更新日: 2024.03.05 働き方

就活中ですが「地方公務員」ならノルマなしで定時で帰れますよね?「年収600万円」でわりともらえそうですし、就職してもプライベートを優先できて良さそうだなと思っています

執筆者 : 山田麻耶

就活中ですが「地方公務員」ならノルマなしで定時で帰れますよね?「年収600万円」でわりともらえそうですし、就職してもプライベートを優先できて良さそうだなと思っています
就職先の条件として「残業の少なさ」を挙げる人も多いのではないでしょうか。公務員には民間企業のような営業ノルマがないため、仕事が少なくて定時で帰れるという印象を抱いて、就職したいと思っている人もいるかもしれません。
 
本記事では地方公務員の平均残業時間や年収について解説します。
山田麻耶

執筆者:山田麻耶(やまだ まや)

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地方公務員の平均残業時間

総務省が発表した「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると、市町村政令指定都市、都道府県で勤務する地方公務員の1ヶ月当たりの平均残業時間は12.5時間です。
 
1ヶ月に20日勤務とすれば、1日当たり約40分弱の残業時間という計算になります。この数字だけを見ると、そこまで残業時間が多いというわけでもなさそうです。
 
ただし同調査結果によると、月45時間以上の残業を行った人は全体の5.4%となっています。この場合は1日当たり少なくとも2時間以上の残業をしていることになります。また月100時間以上の残業をした人も0.4%と、少数ですが存在しています。
 
また、人事異動に伴う業務の引き継ぎや不慣れな業務への対応が求められるため、3月や4月は特に残業時間が多い傾向にあります。公務員だからといって必ずしも残業がゼロだというわけではありません。
 

民間企業の平均残業時間

では民間企業の平均残業時間はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、一般労働者1ヶ月当たりの平均残業時間は13.8時間です。業種によって平均残業時間は大きく異なるため一概にはいえませんが、地方公務員よりも残業が多いといえるでしょう。
 

地方公務員の平均給与は600万円?

インターネットで「地方公務員 平均年収」と検索すると、約600万円という検索結果が複数表示されます。これは総務省が発表した「地方公務員給与の実態」から、一般職員の平均月額給与に夏と冬のボーナスを加えて計算された数字です。
 
しかし、この数字はあくまで全年代の地方公務員の「平均値」です。新卒で働き始めてもすぐにこの年収を得られるわけではないということに注意が必要です。
 
「令和4年地方公務員給与の実態」によると、市町村に務める一般行政職の場合、大卒の初任給は月額18万4552円です。ボーナス分を加えれば、地方公務員の新卒1年目の年収は300万円程度となります。公務員は安定している一方で、若い頃は決して高い給与とはいえないことを覚えておきましょう。
 

残業がないからという理由で地方公務員を目指すのは危険

「残業がない」という印象を持たれやすい地方公務員ですが、月の平均残業時間は12.5時間で、一切残業がないともいえません。
 
また、配属部署や季節によって業務量は大きく変わります。もし残業がない部署に配属されたとしても、数年後には人事異動で残業続きの日々、ということも予想されます。また、地震や台風などの緊急時には対応を求められるなど、さまざまな理由で時間外労働をしなければならないケースもあります。
 
プライベートを充実させたいという理由だけで地方公務員を希望しても、いざ働き始めたときに理想の働き方とは全く異なっている可能性があります。どの職場もある程度残業はあると割り切り、ほかの条件を満たす職場を探してみるのも良いでしょう。
 

出典

総務省 令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報
総務省 令和4年地方公務員給与の実態
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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