更新日: 2024.10.10 働き方

年収130万円の「扶養内」で働いています。子どもの塾代「月2万円」をねん出するために手取りを増やしたいのですが、いくら稼いだらよいでしょうか?「社会保険料」でかなり引かれますか…?

年収130万円の「扶養内」で働いています。子どもの塾代「月2万円」をねん出するために手取りを増やしたいのですが、いくら稼いだらよいでしょうか?「社会保険料」でかなり引かれますか…?
どうしても手取り収入を増やさなければならない理由がある場合、扶養を外れて働くことを検討するかもしれません。ただ、社会保険に加入した上で手取りを2万円増やすのは、意外と大変なのを知っていますか?
 
本記事では年収130万円の人が、手取りを2万円増やすためにいくら年収を増やす必要があるのかを計算してみます。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

年収130万円未満なら社会保険料負担ゼロ

まずは、現状の扶養を整理しておきましょう。年収130万円の壁は突破せずに働いている状況なので配偶者の扶養対象となっています。現時点では社会保険料の負担はありません。ちなみに、年収130万円の壁を超えた場合にかかる社会保険料は、月収11万円の場合で1万6555円(東京都、介護保険第2号被保険者に該当する場合)、年間にすると約20万円となります。
 

年収130万円未満にかかっている税金

年収130万円未満であれば社会保険料はかかりませんが、所得税と住民税は発生しています。年収130万円に対してかかる税金を計算してみましょう。所得控除は基礎控除のみと仮定します。

【所得税】
{(年収130万円-給与所得控除55万円)-基礎控除48万円}×5%=1万3500円
 
【住民税】
{(年収130万円-給与所得控除55万円)-基礎控除43万円}×10%+均等割5000円=3万7000円

年収130万円には約5万円の税金がかかっていることがわかりました。よって、年収130万円の手取りは約125万円となります。
 

手取りを2万円増やすために必要な年収

年収130万円の壁を超えて働く場合、社会保険料が重くのしかかってきます。手取りを2万円増やすためには、社会保険料の負担も上回る年収を稼がなければならないのです。
 
年収130万円にかかる社会保険料は約20万円なので、手取り増加分24万円(2万円×12ヶ月)を足すと、単純計算では年収174万円となります。ただ、年収が上がれば社会保険料と税金も少しずつ上昇していく点も考慮する必要があります。
 
まず、月収14万5000円(174万円÷12ヶ月)にかかる社会保険料は2万1371円で、年間約25万円です。次に税金は以下のとおりとなります。

【所得税】
{(年収174万円-給与所得控除59万6000円※)-基礎控除48万円}×5%=3万3200円
 
【住民税】
{(年収174万円-給与所得控除59万6000円※)-基礎控除43万円}×10%+均等割5000円=7万6400円
 
※174万円×40%-10万円=59万6000円

年収174万円の手取りは、社会保険料約25万円、税金約11万円を差し引いた138万円となるので、なんと以前の年収130万円から44万円も多く稼いでいるにもかかわらず、手取りは125万円から13万円増えただけです。
 
では、年収190万円で計算してみましょう。月収約15万8000円(190万円÷12ヶ月)にかかる社会保険料は2万4080円で、年間約29万円です。税金は以下のとおりとなります。

【所得税】
{(年収190万円-給与所得控除65万円※)-基礎控除48万円}×5%=3万8500円
 
【住民税】
{(年収190万円-給与所得控除65万円※)-基礎控除43万円}×10%+均等割5000円=8万7000円
 
※190万円×30%+8万円=65万円

年収190万円の手取りは、社会保険料約29万円と税金約13万円を差し引いた約148万円となりました。ようやく年収130万円の手取り125万円から約24万円増やせたことになります。
 

まとめ

年収130万円の壁を超えて手取りを2万円増やそうとすると、年収190万円必要という計算結果になりました。ただ、年収190万円稼ぐと配偶者特別控除がほぼなくなるので、配偶者の税金が約5万円(所得税率10%の場合)高くなります。それまで補うとなると年収200万円程度は必要でしょう。
 
また、会社から支給されている「扶養手当」「家族手当」なども変動するかもしれない点にも注意が必要です。
 

出典

全国健康保険協会 被扶養者とは?
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁 家族と税
東京都主税局 個人住民税
国税庁 No.1410 給与所得控除
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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