年収に対する貯蓄の割合、何%以下だと浪費家?
配信日: 2021.04.12 更新日: 2024.10.10
年収に対する貯蓄と浪費の割合は、どれくらいが適正なのでしょうか。貯蓄と浪費について一度考えてみましょう。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年間の貯蓄額が10%を下回ると浪費家!?
松井証券株式会社が実施した「老後資金に関する調査」によれば、「年収の貯蓄割合に関して、あなたが思うそれぞれの言葉の定義について教えてください。」という問いに対して、浪費家の定義が「10%以下」の貯蓄をしている人との回答でした。対して貯蓄家といえるのは年収の「30%以上」を貯蓄している人、「11%から29%」の貯蓄で一般的という結果になりました。
年収の10%以上の貯蓄は、あなたにとってほんとに適正?
多くの方が、年間の貯蓄額が年収の10%以下の場合は浪費家に当たる考えているとはいえ、実際にそれを達成できるかどうかは別問題です。なぜなら、年収によって10%の金額を貯蓄することの難易度が異なるからです。
例えば、年収300万円の人が30万円を捻出するのと、800万円の人が80万円を捻出するのでは、年収の10%の金額に対する重みが全く異なると考えれば容易にご理解いただけるでしょう。
また、家族構成によっては浪費をしていなくても貯蓄が年収の10%以下になっていることは少なくありません。例えば、先に挙げた年収300万円の人が高校生の子を養育している場合、年間貯蓄額が30万円以下であっても浪費しているとは言い切れないでしょう。
そう考えると10%という数値はあくまでも1つの目安となる数値であり、一概にこの数値のみをもって浪費家と決めつけるのは早計です。
重要なのは浪費家といわれる10%以下という数値にとらわれることなく、消費額を現在の収入と家族構成などに応じた数値に落とし込むことです。年間の収支を一度見直して、収入と固定費や養育費など絶対に必要な支出を基に、最低限の貯蓄額を考えてみてください。現実の貯蓄額が、その想定額を下回っていれば、浪費家と呼ぶのに近い場所に位置しているのかもしれません。
年収の10%以上の貯蓄を目指すには?
年間の貯蓄額が少ないと感じるのであれば、まずは無駄な支出を減らすところから始めましょう。
例えば外食を減らして自炊の頻度を増やす、コンビニの利用頻度を減らす、節水節電などを意識するといった少しの努力で余計な支出を減らすことができます。
ただし、支出を減らすには限界がありますし、生活レベルを落とすことによって大きなストレスを感じたり、周囲との付き合いに影響を及ぼすことも想定されます。
であれば、支出を削るだけでなく収入を増やす努力もしておくべきです。昇進を目標にしたり、転職する、資格を取得するといった前向きな方法で収入アップを目指すのです。その他にも副業を始めてみるというのもよいでしょう。
貯蓄は年間収入の10%超えを目標に
今回参考にした調査結果においては、年間の貯蓄額が収入の10%以下の場合は浪費家であると多くの方が回答しているものの、10%という数値はあくまでも目安です。
貯蓄は無理のない範囲で行うのが理想です。収支を確認し、無駄が多いと感じるのであれば、その無駄を省いていくことで年収に応じた適切な貯蓄を行っていくことが可能になります。
その上で収入をアップさせることができれば、より無理なく貯蓄を増やすことができるようになります。浪費家となってしまわないよう、これを機に一度収支を見直してみてください。
出典 PR TIMES <世代別の老後資金に関する実態を発表>年収に対する貯蓄の割合、10%以下は「浪費家」、30%以上は「貯蓄家」と認定!
執筆者:柘植輝
行政書士