執筆者:田中恭子(たなか きょうこ)
フリーランス・エディター&ライター
北海道大学卒業後、メーカー勤務を経て出版業界へ。自身の経験を生かした旅行、
アウトドア、ライフスタイル、自然などを得意とするが、ジャンル問わず、多方面
で活躍。
監修:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家賃は3分の1を上限に
家賃は収入の何割くらいに抑えるべきか。よくそんな議論がなされます。現在よくいわれているのが3分の1。気をつけなくてはならないのは給料の額ではなく、手取り収入の3分の1です。しかも、3分の1を「上限」と考えるべきといわれます。
もしも手取り収入が20万円なら、6万円台。これは都内のワンルームでもなかなか難しいところですね。
手取り収入がそれ以上の人は、もう少し割合を増やすことも可能です。収入が上がったからといって、庶民レベルなら生活のほかの出費(例えば食費、光熱費、遊興費など)がどんと上がるというわけでもないからです。
もちろん、余剰のお金をどこに使いたいかは個人の考え次第。いい家に住みたいか、趣味にお金を使いたいか、貯蓄しておきたいか、は自由です。
家賃というのは、毎月コンスタントに払い続けなくてはならず、しかも出る一方。固定費の代表です。ここにどれだけかけるかということは、家計に余裕があるか苦しいかに、直接響いてきます。
すてきな生活を夢見たいでしょうが、駅からの距離、エリア、階数、築年数、バストイレ別など、ある程度の条件やこだわりを緩めることで、生活がぐっと楽になるものです。
家賃を抑えた分は、貯蓄に回すこともできます。それを続けることで、いつか本当の夢のマイホーム(もちろんマンションも含め)を持つことも可能になるでしょう。
会社の手当によっても大きな差が生まれる
家賃補助(住宅手当)があったり、社宅を持っていたりする会社の割合も、年々減ってきているのは事実ですが、少額でも何かしらの補助がある会社は半数近くに上ります。これから就職するという人には、そのへんも就職先選びの大きな決め手となってくるでしょう。
一方、通勤交通費は出るという会社はほとんどです。通勤に多少時間がかかっても、家賃相場の安い地域に住めば個人の出費はずいぶん抑えられます。
安くても暮らしやすい物件や通勤しやすいエリアなどは、不動産屋に相談すれば、わりと一生懸命探してくれるものです。予算、譲れない条件、諦めてもいい条件などを明確にして、正直に相談してみましょう。
食費は家賃の半分程度を目安に
では食費は? ファイナンシャルプランナーなどが提案する、手取り収入のうちの支出の理想的な割合は、家賃が20~25%、食費が10~15%です。これも家族構成によって変わってはきますが、食費は家賃とは違い、工夫で切り詰めることも可能です。
安い店、安い時間を選ぶ、食品ロスをなくす、通勤時の昼食を外食ではなくお弁当にする等々。普段から工夫している人も多いのではないでしょうか。
無理のない範囲で貯蓄の癖もつけておく
この「理想的な割合」には、貯蓄も見込まれていますが、こればかりは家庭状況により大きく変わります。共働き世帯なのか、子どもはいるのか、子どもの人数や年齢はどうか。
大学に進学したり、親元から離れて暮らす子どもに仕送りをしたりする場合などは、手取り収入の1割の貯蓄も厳しいこともあるでしょう。しかしだからこそ、比較的余裕のあるときに貯蓄しておくことが必要になるのです。
一度わが家の手取り収入を見直し、それに対して支出の割合はどうなっているのか、あらためて計算してみましょう。
執筆者:田中恭子(たなか きょうこ)
フリーランス・エディター&ライター
監修:FINANCIAL FIELD編集部