更新日: 2021.05.18 家計の見直し

年収400万円、ひとり親、赤字家計! どうしたら改善できる?

執筆者 : 柴沼直美

年収400万円、ひとり親、赤字家計! どうしたら改善できる?
年収400万円のAさんは、離婚して幼稚園に通う子どもと2人で暮らしています。収支はほぼ毎月赤字、足りない分は貯金でまかなっています。赤字改善対策として、何から始めていけばよいのかについて考えてみましょう。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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30代前半女性の平均賃金は24万6800円

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況(※1)」によれば、30~34歳女性の平均賃金は24万6800円、35~39歳は25万8500円となっています。
 
一方で、母子世帯と標準世帯の1ヶ月平均実収入および消費支出の推移でみると、1ヶ月あたり消費支出は、19万1309円(平成16年が最新)となっています(※2)。
 
これだけを見ると、貯蓄は難しいにしても、計算上はなんとかしてやりくりできることになります。
 
ただ、現実的には収入は固定化されている一方で、子どもの学校関連や課外活動に伴う臨時支出などが発生しがちで、ともすれば膨らみがちです。ここをどう管理していくかが重要になります。
 

情報収集を怠らず、給付金制度を活用する

赤字を解消するには、収入を増やすか支出を減らすかの二者択一になります。
 
ただ、こういったケースではすでに相当切り詰めて家計管理をしているでしょうし、支出を減らすのには限界がありますので、収入を増やす方法を探っていきましょう。最も現実的なのは、給付金制度を活用することです。
 
1つめは、児童育成手当(児童手当・障害手当)です。
離婚などでひとり親になった場合も該当し、月額1万3500円(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童を扶養している父・母または養育者に支給されます)です。
 
2つめは、児童扶養手当です。
離婚などによりひとり親家庭になった児童のために自治体から支給されるもので、子どもが1人の場合、所得が低く全部支給に該当すれば月額4万3160円、所得によって一部支給となった場合は月額4万3150円~1万180円(令和2年4月~)となります。物価やそのほかの状況によって変動します。
 
3つめは、医療費助成制度で、ひとり親家庭の父・母または養育者と児童を対象として、医療機関で受診したとき、保険診療の自己負担分の一部が助成されるものです。
 
これらは、所得の状況によって変わりますので、必ず地元市区町村の窓口で自分のケースについて確認しましょう。
 

情報収集の感度を磨いて特殊な状況での給付金制度も見逃さない

さらに2021年5月現在、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)として、一律児童1人あたり5万円の支給が受けられます(※3)。
 
2021年4月分の児童扶養手当を受けている世帯、あるいはコロナ禍で家計の状況が急変し、児童扶養手当を受給している人と同じ状況になった人が対象となっていますので、問い合わせてみるとよいでしょう。
 
このような制度については、所得制限など条件があります。またコロナ禍による特別な支援制度が設けられる場合もありますので、こまめな情報収集と地元の市区町村の窓口に相談するフットワークが必要になります。
 
(※1)厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
(※2)総務省統計局「4 母子世帯の家計」
(※3)厚生労働省「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)について」
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者