家賃5万円の物件を見かけました。「家賃の目安は収入の3分の1」らしいので給与が15万円あれば借りられそうですか?
配信日: 2024.06.01 更新日: 2024.10.10
しかし、収入によっては、3分の1を家賃に充てると生活が成り立たなくなる場合があるため注意が必要です。本記事では、給与15万円で5万円の家賃を支払えるのかを検証します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家賃の目安は手取り収入によって変わる点に注意
家賃は収入の3分の1が目安といわれていますが、手取り収入によっては3分の1を家賃に回すと生活が厳しくなってしまう場合もあります。
手取り収入別に、収入の3分の1を家賃に回した場合に使える月間の生活費を計算してみましょう。
【図表1】
手取り収入 | 家賃 | 残金 |
---|---|---|
15万円 | 5万円 | 10万円 |
20万円 | 約6万7000円 | 約13万3000円 |
30万円 | 10万円 | 20万円 |
筆者作成
図表1のとおり、手取り収入15万円の方が3分の1を家賃に充てると、残りの生活費は10万円となります。
【単身者の消費支出】住居費を除くと月平均いくらくらい?
10万円で生活ができるのかどうか、総務省統計局の資料から検証していきましょう。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、単身世帯の消費支出の平均月額は図表2のとおりです。
【図表2】
住居 | 2万3815円 |
食料 | 4万6391円 |
光熱・水道 | 1万3045円 |
家具・家事用品 | 5955円 |
被服及び履物 | 4712円 |
保健医療 | 7426円 |
交通・通信 | 2万1796円 |
教育 | 2円 |
教養娯楽 | 1万9425円 |
その他の消費支出 | 2万5051円 |
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」から筆者作成
単身世帯の生活費(消費支出)の平均月額は、約16万7000円です。ただし、住居費は2万3815円となっており、住居費以外の生活費の支出だけで約14万円が必要なことが分かります。
住居費以外の支出を切り詰めれば10万円の生活費で生活するのは可能ではありますが、手取り15万円の給与で5万円の家賃を支払うのはかなりの節約が必要となるといってよいでしょう。
手取り給与と総支給額に注意
家賃を収入の3分の1として計算する場合、総支給額ではなく手取り給与から計算するようにしましょう。
総支給額15万円の場合の手取り給与は約12万円となるため、家賃5万円を支払った残りは7万円と、生活が非常に厳しくなってしまいます。
賃貸物件を借りる場合には初期費用が必要となる
賃貸物件を借りる場合は、初期費用が必要となる点にも注意が必要です。賃貸物件にかかる初期費用の相場は、図表3のとおりです。
【図表3】
敷金 | 家賃1ヶ月分 |
礼金 | 家賃1ヶ月分 |
日割り家賃 | 入居日によって日割り |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5~1ヶ月分+消費税(上限) |
火災保険料 | 1万5000~2万円 |
筆者作成
図表3のとおり、初期費用の相場は家賃約4~5ヶ月分となっています。さらに、引っ越し費用や家財購入費が発生するため、家賃5万円の場合は約30万円以上の貯金がないと引っ越しは難しいでしょう。
給与15万円で家賃5万円の家を借りるなら生活費の相当な節約が必要
家賃は収入の3分の1が目安といわれていますが、給与15万円で3分の1を家賃に充てると生活が厳しくなってしまいます。手取り給与15万円の方が3分の1を家賃に充てた場合、残りの生活費は10万円しか残りません。
10万円で生活するのは可能ではあるものの、相当な節約が必要と考えられます。安い家賃のところを探すのもひとつの方法ですが、月5万円以下となるとなかなか難しいかもしれません。
現在実家暮らしなのであれば、ある程度収入が増えるまで実家で貯金をしながら準備しておくのもよいでしょう。
出典
国土交通省 賃貸住宅の入居・退去に係る留意点
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー