「タンス預金」が税務署にバレてしまうのはなぜ?税務調査の対象となる原因とは?
配信日: 2023.09.11 更新日: 2024.10.10
しかし、ためておくお金の内容によっては、大きな問題につながることも。さらに、タンス預金の金額が大きくなるほど、税務署にバレてしまうおそれがあります。
そこで今回は、タンス預金が税務署にバレる理由についてと、問題となるタンス預金について、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
「タンス預金」自体は悪いことではない
自宅でこっそりお金をためておくというイメージが強い「タンス預金」ですが、自分のお金を、家で保管しようと銀行に預けようと、本人の自由ですので問題はありません。
ここでのポイントは、申告して「納税」しているか否かです。税の申告漏れになるケースには、以下のものがあります。
●課税対象となる金額以上の個人収入を、タンス預金にして保管している
●タンス預金分を相続税に申告しない
タンス預金でお金を保管していることで、「脱税」にあたる場合は、税務署の調査が入る可能性がありますので注意しましょう。
「タンス預金」の存在が税務署にバレてしまう仕組み
「タンス預金」は、自宅で保管しているお金を指します。そのため「ほかの人には知られないのでは?」と、考える人もいるでしょう。
しかし「脱税」が疑われた場合には、税務署による調査の対象となることがあります。脱税が見つかる理由は、「国税総合管理(KSK)システム」の存在が関係しています。
「国税総合管理(KSK)システム」とは、全国の国税庁と税務署をネットワークで結び、国税債権などの情報を一元管理できるシステムです。このシステムは、税務調査や滞納整理などに役立てられており、国民一人ひとりの所得や財産などをおおよそ把握しています。
そのため、把握している所有財産と税の申告に大きな差があった場合には、脱税の疑いがあるとして、調査される可能性があるのです。
特に、一度納税されているお金や、銀行に預けていたお金は、取り引き履歴が残るため、相続の際に、タンス預金分を減らして申告するなどの行為は、税の申告漏れが発覚しやすくなっています。
タンス預金で脱税が発覚した場合は?
タンス預金で脱税が発覚した場合には、追徴課税などのペナルティーが発生する可能性があります。
追徴課税には、以下の2種類があります。
●加算税:適切に税の申告をしなかった人が支払う税金
●延滞税:期限までに納税しなかった人が支払う税金
税の申告漏れが発覚して、納税期間がまだある場合には、加算税のみが課せられます。加算税は、さらにいくつかの種類に分けられており、状況に応じて、課税割合が異なる仕組みです。
税金を減らそうとして、申告額を少なくすると、脱税とみなされて、余計に支払う税金が増えてしまいますので、税の申告は正しくおこないましょう。
「タンス預金」で脱税すると税務署にバレる可能性がある
自分のお金を、自宅で保管するという目的での「タンス預金」は、なんの問題もありません。
しかし、税金の支払いを少なくするために、自宅にお金を隠し持っているという行為は「脱税」とみなされて、税務署にバレる確率が高くなります。税の申告漏れや納税漏れがある場合は、ペナルティーが発生して、支払う金額が余計に多くなってしまうことにもなります。
またタンス預金には、災害被害や盗難被害によって、お金を失ってしまうというリスクもありますので注意しましょう。
出典
財務省 行政事業レビューシートの最終公表(令和元年度実施事業に係るレビューシート)国税総合管理(KSK)システムの概要
財務省 納税環境整備に関する基本的な資料 加算税の概要
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー