更新日: 2024.10.10 その他家計
2023年10月の酒税法改正で「第三のビール」が値上げ! 愛飲家が「今までと同じ金額」で晩酌する方法を検証
一方で、ビールの酒税は350ミリリットル換算で6.65円値下げとなり、販売価格は10円程度下がっています。2017年にビール類の酒税法改正が3回に分けて実施されることが決まっており、今回は2回目の改定です。
ビール愛飲家にとっては嬉しい値下げですが、第三のビール愛飲家にとっては家計に与えるダメージもかなり大きくなります。そこで本記事では、第三のビール愛飲家が今までと同じ値段で晩酌を楽しむ方法を検証してみました。
執筆者:老田宗夫(おいだ むねお)
キャリアコンサルタント
第三のビールとは
第三のビールは、主に2種類の作り方があります。
1つめは「ホップを使用した発泡酒に麦を原料とした蒸留酒(麦焼酎など)を混ぜ合わせる」製法、2つめは「エンドウ豆や、トウモロコシ、大豆など、麦や麦芽ではない原料を発酵させる」製法です。
好きな銘柄のある方は、原材料表示の欄を見てみてください。スピリッツや焼酎、アルコールなどの表記があれば前者となり、焼酎を割り材で割った飲み物と味に共通点があります。後者の場合は発泡酒に製法が近いため、発泡酒に近い味です。
どちらのタイプが好きなのか、好みで選ぶとよいでしょう。
1つめの製法の味が好きな人向けの方法
では、第三のビール値上げに対応するために、同じ値段で晩酌を楽しむ方法を考えてみましょう。飲む量や回数を減らすという方法もありますが、今回は代わりの商品を探す方法を見ていきます。
第三のビールの2種類の製法のうち、どちらの製法の商品が好きなのかによって、代わりになる商品の探し方が異なってきます。まずは1つめの製法の味が好きな人向けの方法をご紹介します。
焼酎をビールテイストの清涼飲料水で割る
ホッピービバレッジ株式会社が販売している「ホッピー」というビアテイストの清涼飲料水があります。ノンアルコールではありませんが、アルコール度数は1%未満(0.8%)ですので、酒税法上は税金がかかりません。焼酎の割り材としても人気が高い商品です。
このホッピーで第三のビールに近い味を再現する場合、アルコール度数25%の焼酎60ミリリットルをホッピー290ミリリットルで割ります。ホッピーは330ミリリットルで約140円、チューハイの原料として売られている焼酎は60ミリリットルで約50円ですので、350ミリリットル換算ですと170円となります。増税前の第三のビールと比べるとかなり割高です。
しかしホッピーは本来、2倍から3倍程度に薄めて飲む商品です。容量ではなくアルコールの摂取量で考えた場合、アルコール度数25%の焼酎105ミリリットルを165ミリリットルのホッピーで割って2杯つくると、原価は約320円となり、増税前の第三のビール3本分と比べるとかなり割安です。
焼酎をノンアルコールビールで割る
ノンアルコールビールは本来、アルコールが苦手な人やアルコールが摂取できない場面で飲まれることを想定した商品です。しかし、ビールテイストの清涼飲料水と同じように焼酎の割り材として使用することも可能です。
ノンアルコールビールは350ミリリットル缶が100~118円程度で販売されています。アルコール度数を5%にするために、原料となる焼酎は70ミリリットル(約58円)を300ミリリットルのノンアルコールビールで割ります。350ミリリットル換算ですとこちらも156円となり、増税前の第三のビールより少し割高になります。
しかし、ノンアルコールビールの使用数を2本に減らしてアルコール度を高めれば、原価は約420円となり、増税前の第三のビール3本分の価格とほぼ同じになります。
2つめの製法の味が好きな人向けの方法
2つめの製法の味は、今回酒税の変更がなかった発泡酒に近いです。発泡酒は増税の対象外ですので、値段は変わっていません。大手小売りチェーン店が展開するビール系飲料のプライベートブランド(PB)商品は、増税後も100~140円前後で販売されています。大量生産を背景に、増税前から第三のビールよりも安価で販売されていました。
例えば、株式会社ファミリーマートが販売元である「クリアモルト」や株式会社ローソンが販売元である「ゴールドマスター」といった商品です。
まとめ:今後のPB商品の新商品に注目
原材料高騰による食料品の値上げにより、安価に設定されている大手チェーン店のPB商品の売上が伸びています。2022年度における「トップバリュ」のPB商品の売上高は前年比10%増の9000億円に達しました。これは過去最高です。第三のビールについても、価格面だけで考えれば、発泡酒のPB商品が増税前の第三のビールに代わる商品の一番手となるでしょう。
しかし、「ホップを使用した発泡酒に麦を原料とした蒸留酒(麦焼酎など)を混ぜ合わせる」タイプの愛飲家には、発泡酒の味わいが合わない可能性が高いです。発泡酒の味わいが苦手な愛飲家は、焼酎を割り材で割った飲み物で工夫するといった方法に頼ることも考えられるでしょう。
とは言え今後、第三のビールに味をよせた新PB商品が開発されるといった動きもあるかもしれません。各メーカーやチェーン店の動向に注目です。
出典
財務省 酒税に関する資料
執筆者:老田宗夫
キャリアコンサルタント