更新日: 2020.06.17 働き方

【相談事例】新型コロナの影響で収入減少。副業で気を付ける点は?

執筆者 : 下田幸彦

【相談事例】新型コロナの影響で収入減少。副業で気を付ける点は?
新型コロナウイルスの影響で残業が減り、これまでより自宅で過ごすことが多くなったので何か副業をしたいと考えています。副業をする上での注意点はありますか?
下田幸彦

執筆者:下田幸彦(しもだゆきひこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員二種・FP事務所・青い森マネードクターズ 代表
 
青森県出身。大学卒業後IT企業に入社。金融系システム構築をきっかけにFP資格を取得。
 
保険ショップ店長、東証一部上場ハウスメーカー金融担当者を経て2016年独立。
 
10年にわたる保険業界と住宅業界の経験をもとに、保険などの金融商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を重視した中立な立場のアドバイスを行っています。
 
個別相談を中心に企業や学校へのマネーセミナー、各メディアへのコラム執筆も担当。
 
FP事務所・青い森マネードクターズ公式運営サイト
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無料メールマガジン「お金の知恵・マネーチェ」
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まずは自分の副業の目的と期間を明確に

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン(※1)」によると、副業を希望する人の数は年々増えています。副業の目的は、スキルアップ、資格の活用、収入アップなどさまざまで、働き方もパート・アルバイト、正社員、起業による個人事業主とさまざまなようです。
 
今回のご相談者は、残業が減ったことによる収入減少を補うために副業を始めたいとのことですが、副業をするときは「なぜ副業をしたいのか?」という「目的」を明確にすることと、いつまで副業をしたいのかという「期間」を決めておくことが大切です。
 
一時的な収入減少を補うのが目的であれば、期間限定でパート・アルバイトが適していると思いますが、スキルや資格を生かして将来独立・起業を目指していて、まずは副業で小さく始めるという場合は、目的は「独立・起業」、期間は「独立まで」となり、会社員として働きながら開業して個人事業主を副業とする方法もあります。

副業を始める前にすべきこと

副業を始める前に、勤務先の「就業規則」や「労働契約の内容」の確認を行うようにしましょう。勤務先の就業規則によっては、副業が禁止となっている場合や、届出制としている場合もあります。
 
ただし、届出制の場合でも業務に支障をきたしたり、企業秘密の漏洩など、勤務先の利益を損なう副業を禁止としている場合がありますので、必ず就業規則を確認するようにしましょう。
 
次に、自分の副業の目的と勤務先の就業規則の副業のルールに合わせた働き方を検討しましょう。その際、副業に充てる時間は、充分に検討するようにしましょう。なぜなら副業は、本業プラスアルファで行うため、働く時間は増えることになります。
 
その結果、睡眠不足で本業に支障が出る可能性もありますので、1日2~3時間、休日のうち1日だけと決めるなどして健康状態が崩れない範囲で検討してみてはいかがでしょうか。最後に、上司や人事担当者へ相談し、可能であれば副業を開始するようにしましょう。

副業は働き方で社会保険料が増えることがあります

副業にはパート・アルバイトとして雇用される方法、個人事業主・フリーランスとして働く方法がありますが、パート・アルバイト、正社員として雇用される場合、社会保険の加入要件(※2)を満たしていれば、副業の収入も社会保険の対象となるため、社会保険料の負担が増えます。
 
手取りは減りますが、納める厚生年金の保険料が増えることで老齢厚生年金、傷害厚生年金、遺族厚生年金の受給額に反映されますので、必ずしも損とはいえません。
 
副業で社会保険の負担を増やしたくない場合は、社会保険の加入要件を満たさない範囲で働く(勤務時間を一定時間に抑えるなど)、個人事業主として自ら収入を得ていく方法もあります。これから副業を始めたい方は、参考にしてください。
 
参考
※1 厚生労働省 副業・兼業
※2 日本年金機構 適用事業所と被保険者
 
執筆者:下田幸彦
ファイナンシャルプランナー(AFP)


 

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