上司が隙あらば「ネットサーフィン」しています。証拠を集めれば「減給処分」になるでしょうか。
配信日: 2024.02.07 更新日: 2024.10.10
そこで、今回は減給処分の概要や注意点について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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減給処分とは
減給処分とは、従業員が何かしらの問題を起こしたことに対する会社からの制裁として本来従業員に支払われるべき賃金から一定額を差し引く処分のことです。
ただし、減給ができるのは、会社の就業規則に記載されている懲戒事由に該当する問題を起こした場合です。減給を罰則とするためには、あらかじめ就業規則に懲戒に関する記載をしておかなくてはいけません。なお、懲戒事由の例としては以下のようなものがあります。
●無断欠勤を繰り返す
●業務中の私語が多すぎる
●勤務時間中に仕事をしていない
●ハラスメント行為などコンプライアンス違反を犯している など
仕事中にネットサーフィンをしているケースでも、以下のようなケースでは減給処分の対象となる可能性もあります。
●ネットサーフィンをする時間が長く業務に支障をきたしていることが明確
●残業申請をして残業中に仕事と関係ないネットサーフィンをしている など
しかし、息抜き程度にネットサーフィンをしているだけで減給という重い処分になることはないでしょう。また、ネットサーフィンに関してはパソコンの使用履歴などで何時から何時までサボっていたなど客観的に明確な証拠がない場合は、事実の特定が難しいといえます。
減給処分の注意点は
減給処分の注意点については、上述の通り就業規則に減給処分になる事由を明確に記載しておかなければいけない点以外にもいくつかあります。まず、減給処分を行う場合は労働基準法第91条を超える金額の減給をしてはいけない点に留意が必要です。労働基準法第91条では、以下のように定められています。
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」
この法律によって、従業員が生活するために必要不可欠な賃金の減給限度が決まっているため、この決まりを超える減給は認められていないことが分かりました。また、減給処分を行う際は就業規則に記載されている手続きで進める必要があるようです。
この手続きを無視して減給を行うと、違法な懲戒処分と見なされる可能性があり、場合によってはトラブルに発展するケースもあるでしょう。就業規則に手続きの手順が記載されていない場合でも、事実確認や本人への告知、弁明の機会提供、懲戒処分の妥当性の検討や従業員への通知などの手順を踏むほうが賢明です。
ネットサーフィンで減給するには明確な証拠が必要
会社は、従業員に対して簡単に減給処分を下すことはできません。そのため、あくまでも制度や罰則に乗っ取るのではなく、人としてのあり方について、勇気を出して注意してみるとよいかもしれません。
出典
e-Gov法令検索 昭和二十二年法律第四十九号労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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