父が亡くなり「忌引き休暇」を使ったら、給与が「5万円」減額された!? 欠勤扱いにするのは違法ではないんですか?「有休」を使うべきだったのでしょうか?
配信日: 2024.03.30 更新日: 2024.10.10
本記事では忌引休暇の概要や利用する際の注意点について解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
忌引休暇とは不幸事があったときの休暇制度
忌引休暇は親族が亡くなったときに会社を休める制度のことです。通夜や葬儀の準備・参列のために忌引休暇を使ったことがあるという人も多いのではないのでしょうか。
忌引休暇は年次有給休暇とは異なり、法律で定められているものではありません。従って会社によって忌引休暇の呼び方や休める日数は異なります。
一般的な呼び名
忌引休暇の他の呼び名として「弔慰休暇」「服喪休暇」などが用いられています。また親族の不幸事に加え、結婚などおめでたい場面でも休暇をとれるように「慶弔休暇」としている会社もあります。
取得できる休暇日数
忌引休暇を取得できる日数は会社によって異なります。通常は自分と亡くなった人との血縁関係が近いほど忌引休暇を長く取得できます。忌引休暇を取得できる日数は、故人が配偶者であれば10日間、父や母であれば7日間、祖父母や兄弟姉妹であれば3日間が目安となります。
忌引休暇がない会社も
そもそも忌引休暇という制度が存在しない会社もあります。非情に思えるかもしれませんが、決して違法ではありません。
忌引休暇がないからといって身内が亡くなったときに休めないというわけではなく、多くは有給休暇などを用いる形になることが多いようです。有給休暇が残っていなければ欠勤扱いとなり、休暇を取得した日数分の給与が減額されます。
忌引休暇を使うと「無給」になる場合も
忌引休暇を利用して休んだとき、休んだ日数分の給与が支払われない可能性もあることに注意しましょう。
会社の就業規則によっては、忌引休暇を使って会社を休めてもその間は無給となることがあります。この場合はあくまで休める権利だけ付与されている形となり、「賞与や査定には響かない欠勤」のような扱いになります。
給与のことを考えると忌引休暇よりも年次有給休暇を利用したほうが良いケースもあるため、忌引休暇を利用する際は必ず担当者に忌引休暇の概要を確認するようにしましょう。
会社に忌引休暇を事前に確認しよう
忌引休暇を定める法律はないため、忌引休暇制度の有無や利用条件は会社が自由に決められます。仮に忌引休暇があったとしても、無給扱いになっていることもあります。
身内が亡くなったときは感情の整理に時間がかかる上、通夜や葬儀の準備で慌ただしいものです。会社の忌引休暇制度についてよく分からないまま利用すると、欠勤扱いになっていて手取り額が減っていたなど、思わぬ事態になりかねません。
いざというときに備え、忌引休暇のルールを確認しておくと良いでしょう。条件を把握したうえで、忌引休暇を使うのか年次有給休暇を使うのか判断してくださいね。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法 第39条
執筆者:山田麻耶
FP2級