更新日: 2024.11.24 働き方
夫の扶養内で「時給1000円・週20時間」で働いています。最近制度が変わったと聞きましたが、「保険料」にはどんな影響があるでしょうか?
本記事では夫の扶養に入り、時給1000円で週20時間働いている人にとって、今回の制度変更が社会保険料の負担にどのような影響を及ぼすのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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10月から社会保険料の加入対象者が拡大された
2024年9月までは、パートで働く際に自分で社会保険料を負担する条件は、以下の(1)から(5)の全てに該当する場合でした。
(1)1週間の労働時間が週20時間以上
(2)賃金が月8万8000円以上
(3)雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれる
(4)学生ではない
(5)勤務する企業の従業員数が101人以上
そして、2024年10月以降、(5)の条件が従業員数51人以上に対象が拡大されています。
時給1000円・週20時間勤務で社会保険料は発生するの?
パートとして時給1000円・週20時間働いている場合、制度変更によって社会保険料の負担は発生するのでしょうか? 条件(1)~(5)を1つずつ見ていきましょう。
条件(1)については、週の労働時間が20時間の場合は加入条件に該当します。また、(3)と(4)についても基本的には当てはまることが多いでしょう。
(2)については、月収が1000円×20時間×4週と考えると8万円ですので、条件を満たしません。そのため、毎月の収入が8万円の場合には、今回の制度変更後も社会保険料の負担はないといえます。
(5)については勤務する企業次第ですが、今回のケースの様に(2)で条件を満たさない場合、企業規模は関係ありません。
今回は(5)に関しての制度変更ですので、例えば、従業員数が70人の企業で(1)~(5)の条件を満たしている場合に、制度変更によって新たに社会保険の加入対象となります。
社会保険料の負担はどれくらい?
条件を満たした場合、社会保険料の負担はどれくらいなのでしょうか? パートで雇用されて働く場合、収入によって社会保険料の負担金額は変わります。仮に月収が8万8000円で加入条件を満たす場合、月額で年金保険料は約8000円、健康保険料は約4400円(40歳未満の場合)です。
合計すると約1万2000円手取りが減ってしまいますので、収入が基準ぎりぎりの場合、社会保険に加入せずに手取りを増やしたいと考える人も多いでしょう。
社会保険料を負担することによるメリット
条件を満たして社会保険料の負担が発生すると、がっかりする人もいるかもしれませんが、社会保険料を負担することでさまざまなメリットも受けられます。
まず、将来受け取る年金額が増える点が挙げられます。パートの収入から自分で厚生年金保険料を負担すれば、将来は老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受給可能です。そのため、老後の生活を安定させることにつながるでしょう。
また、病気やけがで休んだ場合に傷病手当金を受け取れたり、出産で会社を休んだ場合に出産手当金が受けられたりします。
まとめ
時給1000円で週20時間働き、月収が8万8000円を下回る場合、社会保険の加入基準に該当しないため、通常は社会保険料の負担は発生しません。また、企業の規模によっては月収が8万8000円以上でも加入の対象とならない場合もあります。
一方、社会保険に加入することで、社会保険料の負担は生じますが、将来もらえる年金が増えたり、病気や出産のときに手当がもらえたりするメリットもあります。
社会保険のメリットや制度への理解を深め、今後の働き方の参考にしましょう。
出典
厚生労働省 社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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