共働き世帯の約半数の男性会社員が「小遣い制」。資産形成における小遣い制のメリットとデメリットは
配信日: 2022.06.20 更新日: 2024.10.10
本記事では民間企業の資料をもとに、共働き世帯の給与管理の現状と小遣い制のメリットとデメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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共働き世帯の給与管理
共働き世帯なら、家計はある程度お互いが自主性を持って管理するところが多いかと思われがちですが、実態は異なります。
新生銀行グループの資料では48.8%、マイナビウェディングの資料では47.4%の世帯が「妻が管理し、夫は小遣い制」と回答し、夫が管理している世帯はいずれの資料でも25%未満です。
また、専業主婦がいる世帯でも「妻が管理し、夫は小遣い制」と回答したのは6割前後のため、妻がメインで家計を管理している状況は変わりません。
小遣い制のメリット
小遣い制を採用する世帯が多いのは、以下のメリットがあるためだと考えられます。
家計管理がしやすい
一人のほうが家計管理がしやすいです。夫婦で協力して家計管理をしようとしても、お互いの価値観は多少異なります。どこかで妥協点を話し合いますが、ときには平行線に終わることもあるでしょう。
家計管理による夫婦喧嘩を防ぐためには、片方に任せる小遣い制は合理的ともいえます。
無駄遣いを防止できる
小遣い制にすると、無駄遣いを防止できるメリットもあります。お酒、ギャンブル、後輩への奢りなど、自由にお金を使えることで散財してしまう人もいるでしょう。
小遣い制にしてクレジットカードの利用も制限すれば、小遣いの金額以上に無駄遣いされることはありません。金遣いが荒い人には有効です。
小遣い制のデメリット
一方で小遣い制にはデメリットもあります。短期的には資産形成ができても、長期的には資産形成にマイナスに働く場合もあるため注意しましょう。
昇給へのモチベーションが落ちる
例えば、小遣いを毎月3万円などと金額で指定し、昇給や昇進をしても全く変動しない小遣い制の場合、働くモチベーションが落ちる人は多いでしょう。
「子どもの笑顔のため」や「愛する人のため」と考えたとしても、自由に使えるお金が増えることは、仕事への大きなモチベーションになるはずです。
仕事の成果がお小遣いという報酬に連動しないなら、「現状維持でいいや」と思う人もいるでしょう。現状維持では給料が上がらないばかりか、リストラや降格など給料が下がる可能性もあります。
夫が家計に無頓着になる
資産形成は貯金だけではありません。金融リテラシーを高め、貯金の一部を投資に回していく取り組みも必要です。つみたてNISAやiDeCoは資産形成を助ける国の制度であり、1人1口座しか開設できません。
いずれは夫婦双方が資産形成について考え、お互いが協力していくタイミングが訪れます。小遣い制を続けると夫が家計に無頓着になり、資産形成のために通信費や保険料の見直し、つみたてNISAやiDeCoの開設を提案しても、協力が得られない可能性があります。
夫婦が協力できなければ資産形成も後回しになり、まとまったお金が必要になったときに資産が足りない事態に陥るかもしれません。
夫婦で協力してお互いが資産形成への意識を持とう
貯金だけでは資産形成が十分にできない現在では、長期的な資産形成は夫婦の協力が必要です。小遣い制は短期的な資産形成として有効ではありますが、問題の先送りに過ぎないと考えます。
夫婦双方が家計について話し合い、お互いの価値観をすり合わせて長期的な資産形成への意識を持ちましょう。
出典
株式会社新生銀行 「2021年サラリーマンのお小遣い調査」結果について
マイナビウェディング 結婚後のお金の管理、みんなどうしてる? プロに聞いたやりくり上手になるコツ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部