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更新日: 2024.10.10 その他家計

あと11年間も月2万円の「奨学金返済」ができるか分からない…。返済しながら「貯金」はさすがに難しいですか?

あと11年間も月2万円の「奨学金返済」ができるか分からない…。返済しながら「貯金」はさすがに難しいですか?
奨学金制度を活用して大学に通う人は半数近くにも及ぶようです。卒業して社会人になると奨学金の返済が始まりますが、なかには長期間の返済を負担に感じる人もいるでしょう。家計が苦しくなったり、貯金ができずに老後資金に影響が出たりすることも考えられます。
 
そこで今回は、奨学金制度を利用している学生の割合や、毎月の返済額と負担感について調べてみました。奨学金を返済しながら無理なく生活し、貯金する方法についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学で奨学金制度を利用している学生はどれくらいいる?

独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度 学生生活調査結果」によると、大学に進学する人の半数近くが奨学金を利用していて、その数は増加が続いています。学校区分別に奨学金の受給率をまとめると以下の通りです。


・大学学部(昼間部):55.0%
・短期大学(昼間部):61.5%
・修士課程:51.0%
・博士課程:58.9%
・専門職学位課程:41.4%

労働者福祉中央協議会の「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書(2022年9月実施)」によると、奨学金の種類で最も多かったものが「有利子(61.4%)」で、「無利子」は49.4%、「給付」は2.0%でした。給付や無利子の場合でも、不足分を補うために有利子も借りている人もいるようです。
 

奨学金返済額の平均や負担感は?

社会人になると奨学金返済が始まりますが、返済額は借入総額によって異なります。労働者福祉中央協議会によると、借入総額の平均は310万円で、金額別の割合をまとめると以下の通りです。


・100万円~200万円未満:19.5%
・200万円~300万円未満:25.8%
・300万円~400万円未満:17.0%

毎月の返済額については平均が1万5000円ほどで、金額別でも「1万円~1万5000円未満」が34.2%で最も多い回答でした。返済期間は平均14.5年ほどです。毎月の返済が負担になっているかについての回答は以下の通りです。


・余裕がある:9.6%
・何とかなっている:45.9%
・少し苦しい:23.7%
・かなり苦しい:20.8%

同調査から、奨学金を毎月1万5000円、14.5年間かけて返済することを負担に感じている人は44.5%もいることが分かります。「あと11年間も月2万円の奨学金返済ができるか分からない」と感じる方がいても、珍しいことではないといえるでしょう。
 

月2万円の奨学金返済が11年も続く……。貯金が難しい場合の対策は

大学卒業後に奨学金を返済しなくてはならないとはいえ、月2万円の返済が11年間も続くと「貯金ができない」といった場合が考えられます。
 
また結婚後も奨学金返済が続けば、家計の負担になり、子どもの教育費や老後資金にも影響が出るでしょう。奨学金の返済をしながら貯金もしたい場合は、以下のような対策を検討できるかもしれません。
 

・奨学金返済は固定費に含めて家計を管理する

奨学金返済の「2万円」は固定費とみなして、家計管理をするといいでしょう。そのうえで水道光熱費・通信費・サブスクリプションサービスなどは少しでも節約できないか見直せるかもしれません。節約できる分があれば、貯金に回すことも可能です。
 

・ボーナスがあれば「繰り上げ返済」をする

ボーナスが支給される会社に勤めている場合は、いくらかを取り分けて「繰り上げ返済」を検討できます。繰り上げ返済をした分、返済期間を短くできたり、その期間分の利息を節約できたりするかもしれません。
 

・返済が難しくなった場合に活用できる制度を願い出る

返済が難しくなった場合は、月々の返済額を少なくする「減額返還制度」や、返済を一定期間先送りにできる「返還期限猶予」といった制度を願い出ることも検討できるでしょう。
 
「減額返還制度」は、月々の返済金額が減る分、返済期間が延びる点に注意が必要です。「返還期限猶予」は、適用期間に通算10年間の上限が定められているようです。
 

奨学金返済を負担に感じる人は44.5%! 固定費に含めて家計管理をするなど対策次第では貯金も可能

奨学金返済について、毎月の平均返済額は1万5000円で、平均返済期間は14.5年であることが分かりました。毎月の返済を負担に感じている人は44.5%もいることから、「あと11年間も月2万円の奨学金返済ができるか分からない」と心配する方がいても不思議ではないでしょう。
 
奨学金の返済をしながら貯金もしたい場合は、返済額を固定費に含めて家計管理をして、節約などによって浮いたお金を貯金に回せるかもしれません。
 
ボーナスがあれば繰り上げ返済をして利息分を節約することも可能です。また生活が厳しくなり返済が難しくなった場合は、減額返還制度や返還期限猶予などの制度の活用も検討できるでしょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果(12ページ)
労働者福祉中央協議会 奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書(5.6ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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