・練炭・舗装材など |
プラスチック製品製造業 | プラ板・合成皮革・発泡プラなど |
ゴム製品製造業 | タイヤ・ゴム・工業用ゴムなど |
なめし革・同製品・毛皮製造業 | なめし皮・革製品・かばんなど |
窯業・土石製品製造業 | ガラス・セメント・陶磁器・耐火物・研磨剤など |
鉄鋼業 | 製鉄・鋼材・鋳物など |
非鉄金属製造業 | 電線・ケーブルなど |
金属製品製造業 | ブリキ・暖房・配管・金属プレスなど |
一般機械 | 農業用機材・建築用機材など |
電気機械器具製造業 | 家電・電気照明器具・電子応用機器など |
輸送用機械器具 | 自動車・鉄道車両・飛行機・船舶・バイクなど |
精密機械器具 | パソコン・医療用機械・レンズ製造品・時計など |
武器製造業 | 銃・砲・弾薬・特殊装甲車など |
その他 | 楽器・貴金属・文具・ボタン・漆製品など |
上記の通り、製造業は多種多様な製品を製造していることがわかります。この世にある全ての品物は製造業が生み出していると考えれば、多彩な業種がある理由も見えてくるでしょう。実際には「電気機械器具も精密機械器具も製造している」など、枠に縛られない製造をしているメーカーもあります。
製造業の職種一覧
製造業には、業種だけでなく職種の分類もあります。「製造業にいる人=工場勤務」とも限りません。例えば、人事や総務のように、製造業以外でも必要な事務職として就職している人も多いです。下記では、製造業で必要な職種を紹介します。製造業の職種(1)生産技術部門
「生産技術部門」は製造業の核となる職種であり、工場での製造を担います。専門資格が必要な技術職から、軽作業や運搬を担うサポート役まで、実際の担当部門はさらに細分化されているのが特徴です。いわゆる「現場の人員」であり、生産管理部門との関わりも密接です。
企業によっては、大量の生産を担うため期間工やパート・アルバイトを積極的に募集していることがあります。製造業のなかでは特に人員数の多い職種であることもポイントです。
製造業の職種(2)生産管理部門
「生産管理部門」では、生産量やスケジュールの管理を主に担当します。いつまでに、どの工場で、どの製品を、どれくらいのペースで作り上げるかを緻密に計算することが多く、場合によっては原料の仕入れ・保管も担当します。製品を遅滞なく取引先に届け、かつ機会損失なく収益を確保できるよう動きます。
また、人事部門と連携しながら生産技術部門の人員を確保することもあります。ハードとソフトの両面から生産管理する技術が求められ、生産技術部門から異動してくる人も多いです。
製造業の職種(3)商品企画部門
「商品企業部門」とは、自社で開発する商品について企画・分析する部門であり、経営管理職やマーケティング職などに細分化されます。ときには会社の経営層と同じ立場で戦略を練ることもあり、多角的な視野と高度な市場分析能力が求められます。企業によっては外部に顧問コンサルタントを置き、アドバイスをもらっていることもあるのでチェックしておきましょう。反対に全て自社オリジナルのアイディアで完結させる企業もあるので、企業ごとの違いが表れやすい部門でもあります。
製造業の職種(4)研究開発部門
「研究開発部門」とは、素材や商品の有用性について研究・開発する部門であり、医薬品メーカーなどに多いです。その他、パソコンやスマートフォンなど時代ごとの最先端技術をフル活用するメーカーにも研究開発部門が多く設置されており、日進月歩で進歩する技術に対応しようとしています。そのため、ラボや実験室など特殊な設備を設けている企業も多いです。産業界(民間企業)、学校(教育・研究機関)、官公庁(国・地方公共団体)が連携する「産学官」が徹底されるなど、新たな取り組みも始まっています。
製造業の職種(5)品質管理部門
「品質管理部門」では、主に製造した商品が指定の規格を満たしているかなど、納品物のクオリティーを確認しています。常に一定の質を保証するためにチェック手順を考案して、製品不良やリコールなどがあれば即座に対応するのも特徴です。特に自動車メーカーや医薬品メーカーなど人命に関わる製造業の場合、ほぼ間違いなく品質管理部門を設置しています。ブランディングにも左右する重大な職種であるといえるでしょう。
製造業の職種(6)営業部門
「営業部門」では、顧客の新規開拓や既存顧客への継続営業を担当します。取引先との窓口となることが多いため「会社の顔」と呼ばれることも多く、顧客と密接な信頼関係を構築するのが特徴です。そのため、コミュニケーション能力の高い人が配属されることが多く、相手の心理を見抜く力や高いプレゼンテーション能力も求められます。成果次第ではインセンティブ給が付与されることもあり、定量評価されやすい職種ともいえます。
製造業の職種(7)広報・宣伝部門
「広報・宣伝部門」では、自社製品の認知度を高めて新規顧客を獲得しやすくしていきます。営業部門や商品企画部門と連携することも多く、部門横断型のコミュニケーションが発生しやすいのも特徴です。近年はテレビCMや新聞広告だけでなく、SNS広告やWeb広告も主流になっていることから、常に新しいトレンドを見極める力が要されます。大企業では、自社専属のデザイナーやライターを置いていることも多いので、製造業の多職種制が伝わります。
製造業の職種(8)バックオフィス部門
人事・総務・労務・法務・経理など、「バックオフィス部門」も必要です。主に会社を裏から支える存在であり、企業経営がスムーズに進むよう対策するのが主な仕事となっています。例えば人事の場合、「いかに優秀な人材を採用するか」、「製造パフォーマンスを落とさない程度に十分な人数の採用ができるか」など、多角的に課題と向き合う必要があります。
メーカーは機械や危険物を扱うことも多く、危機管理対策や労災手続きが多いのも特徴です。万が一のトラブル発生時でも、信頼できるバックオフィス部門があれば手厚いサポートを受けられます。
製造業の職種(9)その他部門
庶務課・秘書課・情報システム課など、その他の部門も存在します。自社専属のエンジニアがいたり、業務委託で働くフリーランスの多い会社だったりする場合、さらに部門が細分化されます。大企業であればあるほど部門の数も多くなるので、就職・転職の際は組織形態にも目を配ってみましょう。
製造業で働くメリット
ここからは、製造業で働くメリット・デメリットを解説します。まずは製造業が安定の人気を得る秘訣(ひけつ)ともなっている「メリット」の部分からチェックしていきましょう。製造業で働くメリット(1)未経験からでも確かな技術を習得できる
製造業は未経験歓迎求人を出していることが多く、勤続年数を積み重ねるとともに初心者でも確実な技術力を習得できます。人材研修・育成に力を入れている企業も多いので、場合によっては実務をしながら勉強を進めて資格を取得できるなど、個人のキャリアアップにつながるのもうれしいポイントです。「手に職をつけたい」、「食いっぱぐれない資格がほしい」という人には最適です。
製造業で働くメリット(2)学歴・職歴が重視されにくい
製造業では技術や知識が重視されることが多い一方、学歴・職歴はあまり重視されません。中卒・高卒でも実務経験があり、高い技術を持っている人であれば積極的に採用してもらえます。また、無職期間が長いなどブランクがあっても、その時代で重宝される技術があれば書類審査にも通過できるでしょう。
「いまさら大手企業に就職できるわけがない」と思っていても、製造業であれば転職できる可能性が高いです。実力主義の業界だからこそ、諦めずにキャリアアップしていきたい人に最適です。
製造業で働くメリット(3)高収入を目指せる
夜勤をこなしたり資格を取ってマネジメント側に回ったりできれば、高収入を目指せます。メーカーは工場が24時間体制で稼働していることも多く、夜勤に入れば通常の給与に夜間手当が追加されます。万が一休日返上で働いたとしても、その分休日出勤手当がつくので思いのほか高額が稼げることもあるでしょう。
また、大手メーカーでは期間工を募集していることもあり、短期間で高収入を得ることができます。その会社が気に入れば正社員採用を目指すなどフレキシブルなキャリアプランを作れるので、製造業に興味のある人は期間工から始めてみてもよいでしょう。
製造業で働くメリット(4)福利厚生が充実している
24時間稼働していることの多い製造業では、工場に社員食堂が整備されていたりリフレッシュに使える福利厚生が充実していたりすることがあります。フィットネスジムを割引価格で使える、社員食堂での食事がほぼタダ同然で提供される、など金銭的に助かることも多いでしょう。他にも、独身寮や家族寮が整備されていて、寮から工場まで送迎用のマイクロバスが出ていることもあります。家族向けの福利厚生もあれば、家族から転職を応援されることも多いです。
健康保険への加入など最低限の福利厚生以外は、企業ごとのカラーが大きく表れます。福利厚生で比較しながら応募先の優先順位をつけるなど、工夫した転職活動にすることがおすすめです。
製造業で働くメリット(5)年間休日が多い
製造業は体力勝負の仕事だからこそ、年間休日が多めに確保されています。 休日に心身ともにしっかり回復させたり、外で遊んで気持ちをリフレッシュできたりすれば、オンオフの切り替えがはっきりするのもメリットです。家族や友人と過ごす時間も多くなる他、場合によってはシフト制で平日休みが取れるのでワークライフバランスが整うこともあるでしょう。
その分、出勤中は体力仕事でつらかったり、ときには残業や休日出勤が求められたりすることもあります。その分は有給休暇や休日出勤手当でカバーできるので、メリット・デメリットどちらも理解したうえで転職を決めましょう。
製造業で働くデメリット
製造業には多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。「製造業に転職するべきではなかった」と後悔しないよう、事前にデメリットも理解しておきましょう。製造業で働くデメリット(1)力仕事で体力が削られる
製造業の現場で働く場合、重い部品を持ち上げたり無理な姿勢で溶接をしたりすることが多くなります。作るもの次第では厳しい温度・湿度管理が求められることもあり、冷蔵庫のような寒い場所で作業したり、湿度の高い場所で1日過ごしたりすることもあるでしょう。慢性的な腰痛・肩こりも起きやすく、体力のない人にはきつい仕事です。労働環境は企業によりさまざまで、入社してみないとわからないと感じる人も多いでしょう。事前の説明会で質問したり口コミを調べたりしながら、ミスマッチの少ない会社に入社するのが理想です。
製造業で働くデメリット(2)変則的な生活リズムになりやすい
日勤と夜勤が交替制になっている場合、生活リズムが変則的になりやすいので注意が必要です。睡眠リズムが狂って十分な休息が取れないと、体調を崩したり自律神経が乱れてイライラしやすくなったりするのがデメリットです。家族がいる場合、「子どもと過ごす時間を確保できない」、「配偶者と休みが合わずなかなか出掛けられない」などワークライフバランスにも影響します。入社前に働く時間帯や交替のペースを確認するなどして、生活のシミュレーションをしておくことが大切です。
製造業で働くデメリット(3)けがや事故のリスクがある
製造業では大きな機械や刃のついた機材を使うことも多く、どうしてもデスクワークと比較してけがや事故のリスクが大きくなります。十分な労働安全衛生が徹底されている企業がほとんどですが、うっかりミスやちょっとした気のゆるみが重大な事故につながることもあるので、初心者でも経験者でも油断することはできません。
ときには、「自分にこんな大きな機械を扱えるだろうか」、「危ない仕事はやめたほうがいいかも」と自信をなくしてしまう人もいます。研修の手厚い企業を選ぶなど、対策しておきましょう。
製造業が向いている人
製造業へ転職する前に、まずは製造業との相性を確かめておくのがおすすめです。下記では製造業に適性のある人ならではの特徴を解説するので、参考にしてみましょう。製造業が向いている人(1)集中力が高い人
集中力が高く、目の前の仕事を間違いなくコツコツと進められる人は製造業向きです。 製造業では誰が担当しても製品のクオリティーを一定レベルに統一できるよう、厳しいマニュアルが設けられていることが多いです。そのため、マニュアルを確認しながら集中して仕事を進められる人であれば、年齢問わず重宝されます。反対に、自己流かつ自分の判断だけで仕事を進めたい人は、あまり製造業向きではありません。1人あたりの裁量は少ないので、むしろルールの範囲内で動きたい人に最適です。
製造業が向いている人(2)ルーティンワークが好きな人
ある程度決められた仕事をこなすことの多い製造業では、ルーティンワークが得意な人が活(い)きてきます。「同じ作業でも全く飽きない」「単純作業のなかでも、効率良くできる工夫を見つけるのが好き」という人であれば、流れ作業でも嫌になることがありません。刺激が少ないように感じるかもしれませんが、その分フラットな精神状態で働けるので、急な自己判断が苦手な人とも相性が良いでしょう。
製造業が向いている人(3)接客など密なコミュニケーションを避けたい人
接客など、不特定多数と密なコミュニケーションをするのが苦手な人は、思い切って製造業に飛び込むのがおすすめです。製造業でも高いコミュニケーション能力が求められますが、相手は基本同じ職場の仲間や上司に限定されるため、相手のキャラクターに合わせてコミュニケーションを取るなど自分なりの工夫ができます。信頼関係を構築しておけばどんどんコミュニケーションも楽になっていくので、長期間働きやすい環境ともいえるでしょう。
ただし、製造業にも営業職のようにフレキシブルな対応が求められる職種が存在します。どの部門に配属されるか次第で相性は大きく異なるので、特定部門の求人にだけ応募するなど工夫が必要です。
製造業が向いている人(4)長く勤続したい人
製造業は、「条件が良い会社が見つかり次第どんどん転職してキャリアアップしたい」という人より、「ひとつの会社に長く勤めあげてコツコツとキャリアアップしていきたい」という人に向いています。勤続年数に合わせて報奨金がもらえたり、長く働いた人ほど退職金が多くなるシステムが採用されていたりすることが多く、働き続けるモチベーションにつながっています。
そのため、腰を据えて長く働ける人は製造業に転職するのがおすすめです。製造業は安定性が高く、常にニーズのある業界であるため急な倒産なども起こりにくいともいわれています。最後の転職先として検討することもできるので、情報収集していきましょう。
製造業への転職を成功させるコツ
最後に、製造業への転職を成功させるコツを解説します。どのような自己アピールをすれば書類選考や面接に通過しやすいか知っておけば、早く内定を確保できます。製造業への転職成功のコツ(1)勉強意欲をアピールする
製造業では、どんな職種でも「絶え間なく学び続けること」が求められます。学歴や職歴が重視されない一方、知識や技術力が重宝される傾向にあるため、年齢問わず自分の手に職をつけていくのがキャリアアップのポイントとなるでしょう。
最初は誰もが未経験からのスタートですが、勤続年数を重ねるにつれて技術力を伸ばしてくれそうな人であれば、面接時の印象も良くなります。
できれば、難しいことにチャレンジした経験や自分の努力で何かを学んだ経験をアピールするのがおすすめです。「ハングリー精神旺盛な人だな」と評価してもらえれば、内定がグッと近づきます。
製造業への転職成功のコツ(2)転職する目的や理由を可視化しておく
中途採用であれば、「なぜ転職を決めたのか」はほぼ必ず聞かれる質問です。今の会社に不満があって転職を検討する人がほとんどですが、面接で現職(退職済みの場合は前職)の不満ばかり伝えるのは避けましょう。どんなに正当性のある理由でも悪口のように聞こえてしまい、心証を悪くします。できる限りポジティブな理由に変換し、前向きに転職しようとしている姿勢を示しましょう。
また、数ある業種のなかでもなぜ製造業を選んだのか、そのなかでもなぜその会社に応募したのかまで可視化できれば、説得力のある志望動機が作れます。自信がないときは転職エージェント等も活用しながら、自分のキャリアに対する目的意識を文章にするのが近道です。
製造業への転職成功のコツ(3)条件面だけに捉われない
製造業は福利厚生・給与・待遇が良い会社が多く、条件だけで比較するとかなり良い求人に見えることが多いです。実際に条件面を重視して製造業に転職した人も多いですが、それだけを考えてしまうのはリスクとなるため止めましょう。「給料はいいけれど非常に激務でメンタルを病んでしまった」、「福利厚生が整っているけれど仕事にやりがいがなく、毎日の出勤がつらい」ということになりかねません。
まずは、自分がその仕事内容に興味を持てるかが大切です。そのうえで今より良い条件でのキャリアアップ転職になるか条件面を比較し、応募先を絞り込んでいきましょう。
製造業への転職成功のコツ(4)早めに転職活動を始める
製造業は年齢・学歴・職歴問わず転職しやすい業種といわれていますが、少しでも早い段階で動き始めると成功しやすいのも事実です。例えば、完全に同じ条件で応募してきた20代と50代とがいた場合、長い目で教育・研修の効果を見たときのことを考えると20代の方が有利になります。年齢が高いほうの人に「製造業での実務経験が20年以上ある」、「即戦力になりそうな経験と資格がある」など強いアドバンテージがあれば問題ありませんが、条件が同一だったときはどうしても不利になるため注意しましょう。
つまり、なるべく若いうちに製造業に転職し、経験と知識を蓄えておくことが重要です。いざ転職しようとなったときすでにチャンスを逃した後だった、ということにならないよう、なるべく早めに転職活動を始めましょう。
製造業への転職成功のコツ(5)転職エージェントやスカウトサービスを活用する
転職エージェントは、求職者の適性や理想に合わせて合致する条件の企業を紹介してくれるサービスです。 製造業転職に強いエージェントであれば、どの企業がどんな体質なのか、どんな仕事内容で離職率がどの程度か、など細かな情報も教えてくれます。自分1人で転職活動するより効率が良く、入社後のミスマッチも避けられるのがメリットです。また、自分の履歴書・職務経歴書やプロフィールを登録し、スカウトを待つスカウトサービスも存在します。現職が忙しくてなかなか転職活動に時間を割けない人や、「条件の良い会社であれば転職を検討したい」など緊急性がない場合は、スカウトサービスを使うのもおすすめです。
製造業の職種まとめ
製造業には多種多様な業種・職種があり、「メーカー」として一言でまとめられるとは限らないのが現状です。どんな製品を製造しているのか、どんな仕事を担当することになるか次第で、相性や適性も大きく変化します。今後製造業への転職を検討している場合、求人要綱や口コミにしっかり目を通しておくことをおすすめします。「製造業だから安心」、「製造業はつらすぎる」とまとめて判断しないようにすれば、思わぬ天職が見つかるかもしれません。
出典
総務省 日本標準産業分類執筆者:FINANCIAL FIELD編集部