更新日: 2024.10.10 その他家計
屋根に「太陽光パネル」ってコスパ良いのでしょうか? 最近電車に乗っていると、よく屋根に設置されているのを見かけます。「余剰電力」を売って元を取ることも可能ですか?
本記事では、太陽光パネルの設置費用や注意点、設置することでどれくらい経済効果を得られるのか、筆者の経験も踏まえて解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
太陽光パネルの設置費用の目安
太陽光パネルの設置にあたり、気になるのは費用面でしょう。取り付ける屋根の形状やパネルの容量によって費用は変わります。筆者が太陽光パネルを導入したときの例を紹介すると、5kWの容量があるパネルで135万円でした。この金額が高いか安いかは状況によって変わってきますが、おおむねこれくらいの費用感を見ておけばいいのではないでしょうか。
太陽光パネルはコスパがいいのか
太陽光パネルを設置する理由の一つとして、売電収入が得られるというのがあります。自宅で日中に発電した電気が余ったら買い取ってもらえる制度ですが、買取価格は設置年度によって変わります。仮に2024年度に太陽光パネルを設置した際、余剰電力を買い取ってもらう価格は、10kW未満の場合、1kWhあたり16円です。
もし自宅に5kWの太陽光パネルを設置し、年間の総発電量が約4500kWh、そのうち15%を自宅で消費して余りを売却したら、3825kWhを売却できる計算となります。これを1kWhあたり16円で売却した場合、年間6万1200円の収入です。
太陽光パネルの設置費用が前述した135万円に到達するには22年かかる計算となります。売電で元を取ることは現実的に厳しいかもしれません。
ただ、蓄電池を合わせて設置することで災害時の備えにもなりますし、上手に活用すれば電気代を限りなく安くすることができます。節約した電気代および売電と、太陽光パネル代の設置費用を考慮すれば、得られる経済効果は高いといえるでしょう。
また、電気代が上がっている現在では、売電よりも自家消費するほうが費用対効果は高いと言われていますので、そのために設置するというのも一考でしょう。
太陽光パネル設置の注意点
電気料金が上がっていることもあり、太陽光パネル設置の注目度は上がっています。太陽光パネルの設置をしようと決めたとき、どのような注意点があるのでしょうか。
自宅の強度は問題ないか
新築住宅にパネルを取り付ける場合、パネルの重みも計算したうえで強度計算をします。ですが、すでに建っている住宅に取り付ける際は、屋根の強度に影響がないかを確認する必要があります。取り付け業者はもちろんですが、自宅を建築した際のハウスメーカーなどに問い合わせましょう。
屋根の向きはどうか
太陽光パネルを設置する屋根がどの方角に向いているかによって発電量が変わります。屋根の向きによってはメーカー非推奨であったり、パネルから反射した光による近隣住民からの光害被害の報告を受けたりする可能性もあります。設置業者と入念に打ち合わせしましょう。
設置業者は信頼できるか
太陽光パネルや蓄電池を設置する際、時期によっては自治体からの補助金を得られることもあります。そのときの条件の一つに「自治体が認めた業者かどうか」で判断されることがあります。また業者によって設置費用にばらつきがありますので、必ず相見積もりをとりましょう。
まとめ
電気料金が上がっている昨今、太陽光パネルの設置に注目が集まっています。余剰電力の売却で設置費用の元を取るのは現実的ではありませんが、節約できる電気代などを考えれば、経済効果は高いといえるでしょう。
ただし、太陽光パネルを自宅に設置するには、住宅の強度や設置予定箇所の方角なども考慮する必要があります。ハウスメーカーや太陽光パネル設置業者と綿密に打ち合わせし、トラブルのないように注意しましょう。
出典
資源エネルギー庁 買取価格・期間等
執筆者:宇野源一
AFP