更新日: 2020.11.30 その他家計

共働き夫婦のお小遣い、どうやって管理したらいい?

執筆者 : 杉浦詔子

共働き夫婦のお小遣い、どうやって管理したらいい?
共働きの家庭は2019年に1245万世帯となり、片働き世帯の582万世帯の2倍以上となりました。共働きによりそれぞれが、仕事上のお付き合いやランチなどの飲食代、オフィスに行くための服やかばんの購入費などに当てるため、自由に使えるお小遣いが必要になってきます。
 
共働きの場合、どのようにお小遣いを決めているのでしょうか?多くの家庭で行われている割り振り方をお伝えします。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

共働きのお財布事情

これまで家計相談を受けてきて、共働き家庭のお小遣いの割り振り方は、お小遣い制と共同財布制の2つの形が主になっています。そしてそのほとんどが共同生活を始めたときに決めた割り振り方をその後も変えていないようです。
 
お小遣い制とは2人が稼いだお金を全て1つにまとめ、あらかじめ決めておいた毎月のお小遣い額をお互いが受け取る割り振り方です。
 
もう1つの共同財布制とは、あらかじめ支出額を算出しておき、2人が稼いだお金から生活費や貯蓄予定額などの支出額を共同のお財布に入れ、残りをお互いのお小遣いとする割り振り方です。
 

お小遣い制の特徴

お小遣い制は、ランチ代やお茶代など、どこまでをお小遣いの範囲とするかをあらかじめ相談して決めておくため、お小遣いを何に使っているか内訳が分かりやすいという特徴があります。また、稼いだ額の全額を1つにまとめるため、お互いの収入事情も理解しやすいといえます。
 
その一方で、予定をしていない急な冠婚葬祭や懇親会などがあると、お小遣いの額が足りなくなることがあり、パートナーにお小遣いが追加で必要となる理由を伝える必要が出てきます。
 
また、貯蓄もまとまっているため、家計の貯蓄額が全部でいくらあるのか分かる特徴もあります。住宅など大きなものを購入する目的がある場合は、お小遣い制の方が、お金を貯めやすいといえるでしょう。
 

共同財布制の特徴

共同財布制は、毎月必要な家庭の支出額を算出して、あらかじめ決めた金額を生活費として出し合うため、毎月の支出がいくらになるのかを明確にすることができます。それぞれが共同財布に入れる額は、お互いの収入から決めている家庭が多いようです。
 
共同財布は作らず、住宅関係の費用はどちらかが支払うと決め、もう1人は食費や日用品などの生活費を支払うとしている家庭もありますが、いずれにしても収入から必要額を引いた額がお小遣いとなる割り振り方です。
 
共同財布制は相手にお小遣い額を知らせなくて済むという特徴があります。その一方で、毎月の収入に変動がある場合は、お小遣いが多い月と少ない月が発生します。よって、収入の変動に備え、自分で貯蓄する心がけが必要です。
 
また、共同財布からはあらかじめ決めた額を貯蓄しますが、それぞれがお小遣いから貯蓄するかしないかは自由ですので、相手の貯蓄額は分かりません。
 

お小遣い制と共同財布制で迷ったとき

お小遣い制と共同財布制はどちらが良いというものではありませんが、お小遣いをどのように割り振るか迷うこともあります。共同で大きな買い物を予定している家庭はお小遣い制を選択し、購入した物をそれぞれで管理したい家庭は共同財布制を選択しているケースが多いと、相談を受けていて感じます。
 
いずれにしても共同生活を始めるときに、お小遣いをどのようにするか、話し合っておくことが望ましいといえます。
 
参考
内閣府男女共同参画局 令和2年版男女共同参画白書(概要)
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント


 

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