リボ払いで地獄を見た・・クレカの【リボ払い】の注意点と実情
配信日: 2019.07.31 更新日: 2024.10.10
今回は「リボ払い」の注意点について解説したいと思います。
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。
後払いでも、いずれは支払いをしなければなりません
クレジットカードならば、支払いの際に紙幣や硬貨を出したり、お釣りをしまったりする手間が省けます。現金の持ち合わせが足りない場合でも、買い物や飲食ができます。
しかも、利用金額に対して付くポイントを貯めれば、商品や金券への引き換えや、ほかの買い物やサービスの利用もできるのです。
しかし、後払いであっても、原則1回(カード会社ならびに加盟店が設定していると2回)で完済しなければなりません。分割して支払おうとする場合、販売した側で負担するなどの例外を除けば、手数料(金利)がかかります。
リボ払いの特徴とは
クレジットカードの支払い方法の一つに「リボ払い」があります。クレジットカードの利用金額や利用件数にかかわらず、あらかじめ決めた一定額を毎月支払う方式です。対象となる支払残高の大きさに応じて、毎月の支払額が増減する場合もあります。
支払いが進めば残高は減りますが、新たに買い物等をすれば逆に増えます。もちろん残高がなくなるまで支払いは続き、残高に応じた手数料が完済までずっとかかります。
支払い方法が似ている「分割払い」は、買い物をしたときに分割で支払う回数をあらかじめ選ぶやり方です。支払いの「金額」ではなく「回数」を決める点がリボ払いと違いますが、どちらも手数料がかかる点は同じです。
リボ払いの実情
リボ払いの手数料(金利)は、多い例で年率15%と高め。支払いが終わるまでずっとこうした水準の金利を負担し続けることになるのです。
例えば、50万円のショッピングを一度だけした場合、「手数料年率15%」、「毎月支払額1.5万円」で試算すると、支払い完了まで「44回(3年8ヶ月)」かかり、「総支払額約65万円」にもなる結果でした。
借りた金額の3割もの金利を支払うことになる借金だと考えると、負担の重さが実感できます。また、一般社団法人日本クレジット協会ではリボ払いのパターンとして次を示しています(後記※)。
(1)利用時選択型
(2)登録型
(3)リボ専用カード
(4)あとからリボ変更
クレジットカードの申し込みはインターネットからでも簡単にできる時代で、年会費永続無料やポイント還元率の高さをクレジットカード会社で競い合っているような状況です。
しかし、ネット画面等に表示される宣伝の大きなイラストやキャッチ文字以外の細かい箇所に、肝心な説明が紛れ込んでいる場合もあります。好条件のクレジットカードを申し込んでみたら、実は(3)のリボ専用カードだったという話も聞きます。
また(2)の登録型で「自動リボ登録して利用すると、〇〇〇〇ポイントプレゼント!」といったキャンペーンを目にすることもあります。もちろん、リボ払いの利用状況によっては、もらったポイントをはるかに上回る手数料を負担することも珍しくはないでしょう。
まとめ
高利のリボ払い残高で困ったときの対処策の一つとして、カードローンを借りてリボ払いを一括返済する方法を提案される場合があります。カードローンも審査によって限度額と金利が決まりますが、金利がリボ払いよりは低くなるケースがあるようです。
しかし、こちらも限度額内で追加借り入れはできる仕組みですので、使い方によっては「いつまでも完済できない」リスクは付きまといます。
そして、リボ払いクレジットカードとカードローンの2つのサービスを同じクレジット会社が提供していることも珍しくないという、何とも複雑な気分にさせられる状況もあるのです。
1回払いならば手数料のかからないクレジットカードの「付帯サービス」のようなイメージと、月々数千円程度から設定できる定額支払額のお手軽感、そして、初回時のポイントサービスにつられて気軽に利用を始めてしまいがちなリボ払い。
買い物や飲食などの利用を重ねるうちに「こんなはずではなかった」という事態におちいらないように、デメリットを知った上で検討するようにしましょう。
出典
(※)一般社団法人日本クレジット協会「リボ払いの特徴と利用上の注意」
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士