34歳の夫は「年収400万円」なのですが、2人目の出産を機に仕事をやめたいと考えています。夫の収入だけで家族4人の生活はできるでしょうか?
配信日: 2025.01.19 更新日: 2025.01.20
今回は、4人家族の平均支出や子どもの教育費、生活費をうまく工面するコツなどについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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4人家族の平均支出はどれくらい?
総務省統計局の「家計調査 家計収支編」によると、世帯主が60歳未満の勤労世帯で、4人世帯の平均実支出は月額45万5306円でした。また、食費や医療費などの消費支出(税金や社会保険料は除く)だけだと、平均で月額32万8074円です。
平均実支出の平均額が1年間続くと考えると、年間546万3672円かかります。また、税金や社会保険料が含まれない消費支出だけでの年間支出を計算した場合は、393万6888円です。
年収400万円だけで生活すると考えると、子ども2人を育てながらでは生活費が不足する可能性があるため家計を見直すといった工夫が必要でしょう。
また、資料はあくまでも生活費の平均値なので、ライフスタイルによっては急にまとまった出費が発生する可能性もあります。例えば、子どもを高校まで通わせたい場合は、生活費とは別に教育費のための貯金が必要です。
子ども2人分の教育費は総額でどれくらい?
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、公立・私立の幼稚園から高校までの学習費(教育費)総額は表1の通りです。
表1
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園(3歳から) | 53万2177円 | 103万8087円 |
小学校 | 201万7378円 | 1097万4394円 |
中学校 | 162万6213円 | 467万1589円 |
高等学校(全日制) | 178万7328円 | 307万7235円 |
合計 | 596万3096円 | 1976万1305円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
もし子ども2人をすべて公立幼稚園、また公立学校へ通わせるとすると、総額で1192万6192円が必要です。子どもが生まれてすぐに必要なわけではありませんが、公立の幼稚園に通わせる場合でも少なくとも50万円程度の貯金をしておき、小学校に入るまでに教育費として200万円ほどあったほうがいいでしょう。
子どもが生まれてから貯金をすると考えると、3歳になるまでの3年間で毎月約1万3889円の貯金が必要な計算です。また、2人目なら上の子どもが小学校や中学校に通うためのお金も必要になります。
年収400万円の場合、平均支出を鑑みても生活に余裕を持たせたいなら、可能であれば共働きの方がいいでしょう。しかし、どちらか片方が働けない場合でも、家計の見直しや制度の活用で子ども2人を育てながらの生活は可能です。
生活費を工面するコツ
まずは、家計で余分な出費がないか見直しましょう。総務省統計局の資料によると、4人世帯の消費支出のうち、最も多くを占める項目は食費の8万8977円です。さらに、食費のなかでは外食が1万8589円で最も多くなっています。外食を減らし、スーパーのお惣菜や安売りしている野菜、肉などを使用すれば、食費を安くできるでしょう。
また、固定費も見直すポイントです。固定費とは水道光熱費や通信費、サブスクリプションサービス費など支払金額がほぼ決まっている項目をいいます。特に、水道光熱費は水の流しっぱなしや電気の付けっぱなしなどをやめるだけでも節約できる項目です。家族で使うときのルールを決めて、なるべく無駄遣いがないようにしましょう。
子育てをする際は、制度の活用も大切です。例えば、多子世帯が兄弟姉妹で幼稚園や保育園を利用する場合、利用料の負担軽減措置を受けられる制度などもあるようです。子どもを2人とも幼稚園に通わせたいときは、こうした制度を利用できないかチェックしておきましょう。
年収400万円なら生活費をうまくやりくりする必要がある
年収400万円の場合、平均支出額と比較すると少し足りなくなる可能性があるため、生活費をうまくやりくりしないとあとで生活に困る可能性があります。さらに、子どもを2人育てるなら教育費の貯金も必要でしょう。可能であれば妻も働くと家計に余裕ができますが、無理なときは家計の見直しを行います。
少しでも支出額を減らすには出費の多い項目を見つけ、節約することが大切です。また、子育てに関する支援制度も活用できないか調べておきましょう。
出典
総務省統計局 e-stat政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2023年 表番号3-1
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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