更新日: 2024.10.10 働き方
会社から「テレワーク終了」と言われたけど、通勤時間がもったいないし続けたいです。出社を強制するのは違法ではないのでしょうか?
そもそも現在テレワークで働いている人を、会社に出社するよう強制することに法律上問題はないのでしょうか?
本記事では、テレワークの現状を見たうえで、テレワークから出社を強制することが違法かどうか解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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テレワークの実施状況は低下傾向
公益財団法人日本生産性本部の「第13回働く人の意識調査」によると、テレワークの実施率は第1回目の調査である2020年5月が31.5%なのに対し、直近の2023年7月は15.5%と、調査開始以降最低の水準です。
特に、大企業でテレワークを止める動きが顕著で、1001名以上の企業における実施率は前回(2023年1月)の34.0%から、今回(2023年7月)は22.7%と大きく減少しています。
テレワークのメリット
テレワークのメリットは決して小さなものではありません。例えば、テレワークでは通勤時間が発生しない分、その時間を育児や家事、趣味などの時間として確保できます。通勤が片道1~2時間なら往復で2~4時間、時間の余裕が生まれることはとても大きいです。
もちろん、満員電車に乗ったり長時間運転したりといった通勤自体にかかる労力が減ることも、健康面や精神面でも嬉しいところでしょう。
テレワークのデメリット
メリットも大きいテレワークですが、会社としてはテレワークではなく、出社してほしいと考える理由がいくつかあります。
例えば、管理や人材育成の面です。対面であれば、上司が部下の業務進捗状況を把握しやすく、管理や指導につなげやすいといえます。しかし、テレワークでは部下が近くにいないため、業務の把握が難しいケースもあるでしょう。
また個人単位ではなく、チームで成果を出す必要がある仕事も少なくありません。そのためにはメンバー間での情報共有など交流が必須ですが、対面と比べテレワークでは、コミュニケーション不足も懸念されるところです。
また、テレビやゲームなど誘惑が多い自宅では仕事の効率が悪く成果を出せない、従業員の自宅ではセキュリティ面でリスクが高いと考える会社もあるでしょう。
出社を強制するのは違法なのか
現状テレワークの従業員に対し、出社を強制することが違法かどうかは、ケースバイケースで一概には言えません。とはいえ、大まかな考え方としては、労働条件にテレワーク勤務が前提とされているかが重要です。
例えば、労働契約を締結する際にテレワークが前提となっている場合、テレワークからオフィスへ勤務場所を変更するのであれば、従業員の合意が必須です(会社は出社を強制できない)。
一方、労働契約上はテレワークでないものの、業務命令でテレワークとなっていた場合、テレワークの終了も業務命令できます。ただし、特定の社員のみ合理的な理由なく出社を命じるような場合、業務命令が無効であると判断される可能性があります。
まとめ
政府も働き方改革を推進している中、テレワークは多様な働き方実現に向けた一つの有効な手段です。とはいえ、全ての会社が100%テレワークを導入し、継続し続けられるわけではありません。
現在テレワークで出社を指示された場合、拒否できるかどうかは「労働契約の内容」が重要です。気になる人は、まずは労働契約書などを確認してみましょう。
出典
公益財団法人 日本生産性本部 第13回 働く人の意識調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー